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魔法の国と異世界転移者  作者: 旅人サン
4章 ミーアのピクニック編
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29話 妖精救出作戦

次回8月中は毎週金曜日の16時に投稿致します。

 森の奥に進むと馬車が止まっており、盗賊達が小瓶に何かを詰めている。よく見ると小瓶の中には妖精が入っている。

 

 「あれが、今回の悪い人達だね」

 「数はざっと6人ね」

 「どうする?出来れば正面突破は避けたいな、ここは裏に回って妖精が入っている瓶を回収して…」


 ラルマが作戦を練っている最中、ミーアとラーシャは意思疎通が取れたのか相槌を打ち正面から突撃する。それに気付いた盗賊達は二人に注目する。


 「なんだ、このガキは?」

 「村の子供だろう、村の連中にバレると厄介だ。始末しよう」

 「いや、こいつらも誘拐して人質にすれば、身代金を要求できるかもしれねぇ…それに女ならロリコン好きな貴族に売っぱらうのも有りだぜ」

 

 盗賊達は武器と捕縛用のロープを持って二人に近づく、


 「妖精さんを返してもらうわ!」


 ミーアはスライムナイツを召喚し、盗賊達と戦闘させる。それを見て盗賊達はこの二人は只者じゃないと判断し、火炎瓶をスライムナイツに投げまくる。


 「サンダー・ショット」


 ラーシャは雷の魔法で盗賊の一人に直撃させる。しかし火力が足りないのか一撃では仕留めきれず、盗賊はポーションを飲んで回復する。

 盗賊がラーシャにナイフで切りかかろうとした瞬間、緑色のオーラに包まれて近くの木まで飛ばされる。ラルマのサイコキネシスだ。


 「二人共、少しは考えて行動しようよ」

 「ごめんなさい。でもこれ以上、妖精さんの苦しむ顔を見たくなくて……」

 「僕たちが捕まっちゃったら誰も妖精さんを救えないんだよ?でも無事で良かったよ」

 「あ、ありがとう…」

 「ラルマ君ストップ!話はこの人達を倒してからにしよう!!」


 ミーアはすかさずスライムナイツを召喚し続けて攻撃命令を出し、スライムナイツは剣で盗賊を貫き、数を減らしていく。

 盗賊の戦線が崩れ始めると、一人が爆弾玉を馬車に向けて叫ぶ。

 

 「全員動くな!!妙な真似したらこいつらを全部、ふっ飛ばしちまうぞ!」


 馬車の中をよく見ると妖精が入った瓶以外にも子どものエルフが捕まっていた。

 盗賊はミーア達に武装解除を言い渡す、それに応じてミーアはスライムナイツを帰還させる。


 「手こずらせやがって…てめぇらも一緒に来てもらおうか」

 

 盗賊達がミーア達を捕まえようとした瞬間。


 「今よ、ラルマ君!!」


 ラルマのサイコキネシスで近づいて来た盗賊全員を動けなくする。盗賊達は抵抗するがラルマが必死に盗賊達の動きを止める。

 その隙に、ミーアとラーシャは馬車の妖精とエルフを解放する。


 「早く逃げて!」


 妖精達は空を飛んであっちこっちに散らばり、エルフも森の奥に逃げ出す。それを見た盗賊達は怒りでラルマのサイコキネシスを破る。


 「このガキ、よくもやってくれたな!!」

 「こうなったらこいつらの体を売り飛ばしてやる」


 盗賊の一人は胸ポケットから白い粉が入った袋を取り出す、ラルマはその粉を見て驚く。


 「それは、マジックパウダー!?」

 「知っているのか、なら話が早ぇぜ。お前らまとめて奴隷になってもらうぜ」

 

 盗賊は白い粉を吸引すると、段々と筋肉が増強し始める。

 

 「早く、薬が全体に回る前にこの人を倒さないと!」


 ラーシャは白い粉を吸引した盗賊に雷の魔法を連発する。しかし効果はなくその姿は最早人間とは呼べない体になっている。それを見た馬車馬は逃げ出す。


 「ウガァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 「くっ、“力”さえ発動できれば…」

 

 盗賊だった怪物はミーア達に襲い掛かる。ラルマはサイコキネシスで岩をぶつけるが怯むことなく進んでいき、ミーアがスライムナイツを召喚、防御に徹底するが怪物の爪がスライムナイツを貫く、このままでは全滅してしまう。

 

 「こいつはやべぇ!」

 「あの薬でバケモンになるなんて……こんなの聞いていないぜ!」


 怪物となった盗賊を見て他の盗賊達は走って逃げ出した。


 「このままじゃまずいよ」

 「ラルマ君、ラーシャちゃん。お願いがあるの!」


 ミーアは強力な召喚獣を呼ぶ為に二人に時間を稼いでほしいと提案する。ラーシャは勝算があるのかと聞くがわからないと返答する。しかしこのまま全滅するぐらいなら試す価値はあるとミーアは叫ぶ。

 二人はミーアの提案に同意して行動する。ラルマはサイコキネシスで剣を大量に作り出し、怪物にぶつける。その隙にラーシャはナイフで怪物の頭を刺そうとするが、怪物に腕を掴まれ投げ飛ばされる。

 

 「がっ!」

 「ラーシャちゃん!」


 地面に叩きつけられて意識を失いかける。怪物がラーシャに止めを刺しに向かうが、ラルマは盗賊が落としていった爆弾玉を顔面に投げて目潰しをする。数秒後に意識を取り戻したラーシャはその場から離れて戦闘態勢を整える。爆弾玉を直撃した怪物の顔は再生し元に戻る。


 ミーアは必死で詠唱を唱える。怪物はミーアと目が合って襲い掛かり、拳を振るう。すかさずラルマがサイコキネシスで盾を作り出し防御するが、盾を壊しラルマに一撃が入る。すぐにラーシャがラルマに回復魔法をかけようとするその隙に怪物はラーシャに蹴りを喰らわす。

 

 「お願い、私の友達を助けて!」


 ミーアが展開した魔法陣が激しく光る。魔法陣から怪物より大きい巨人が召喚される。

 

 「メテオゴーレム!!あの悪い奴から皆を守って!!!」


 ゴーレムはご主人の声を聞くと雄叫びをあげながら真っ先に怪物に向かってタックルをする。怪物はゴーレムのタックルを受け止めると反動で後ろによろけてしまい、その隙にゴーレムは怪物の顔面に正拳突きを放つ。


 顔面がぐちゃぐちゃになっても怪物は攻撃をやめず、まるで怪獣映画の戦闘シーンのようにゴーレムと殴り合う。ミーアは倒れているラルマとラーシャにポーションを飲ませ回復させる。


 「死ぬかと思ったわ」

 「ありがとう……ミーアちゃん」


 二人は何とか立ち上がって怪物に向かって魔法を放ち続ける。それに続いてミーアはマジックポーションを飲んで他の召喚獣を呼ぶ。


 「サイコ・カッター!!」

 「エレキ・ケージ!!」

 「おいで、ビーストアーチャー!」


 ラルマとラーシャの魔法攻撃とミーアが呼んだ召喚獣の援護射撃で怪物は段々と動きが鈍り始める。再生能力も衰えて来ている。どうやらマジックパウダーの効果が切れ始めているようだ。

 もう少し、後もう少しであの怪物を倒せる…三人は攻撃を続けて足止めをし、ゴーレムが怪物の心臓に一撃を入れる。怪物の動きは止まり、地面に倒れる。


 「やった…?」

 「倒したんだ、僕らの勝ちだ!!」


 三人は歓喜をあげ、ハイタッチをする。この戦闘は誰か一人でもやられていたら勝てなかっただろう。

そしてあれだけの戦闘をした所為か、疲れが一気に来て眠くなる。三人は眠るように地面に倒れた。


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