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魔法の国と異世界転移者  作者: 旅人サン
2章 パッピーマジックパウダー編
19/150

19話 アーザノイル(前編)

 ウインチェルの転移魔法でオゼット達はアーザノイルの入り口前に着く。門の前には兵士が警備していたが、アルメリアが兵士に偽装した入国証明書を見せて街に入る事に成功する。

 街に入ると商店街が賑やかで活気が溢れている。


 「では情報収集と行きましょうか、二手に分かれて夕方にここで合流しましょう」


 アルメリアはそう言うと一人で商店街に向かっていく。


 「さて、どこから探したらいいでしょうか?」

 「情報収集って言ったら……あそこかな?」


 ボソッと独り言を言ってオゼットはある場所に向かう。しばらく適当に歩くとピタッと店の前に止まる。どうやら酒場のようだ。


 「本当にここで情報収集を?」

 「ロールプレイングゲームとかで情報収集と言えば、村人に聞くか店で情報を集めるっていう定番があるからね。ウインチェルはここで待っていて、俺が聞いて来るよ。」

 「私も行きますよ」

 「OK」


 オゼットは念のためにIMSPを起動し、酒場の扉を開ける。店に入ると昼間なのにも関わらず、飲み客が多く、おまけに店中に酒臭さが漂っている。ウインチェルは酒の匂いのせいか、頭がくらくらすると言い具合が悪くなる。二人は空いている席に座って店員にミルクを頼む。

 周りを見ると客達は会話が盛り上がっている。その中、端っこのテーブル席でかなり酔っている男達が金儲けの話で盛り上がっている。


 「この~白い粉をよぉ~、テレンに生息しているモンスター共によぉ~、ばら撒けば報酬金が出るんだってYO~」

 「おいおい嘘だろ~」

 「マジなんだよ~。しかも金貨5枚なんだぜ」

 「金貨5枚!?そりゃあすげえな~、良い小遣い稼ぎじゃあねぇか」


 男達の話を盗み聞きしてオゼットは男達に近づく。男達はそれに気付いてオゼットを睨む。


 「よう兄ちゃんこんなところで彼女連れたぁ~、いい度胸してんじゃねえか?」

 「ちょっと聞きたい事がありまして、最近ここで…」

 「てめぇの話なんかどうでもいいんだよ?それよりそこの彼女~、俺達と遊ぼうぜ~」


 男の一人がウインチェルの胸を触ろうとした瞬間、オゼットが瞬時に男の手首を外して、なぎ倒す。


 「あらら、握手するなら手を洗わないとね」

 「てめぇ!!」


 男の仲間が腰に付けている剣を抜こうとしたが、鞘にしまっていたはずの剣がない。振り向けばオゼットが、男が所持していた剣をバキバキと折っている。


 「……もう一度聞きたいんだけど、最近ここら辺で白い粉が出回っているって噂知ってる?」

 「し、知らねぇよ…」

 「本当に?」


 オゼットは男の手を思いっきり握る。


 「いてててて!!!フォンサイズって店の裏にこの粉の売っている奴がいるんだよ!!」

 「教えて頂き、ありがとうございます」


 男の手を離すとオゼットは白い粉を奪う。


 「……この粉はとても危険なんだ。死にたくなかったらこの件から手を引いた方がいいよ」


 その後二人は店の店員に「ごめんなさい」と言い、お代を払って店を出ていった。

 男が言っていた情報通りならフォンサイズという店の裏で白い粉を売っている商人がいる。それを確かめる為に街の人々に訪ねながら向かう。

 二人で探し回るとフォンサイズという名の武器屋が見つかった。


 「……ここで粉の取引が行われているのでしょうか?」

 「確かめてみよう。……気を引き締めて行くぞ」


 二人は店の裏側に移動し、その商人を待つことした。……がいつまで経ってもその商人は来ない。


 「しまった……場所がわかってもいつ商人が来るかまでは聞いていなかったよ」

 「……オゼットさんって意外と天然ですよね」


 二人が話し合いをしていると、奥から人影が近づいて来る。二人はそれに気付いてすぐに物陰に隠れる。

 身を潜めて様子を見るとそこには帽子を被った男とアルメリアの姿があった。


 「これが噂の白い粉かしら?」

 「ああ、これをテレン周辺のモンスターにばら撒いてくれれば良い」

 「何の為にこんな依頼をしているの?」

 「余計な事は考えない方がいいぜ、それよか姉ちゃんならこんなバイトよりもっと良い金儲けの話があるんだがな……ぐへへ」


 男はアルメリアの胸を見て鼻の下を伸ばす。オゼットはあの男を捕まえようと行動しようとするがウインチェルが止める。


 「そうなの?私はこの粉が何処で生成されているのか気になるのよ、いろいろと教えくれたら良いことしてあげるわよ?」

 

 アルメリアは上着を脱ぎ、胸をちらつかせる。男はそれを見て興奮を隠せないでいる。オゼットはよし、あいつ斬ろうと言って剣を手にし、行動しようとしたがウインチェルに止められる。


 「そうだな……何でこの粉をばら撒いて欲しいかは知らないが、こいつはある工場で作られている。」

 「それは…何処?」


 アルメリアは男に近づいて豊満な胸を当てる。


 「ここから東にある精肉工場があって、そこの地下に研究所があるんだよ」

 「なるほどね、ありがとう。お礼に……」


 アルメリアが男の後ろ首に小さな針を刺す、男はすぐに後ろに下がり反撃をしようとたが意識が朦朧とし倒れる。


 「……さて、そろそろ出てきたらどう?」

 「やはり、バレていましたか」

 

 ウインチェルとオゼットは物陰から出る。どうやらアルメリアは二人の存在に気付いていたみたいだ。


 「その男は死んだんですか?」

 「いいえ、痺れ薬を刺して動けなくしただけよ」


 アルメリアは瞬時に男を縄で亀甲縛りをする。


 「……え、何で亀甲縛り?」

 「さぁ、行きましょう」


 オゼットがアルメリアにツッコミを入れるが無視され、三人はここから東の方角にある精肉工場に向かう。


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