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魔法の国と異世界転移者  作者: 旅人サン
12章 ファンタジー・トップ・シェフ編
112/150

112話 百獣衰滅

 

 IMSPを起動して魔力が膨大に溢れている所為か、アルメリアは二人がいる場所に駆けつける。


 「いったい何があったの?このモンスター達は?」

 「話は後だ。これ以上被害がでねぇようにぶっ潰すぞ」

 「でも殺しちゃダメです!あのモンスター達、元は人間です!」

 「急な展開過ぎて追いつけないから後で説明してよね。とりあえず殺さないで止めればいいのね?」

 「そうだ!やるぞ!!」


 モーレアはサイクロプスの顔面を殴って態勢を崩すとサイクロプスの足を掴んでジャイアントスイングをする。そしてそのまま他のモンスター達がいる所に目掛けて投げた。モンスター達は次々と倒れる

 

 「おっしゃストライク!!そして今だ!アルメリア!」

 「わかっているわ」


 アルメリアは倒れたモンスター達を触って顔面以外の体を凍らせる、これで暴れる心配はなくなる。

 俺はスキル『タキオンソニック』、『慈悲』、『紫電の太刀』で強化しモンスター達に峰打ちをする。

 峰打ちとはいえ剣に纏った電撃がモンスター達を感電させて気絶させる。


 「ところでアルメリア。マリー様は?」

 「大丈夫よ、あの方には料理長がついているから」

 「……本当に大丈夫なのかよ」


 モーレアは不安がってとっとと片付け様とその拳でモンスターを殴っていく。何か一瞬光っていた物をチラッと見るとそこには先程、屯していたチンピラが持っていた金属バットが置いてある。


 「お、いいのあるじゃ~ん」


 モーレアは金属バットを掴むとモンスターの腹にフルスイングして次々と地面へとうずくまる。まさに鬼に金棒だ。アルメリアは蹲ったモンスターを凍らせて身動きを封じていく。

 しかし気がつくとモンスター達が増えている。いったい何処から湧いてきたのか?

 そしてモンスター達は3人を無視し始めて南へと進んでいく。

 

 「おい、オゼット!!あいつらが何処に向かおうとしているか……南に何がある?」

 

 俺はジャンプして建物から南を見るとアルダート駅、更に奥にはアルダート城が見える。それをモーレアに伝えるとモーレアはこのモンスター達はアルダート城に向かっているのではないかと考えた。

 

 「でも確か王国と帝国って休戦協定を結んでいるんじゃなかったっけ?」

 「帝国の仕業かはわからないな。第三勢力か停戦協定を知らない阿保か……どっちにしたって人がモンスターになるのは異常だ、誰かの仕業と考えて良いだろう」

 「オゼット君、ここは私達に任せて他の場所にいるモンスターをお願い」

 「わかりました」

 

 俺は『タキオンソニック』でアルダート駅のビル“パルティナス”のまで行き、壁走りで屋上へと辿り着いた。


 「『スナイパー・アイズ』!」


 このスキルは最大1000m先までの距離を視認する事が出来る。大体でしか見る事が出来ないが、南部と東部では軍隊がモンスター達を射撃して捕獲している所が見える。どうやら彼らもあのモンスター達が元は人間だと認識しているらしい。

 残るは北部と西部で北部の一部はモーレアとアルメリアが交戦中なので残るは西部にいるモンスターを止める。必要がある。


 おれはハルベルトに向かい、街で暴れているモンスターと南に向かっているモンスターの両方を相手する。

 

 「『宝石の流星群(ダイヤモンド・スターダスト)』!!」

 

 上空から複数の宝石状の隕石がモンスターに降り注ぐ。魔力を抑えて通常より隕石の数を減らし、『サイコキネシス』を使って隕石を操作してモンスターに直撃させる。こうすることで建物に被害を及ばない様にしている。

 次々と頭に当て気絶させながら他の場所にモンスターがいないかを探索を続ける。一人の民間人を見つける。助けなくては!


 俺は民間人にいる所まで走ると黒いパーカーの男がモンスター達を見ている。ここは危険だから避難しようと伝えると男は笑って両手に持ったサブマシンガンで連射し始めた。銃弾を剣で弾くと男は驚いた。


 「ほう、貴方が噂のイスフェシアの勇者ですか。勇者っていうのは自分より強い人物を何かと理由付けて使えないと評してパーティーから追放する無能だと思っておりましたが、貴方はパーティーとか組んでいないのですね?」

 「……誰だ、あんたは?」

 「あなたには関係ありませんよ」

 

 男はスモークグレネードを投げて煙幕を張って逃げる。逃がさないと男を追うと空から黒い光線が飛んでくる。避けて見上げると空中に浮かんでいるのは黒い鎧姿の……正確には鎧というよりもヒーロースーツみたいな人物だった。まるで何処かのヒーロー番組とかで出てきそうな……。

 その人物は魔法陣を展開すると黒い空間に男を逃がす。後を追おうとすると突然目の前に鎧の人物が現れて剣を振るった。

 

 「まさか、『タキオンソニック』のスピードに追いつくだと!?」

 「……」


 その人物は拳で地面を砕き、砕いた地面を蹴り飛ばす。それを真っ二つに斬るとその人物は消えていた。

 

 

 

 

 やがて月は元の色に戻り、モンスターになった人々も元の姿へと戻る。いったい何が起きたのかを聞いてもモンスターになった時の記憶はないらしい。

 今回はコンダート王国でプチ旅行が出来ると思っていたが、どうやら俺達は事件に巻き込まれてしまったのかもしれない……。


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