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守りたいもの  作者:
1/10

第1回 新しい生命

 高校生のときからつきあっていた人と結婚してから今年で3年。

 強気で、少し不器用な彼女との生活は決して裕福ではなかったけれど、それでも僕たちは幸せだった。

 そんなある日のことだった。



「今日はそんなに遅くならないと思うけど、どうかしたの?」

『ううん。ただ、何時に帰るのかなって思ってさ』

 職場である学校にいるときに、ケータイに電話をかけてくることは珍しいことだったから、少し疑問に思った。

『とにかく、早めに帰ってきてね』

「わかった。なるべくそうするよ」

 苦笑して電話を切ると、自分の後ろに同じ世界史の教師である佐藤先生が立っていることに気づいた。

「わっ!」

「おや〜?中西先生、奥さんからの電話ですか〜?いいですね」

 佐藤先生はニヤニヤと笑って僕をからかってくる。僕こと、中西(あゆむ)は、いくら生徒の下校時間が過ぎたからってケータイを使っていたことを(とが)められるんじゃないかと、内心ヒヤヒヤしていた。

「すいません・・・」

「いやいや。若いうちは、男がしっかりと奥さんを守っていかなきゃだめだよ」

「はい・・・あいつ・・妻を守れるのは、僕だけだと思ってます」

 それは、強がりでもなんでもない、僕の本心だった。

 心からの言葉だった。


          ∞


 妻である、晴香と出会ったのは中学生のとき。

 割と消極的だった自分が、初めてした一目惚れだった。

 当時、僕の1番の親友だった内田と敵対しながら、彼女に猛アプローチした・・・つもりだったが、どうも(はた)から見ると僕はゆるいらしくて、それが彼女にとってもどかしさの原因を作ってしまい、逆に告白された。

 それからずっと、高校でも大学でも、そして結婚してからも、ずっと一緒にいた。

 これからもそうだと思っていた。


          ∞


「ただいま」

 返事がない。不審に思ったが、ハンバーグの匂いがして安心した。

 晴香の行動はなんとなく読める。僕は顔が笑ってしまいそうになるのを抑えながら、ゆっくりと奥へと進んでいく。

「おっかっえっりー!!」

 台所を通り過ぎたところで、後ろから突然ぎゅっと抱きしめられた。

 ほら、やっぱり。

 予想していたことだから、とうとう笑えてしまった。

「なんだよー!びっくりしなかったの?」

 晴香は僕の反応が気に入らないのか、ふてくされる。

「晴香のことは全てお見通しだよ」

「それじゃぁ・・これは!?」

 僕に抱きついたまま、まるで子犬のように顔を輝かせて言った。


「あのね!私、妊娠したみたい!」


 そのときは、新たに僕の守るべきものができた瞬間であり、1つのカウントダウンが始まった瞬間でもあった。

はじめまして!もしくは、お久しぶりです!


今度は今までとは違ったタイプの物語を

書いていきたいと思います。

1回分の文字量は以前よりは減らしていこうかなと…


気長によろしくお願いします。

感想もいただけると嬉しいです。

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