表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/25

復活

刺激を受けた動画:『 Iori / Love You 』

          『 るなシーズン 』

https://www.youtube.com/watch?v=Zig4sgQj618

https://www.youtube.com/watch?v=VVIsE1hsMjI

〝大戦〟勃発の当初、新帝国陣営の提督ていとくバールゼブルは、

先帝を守護すべく皇帝直轄領に進入せしところ、

既に先帝を弑逆しいぎゃくせる中枢種族ザフィエルより超新星兵器による奇襲攻撃を受け、

自己防衛のために自らもまたやむなく同兵器を使用せり。

中枢種族間の抗争にも助けられ、

彼女はザフィエルの討滅及び皇帝領の確保に成功せるも、同星域は荒廃せり。


 このことを悔やみたる彼女は戦後、旧皇帝領長官の地位を希望せり。

バールゼブル及び情報部門副長官グラシャラボラスは、

天空より破滅をもたらす超新星爆発の白熱の光輝に先行して、

文明の秋を迎えたるが如き惑星群を訪れたり。

彼女達は、同星域の歴史ある種族に敬意を表しつつ、

技術部門副長官アミーの技術による防護と救援の開始を伝えると共に、

次の如き統治宣言を行いたり。


 即ち、『汝等なんじら皇帝直轄領の種族は、恵まれし者達なり。

帝星近傍(きんぼう)の地政学的利点から、

自らの宇宙進出を待たずして創成期の帝国に編入され、

その拡大に伴いて大いなる栄光と繁栄を享受したるが故に、

帝国統治の正当性にもまた絶大なる信頼を寄せたらん。

然しながら、〝権力は腐敗する〟との箴言しんげんの如く、

旧帝国もまた、歳月の経過に伴う側近種族の腐敗から悲惨なる内戦を招来し、

汝等に存亡の危機をもたらせり。

汝等の内には膨大なる生命や資産を失いて、

帝国及び星間社会に対し悲観的展望を抱き、あるいは絶望せる者もあらん』


『然し、我等新帝国種族は汝等の敵に非ず。

恒星間の宇宙に願いをせて、再び汝等と共に在り、

全力を以て汝等の復興を支援すべく、この宙域に来援らいえんせしものなり。

汝等も知るが如く、帝国の統治形態は徐々に変革を開始しつつあり。

将来における旧皇帝領の復旧、さらには戦前以上の繁栄を目標として、

我等は一個また一個と惑星を、そして恒星をよみがえらせん。

我等が求むるは、唯一つ輝ける帝星のまばゆ光芒こうぼうに非ず。

星域を形造る無数の惑星の多彩なる輝きが織り成す、遥かに偉大なる光輝なり』


『我等の希望は汝等が、

もはや理想も色褪いろあせたると思われしこの星域に再び、

そして此度こたびは永遠となるべき、

友好と交流の精華を咲かしめることなり。

我等は汝等に対し、汝等が他種族のために何をなし得るか、

また他種族が汝等のために何をなし得るかを見出し、

〝全ての種族のための文明発展〟を理念とする新国家の協働と繁栄に

貢献することを、切に願うものなり。

ゆえに我等新帝国の理事種族、バールゼブル及びグラシャラボラスは、

ここに帝国慣習法に従い、

我が量子頭脳本体と当分離個体、派遣分離体の名において以上のことを誓約し、

本星域の統治を開始するものなり』と。


 この宣言及び彼女達の事績を分析せる旧皇帝領の諸種族は、

次々とこれに賛意を表明し、

新帝国への帰順よりも滅亡を選択せんと宣言したる種族までもが

これに賛同するに及び、

ここに一自治領としての旧皇帝領が、実質的には民主的に成立せり。


 バールゼブルは〝地獄王〟の異名を甘受しつつ、

グラシャラボラス及びアミーと共に、同星域の過酷な環境の中で復興に尽力し、

同地に戦前以上の平和と繁栄をもたらして、〝再建王〟の新たなる別名を得たり。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ