子作り side 菫
どうぞ
それは、光様が5歳になろうとしていた時だった。
「・・・というわけで大丈夫でしょうか。」
「・・・いいわ。めでたいことだし、一度くらいしておかないとね。」
「ありがとうございます。それでは、予定が付き次第行ってまいります。」
私は、一つ階段を上ろうとしていた。
「そっか・・。もう薫が出来る時期になったのか・・・。なーんか時間って早いわねー。」
「ママー!」
「はーい!今いっきまーす!」
私、産みます。
「え?お姉ちゃん子作りするの?」
「ええ。最初は光様の元で一生処女のまま生きていくのも悪くないと思っていたけど・・・」
「私は光ちゃんにもらってほしいなー」
殺
「今なんと?」ギュッ
「ななななななんでもないいいいぃぃぃぃ!!」ズガイコツビキビキ
「口は災いの元よ。」
「だとしてもいきなり災厄級はやめてよー・・・。あべしするところだった・・・。」
「ゴホン。とりあえず、私は近日病院に行って検査受けてから受精してもらってくるから。3,4か月後にはあなたの仕事量が増えることを言っておきたかったの。」
「ええええええ!なんで・・・・いや、わかったよ。」
なんか潔いわね・・・
「何を考えてるの?」
「いやぁ、お姉ちゃんの仕事を私がするということは光ちゃんと触れ合う時間も増えるんだなーと。仕事増えるのは嫌だけどやらなきゃいけないことだし、だったら光ちゃんと遊ぶ時間が増えれば・・・」
「そんなに増えないわよ。あなたがやるのほとんど光様関係ないから。」
「・・・・・」
「・・・・・」
「ちょっと弱酸性飲まない?」
「弱ではなく強じゃなくて?」
・・・・・
「なんでなんで!!!!私のほうが働いてるのに給料一緒で光ちゃんと遊ぶ時間もほぼ一緒とか納得いかない!」
「だって、動かない仕事を優先的にしていくと、基本光様と一緒になるだろうから。」
「くっ。私も妊娠しようかなぁ。」
「やるとしたら私が産んで落ち着いてからね。じゃないと私たちただの居候にランクダウンよ。」
「むぅ・・・。」
「それにこれは光様のためともいえるの。」
「え?」
「もう光様も5歳でしょ?再来年には学校よ。大丈夫だと思うけどもしかすると光様の学校生活に支障があったりするかもしれないわ。そんな時に近くにいられる人間が必要でしょ?」
「・・・最速で産んでも5歳差なんですが。小1と小6くらいの差がありますが」
「そ、それに産まれてくる子供は男女関係なく光様のメイド(執事)にするわ!」
「・・・はぁ。もういいよ。お姉ちゃんが自分の子供を光様の側付きにしたくて、あわば女だったら嫁に出したいってわかったし。」
そ、そんなことは・・・・・・・・・なぃ!
「まあ、私たちも女だから一度くらいは子供産まなきゃだしね・・・。恋愛のれの字もしたことないけど」
「そんなの世の女性ほとんどでしょ?」
「じゃあ、私もお姉ちゃんが産んだら産んでみようかな・・・」
「ちゃんと奥様に相談してからね。なんやかんやで奥様の支援は必要になるだろうから。」
「うん。じゃあ、大きくなってから生まれるまでの7か月間くらい?は私が頑張るよ。あ、でも光様のお食事係は私が全部担当するからね!」
譲りたくはないけど・・・仕方ないわね。
「わかったわ。対価としてそれくらいは払ってあげる。」
次の日、出産用の検査を受け、子宮系に問題なく血にも問題ないと出たので早速人工受精を受けた。
(今、おなかの中に新しい命がいるのよね・・・)
「?どうしたの?菫お姉ちゃん。」
「いえ、なんでもありませんよ。」
「今日のお昼ご飯はどうですかー?」
「おいしいよ!蛍お姉ちゃん!」
「ありがとうございます!あ、ほらほら、口元におべんとうが」パクッ
あのバカ!奥様にばれたら減給よ!?奥様そういうのには非常に厳しいんだから!
「・・・うん?・・・わかったー。」
「どうされましたか?」
「[いいかげんにせぬとおぬしのこれくしょんがいじげんにきえるかもしれんなー]って鬼さんが。」
「!?・・・わかりました。惜しいですが、引きましょう・・・」
鬼さん・・・。やはり只者ではないですね・・。あのコレクションを見つけ出すとは・・・。
蛍のコレクションとは、光様写真集verいっぱいのことです。小さいころから現在までの愛らしい写真をメイド服に忍ばせているカメラで撮って保存しているのです。
その隠し場所はかなり考えられており、エロ本とかは光様でも見つけてしまいそうな場所に隠しているくせにコレクションだけは伝説の秘宝レベルに巧妙に隠します。
一度私が本気を出したときにver1だけ見つけそれだけで疲労困憊になりました。(3時間探しました。)ちなみに隠し場所は部屋の机の一番上の引き出しの隠し底・・・でカモフラージュされている隠し底にありました・・・。
以前、死の教科書という漫画を熱心に読んでいたのでもしやと思っていたのですが、まさか三重底になっていて、しかも二重目にレプリカコレクションが置いてあるとは・・・。
馬鹿なのか天才なのか姉ながら悩むところです。
そんなこんなで出来る限りの仕事をしていたら、おなかがかなり大きくなってきました。
「菫お姉ちゃん。この中に赤ちゃんがいるの?」
「はい。女の子が入っておりますよ。」
残念ながら女の子でしたが問題ありません。私が今まで習ったメイド技術をすべて教えて光様のメイドにするのですから。なので見目麗しい子を、最低でも中の上くらいの子を・・・
「じゃあ、僕のいもうとだね!」
「え・・・そ、そうですかね?」
「テレビで見た!お兄ちゃんはいもうとにやさしくするんだって!」
それはフィクションで汚い大人たちの幻想が具象化したお兄ちゃんだから出来ることです。
「お兄ちゃんが待ってるから元気に生まれてね!」ナデナデ
おなかを撫でてくださるのは気持ちよくてちょっと興奮しますが、母親ながらすでにこの子に嫉妬しそうです。
光様がお兄ちゃん・・・。
きっと、朝に寝坊したら丁寧に起こしに来てくださるのでしょうね・・。そして朝を談笑しながら食べて同じ学校に一緒に行って・・・、もしかすると自分のクラスに用事ついでに遊びに来るかもしれません。さらには光様が妹にやさしくを心掛けながら過ごせば撫でるとか普通で、もしかもしかすると家族に対してキス的な・・・・・・
あと、兄妹といっても血なんてまったく繋がってませんから結婚しようと思えば・・・
どうにかしておなかの子と魂を入れ替えられませんかね。
「・・・?どうしたの?」
「ハッ!いえ。なんでもありません。」
「楽しみだね!」ニコニコ
「・・・ええ。そうですね。」
お腹の子よ・・・楽に生きられるといいですね・・・。
虐待とかはする気はありませんが。(常識人)
まさかの作者の頭のなかで菫が薫に入れ替わるという事件が発生しました。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。