お誕生日 side 母
どうぞ
「「「ハッピーバースデー!」」」
「あー!」
「ありがとー!えへへへ。」
本日は、この家の神とも言えるような光ちゃんの6歳のお誕生日です。皆様、盛大に祝いましょう。(身内で)
「今日のケーキはこの前光様が気にしていらしたケーキですよー!」
「わーい!食べよ食べよー!」
「そうですね。プレゼントは後でも大丈夫ですからね。」
「え!?プレゼント!?えー、え、えーと・・・」
ケーキの誘惑とプレゼントの魅力の間で悩んでる光ちゃんかわいー。かわゆすー。右手の人差し指がとまらなーい。
「まあまあ。光、プレゼントは逃げないから先にケーキを食べましょう?」カシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャ
「うん!先にケーキ!」
「うー!」
「桜にはまだ早いですかねぇ?」
「赤ちゃん用の小さいのを買ってあるので食べられるでしょう。歯はまだ少ないですからたくさん食べるのは難しいと思いますが。一人だけ食べられないのも寂しいでしょうし。」
しかし、もう光ちゃんも6歳かー。来年には小学校に通うのね・・・。女の巣窟に入れなければいけないだなんて・・・。でも、あの母からは共学に行かせろってうるさかったし・・・。でも・・・
「奥様。来年のことが気になるのかもしれませんが、まずはケーキを食べませんか?」
「・・・そうね。考えても無駄よね。まあ、いざとなったら私立の方に通わせればいいし。」
「おいしー!」
「あー!」
あー、光ちゃん見てるともう癒されまくるんじゃ~。
光子とは、光ちゃんの癒し成分のことなのかも知れない。
「それじゃあ、光様!この日のために磨き上げたこの芸を見てください!」
「なになに?」
「おや、何か練習してるかと思ったらそんなものを・・・」
「はっ!日本の伝統芸能、傘の上でボール回し~!回っております、回っております!」
「おーーー!!」
「そこからの、傘を軸にした私回し~!」
「なんですか!それは!!」
「すごーい!!」
「ふふふ。私、自分に傘芸の才能があることに気づいたんですよ・・・。最後にこちら!」
「傘傘回し~!!」
あの子にあんな才能があっただなんてね・・・。
「わーーー!!すごーい!!」
「ふぅ・・・。光様にそこまで喜んで頂けるなら練習したかいがありました。」
「蛍、メイドやめてこれ一本で行く??」
「いえいえいえ、これはあくまで趣味と言いますか、素人の技なので、本業はこのまま光様のメイドとして・・・。」
「冗談よ。」
「奥様が言うと冗談に聞こえないんですよ・・・。」
まあ、反応によってはね。
「僕にも教えて!教えて!」
「いいですよー。じゃあ、この小さい傘で・・」
「あら、桜。もう眠いんですか?」
「うー・・うー・・・」フルフル
「もう目閉じかけじゃないですか・・・。奥様、桜を寝かしつけて来ます。」
「あー・・!あー・・!」
「・・・もしかして桜ちゃん、まだここから離れたくないんじゃないの?」
「あー!」
「・・そうなんですか?桜。」
「あーー!」
「?桜ちゃん呼んだ?」
「あー♪」
「・・・どうもそのようですね。はぁ。では、一応まだここにいさせましょう。寝落ちしてしまったら上に連れていきますが。」
本当に桜ちゃんも光ちゃんのことが好きなのね。・・・義妹だろうとなんだろうと許さないけど。
「それじゃあ、ケーキも食べ終わったし、プレゼントタイムに入りましょうか。」
「わーい!プレゼントー!」
「で、まずは私からね。はい、光。」
「・・・?大きい。なに、これ?」
「ランドセルよ。光は来年から小学校に通うからそれが必要になるの。6年間使う大事なものだから大切に使うのよ?」
もし、壊してもすぐ新しいの用意するけど。
「うん!わかった!大事にする!」
「次は私ですね!これです!!」
「わー・・・?お洋服?」
「残念!道着です!」
「どおぎ?」
「実は言ってなかったのですが、これから小学校に行くまでの間、私と一緒に訓練をするんです!」
「くんれんってなに?」
「えっと、もし変な人に襲われてもやり返せる力を身につけるための・・・練習?みたいな感じのことです!」
「仮面ソルジャーみたいに?」
「・・・はい!ソルジャーのように!」
そういえば、光はアニメとか大好きだったわね。今度、ソルジャーのゲームで一緒に遊んでみようかしら。
ちなみに仮面ソルジャーとは、仮面特撮シリーズの一つで、それまでとは違う作品にするということで、男性主人公が怪物(主に変態)をぶちのめしていくという人気作である。らしい。
主人公役がそこそこのイケメンなのと、ピンチになると少し露出が増えるのもあって、日曜朝では視聴率が噂では60%にまで登ったとも言われている。らしい。
あと、蛍は部活でそこそこの成績を出している武道家(?)だ。
「では、最後に私からはこれを。」
「・・・マフラーとてぶくろだ!」
「はい。手編みにはなりますが、これから寒くなりますので使って下さい。」
「うん!モコモコしてて気持ちいい!」
「それは良かったです。フフフ・・・」
・・・なんか、やってやったぜって気を感じるわね。・・・手作りの物をずっと付けて貰えるからという理由かしら?
確かに言ってはなんだけど、今回の誕生日プレゼント。お金で買えるものは極端に少ない。何故なら大抵のものは私が買い与えてしまうから。
だから選択肢はかなり限られていて、私のランドセルと蛍の道着以外だと、おもちゃか本しかない。手作りに関しては出来によってはまったく使われないので、余程自信がなければ手を出さない。
しかし、見る限りかなり良い出来をしている。
ぐぬぬぬ。ただの防寒具のはずなのに、あれが薫の手に見えてきたわ・・・!!
「・・・ママ?どうしたの?」
「はっ、何でもないわよー。あ!そうだわ!光のお友達からも来てるわよー」
友達(親)(信者)
「ほんと!?」
「ええ。これはあとでお部屋に持っていくから楽しみにしておいてね。」
「やったー!」
母さんのは出さないでおく。何をどう考えれば平然と下着を送ろうと思えるのか。馬鹿ではないのか。今度の帰省がしたくなくなってきた・・・。
「それじゃあ、夜も更けてきたし、お風呂入りましょうか。」
「はーい。」
「今日くらいは私たちも・・・」
「あら、うちのお風呂がそんなに大きいと思って?」(威圧)
「ですよねー・・ハハハ」
「・・・ふぅ。今日だけはいいわよ。早く準備しなさい。」
「え!?いいんですか!やったー!言ってみるものですね!」
特別な今日くらいは皆で楽しみましょうか。変なことしたら(禁止)けど。
「明日からすごいことになりそうじゃねぇ・・・。わっちも頑張らないといけないかもねぇ・・・。とりあえず正月までか」
最新作:「仮面ソルジャー サモンライド」
四半期ランキングでなんか見ようかなーと思ったら自分の作品見つけたやつの反応。
(゜-゜)フーン → Σ(゜Д゜)フーン!?↑
びっくりのあまり、作風が世紀末になりそう。




