お友達 side 蛍
どうぞ
お掃除なうです。
「~~♪」
「・・・」
光ちゃんは静かにテレビ見てますねぇー。お掃除が捗ります。
「・・・蛍お姉ちゃん。」
「はい!なんでしょうか?」
もう慣れましたけど、このお姉ちゃんの響きは最高ですね。
「お友だちってなーに?」
「え゛」
・・・そ、それは・・・
「この子が「私たちはともだちでしょ!」って言ってたんだけど、友達ってなーに?」
「えっとー、友達って言うのは一緒に遊ぶ人を指す言葉で・・・」
「?蛍お姉ちゃんはお友達?」
「い、いやー、それは・・・」
光ちゃんとお友達になりたいですけど、なんなら、もっと深い関係までなりたいですけども。なったら転校フラグ(意味深)が立ちそうなんですよねぇ・・・。
「じゃあ、僕にはお友達はいないの・・・?」
「え!?え、えっと、お友達は・・・」
ど、どうすれば、、、あ!お姉ちゃん!
「ちょっと待っててくださいね!」
「お姉ちゃん!」
「どうしたの?そんなに慌てて。」
「光ちゃ、もとい、光さまが自分に友達はいないのかって・・・」
「!!・・・そう、来てしまったのね。少し待ってなさい。」
まさか、何か手があるの・・?
「光さま、こちらの紙芝居をご覧下さい。」
「かみしばい?」
「お友達に関する紙芝居です。」
なんと古風な。
「まず、お友達はお外にいっぱいおります。」
「そうなの?」
すごい羊の群れ・・・。どこの牧場だ、ってレベルで羊が描かれてるわ。
「でも、実はお友達には偽物がいるんです。」
「え!?」
え!?いきなりそんなディープな現実に!?
「このように皆友達(羊)に見えますが、中には恐ろしい狼が紛れているんです。」
「そ、そうなの・・・?」
「はい。そして、それを見破るのは非常に難しいです。私も蛍も今まで見破れたことがありません。」
あー、「私たちにはバレンタインなんて関係ないよねー」とか言ってた友達が、ちゃっかり(義理とは言え)男子からチョコ貰ってた時とかはつい、
「月のない夜道には気をつけるんだな・・」とか言っちゃいましたねー。
「なので、光さまが狼に襲われないようにまだ会えないだけなのです。」
「そうなんだ・・・。いつ会えるの?」
「そうですね・・。今度奥様に聞いてみましょうか。」
そういえば、幼い男児限定のコミュニティがあるって聞いたことあるわね。ショタコンのゴミが「外からちらっと見たらこの世の幸せの全てがつまっていそうな場所だった」って言ってたっけ。
「蛍。奥様によろしくね。」
「あ、うん。・・え!?」
「それじゃあ、お昼御飯にしましょうか。」
夜
「えっと、奥様。」
「あら、なにかしら蛍。私は今、あそこで光に自分のお腹を触らせて、まるで第二児が産まれる時に母親が自分の子供によくやらせるようなことをして幸せそうな顔をしている菫の頭に一発かましたい気分なんだけど。」
「流石にお腹の子に悪いんで我慢してください・・・・。」
お姉ちゃんも本当に幸せそうな顔するな。
「昼間に、光さまがお友達がほしいと。」
「・・そう。流石に一度くらいは表に出さなきゃいけない時期になったのね。いえ、少し遅いくらいかしら。」
「どうなさいますか?」
「今度の日曜に専用の所に連れて行ってくるわ。あなたたちは行けないから留守番よろしくね。」
「やっぱりですか。」
「ええ。子供と親しか入れない場所だもの。仕方ないわ。」
「わかりました。」
「ところで、いい加減あのアマ顔に一発やっていいかしら?」
「・・・あとが残らない程度で。」
流石にうたた寝してる光さまを抱えて五感全てで堪能してるのはアウト。
狼




