誕生 side あやか
どうぞ
私の名前は九衛 あやか。そこそこの大企業の社長をしている。
生まれは悪くなく、容姿も平均以上で成績や素行も悪くなかった。だが、何故か男に恵まれず、諦めて人口受精を行った。
「くぅぅっ!!!!」
「あともう少しですよ!頑張って下さい!」
「ぅぅぅぅっっっっっ!!!!」
「・・・オギャァァァァ!オギャァァァァ!!」
「生まれました!」
「ハァハァ。よ、かった。」
「しかも、男の子ですよ!!非常にかわいらしい男の子です!」
「え!?わ、私の子を!」
「どうぞ。」
「オギャァァ・・・。・・・zzz」
「・・私のかわいい子・・・。」
こうして、私は人類の宝である、男の子を生むことが出来たのでした。
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生まれた子供の名前は、男の子が生まれるなんて思っていなかったので思いつかず、母に電話して候補を聞いたら、
「絶対に光にしなさい。その子は特に特別な子だから。」
と言われ、少し女の子のような名前をつけることになった。
まあ、多少名前が女の子のようでも問題ないし、子供を眺めていると納得出来たのでよしとする。
そのあと、国の方から男の子を養える家庭であるかの調査が来て、問題なしの判定を受けた。
この子のためにも会社をもっと繁盛させていこうと思う。
「九衛さーん。最後の検診でーす。」
「はい。行こう、光。」
「あーうー。」
この声で周りの女は全員白雪に魅了される。
まだこの時期は男性と女性での違いなどほとんどないはずだが、男である。という認識で200%ほど魅了補正がかかるのだろう。
とりあえずかわいい。
ちなみに健康診断でも問題なく、退院出来ることになった。
「お家に行こうね。」
「あー。う。」
かわいい。
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車で30分くらいで家に着いた。
「ただいま。」
「おかえりなさいませ、奥様。そして、ご出産おめでとうございます。」
「おめでとうございます!」
「ありがとう。菫、蛍。この子の名前は光よ。」
「男の子・・・なんですよね?」
「ええ。この子は特に綺麗になるわ。私がいない間によろしくね。」
「かしこまりました。」
「わかりました!」
「光、この二人は菫と蛍よ。」
「う?」
「これから光と一緒に住むメイドさんよ。仲良くしてあげてね。」
「・・・。」コクン
「わぁぁぁぁぁぁぁ・・・。かわいぃ・・・。」
「・・・菫、蛍。一応釘刺しておくけど、一線は覚えているわよね?」ゴゴゴゴゴゴ
「はい。」
「は、はい!」
「そう。よかったわ。・・これからの生活が楽しみね。」
こうして、菫と蛍に「息子に手を出したら死ぬと思え。」と釘を刺し、これからの人生に期待した。
害虫対策もしなくては。
ありがとうございました。