知らない世界
太一は購買へ行きパンを2つ買って教室に戻ってきた。大きなパンを2つ。
「ようやく飯食えるのか…」
あういえうはまだ戻ってきてなかった。
(落ち着いてパン食えるな)ハムッ
購買に売ってるパンはハムカツパンと卵のサンドイッチとメロンパンある。今回買ったパンはハムカツパンとメロンパン。大きいサイズだ。
(もう眠いなぁ〜、飯食ったら眠くなるのどうにかなんねーかな)カブッ
ーガラ
「…」
(げっ、あいつ帰ってきやがった、パンよこせとかなんねーよな!?)
「…」
あういえうは何も言わずに席に着き、睡眠体勢に入っていた。五.六時間目も寝るつもりだろう。
「……」
(よかった、寝るのか)
(なんか、おれも…眠たくなってきた…)
(昼くらい……寝てもいいよな)
太一もあういえうと同じ体勢で眠りに入った。昼くらい…と言う安易な考えが人間にとって悪魔の囁きなことに太一はまだ知らなかった。
ーキーンコーンカーン
「はいそれじゃー帰りの号令」
「……?……帰り?」ガバッ
キョロキョロと周りを見渡すとすでに帰りの準備ができているクラスメイトが大勢いた。寝過ごしてしまったのだ。
(あああああああああぁぁ!!来週テストあんのに授業はおろかノートとってねぇぇ!!)
「さよーならー」
「「「さよーならー」」」
「はいさようなら」
ーガラガラ
机を引きずる音が太一を正気に戻した。あういえうはまだ寝ていることに気づいた太一はあういえうを起こした。
「おい、いつまで寝てんだよ。前のやつら机下がらないじゃんか」
「……」ガバッ ギー
あういえうは何も言わずに席を立ち教室から出てしまった。
「あいつ礼もなしかよ。とことん非常識なやろーだ。ん?」
机の横にかけてある弁当袋。あういえうのだった。それに気づいた太一はあういえうを追った。
「…たく、本当に迷惑なやろーだ」ダッ
廊下、いない。生徒玄関、いない。トイレ、いない。どこを探してもあういえうは見つからなかった。
「はー、はーどこに言ったんだよアホ毛女は。………あ、そう言えば廊下で先輩と話してたな。放課後とかなんとか。なんか裏庭っぽさそうだな」
なぜ裏庭にあるのかと思ったか、自分でも理解できなかったがパッと浮かんだのが裏庭という単語だった。
(先輩、アホ毛女、放課後、完全に告白パティーンじゃないっすか、そんなとこ行っていいのかな)ダッダダダ
なぜか告白パターンに確信を持ってしまい興味が出たのか猛ダッシュで裏庭に向かった。
(よし、ついた。)
案の定、そこには矢賀とあういえうが二人でいた。
「なぁ、俺と付き合ってくれよ。」
(うおー!本当に告白だった!ていうかどこに惚れたんだよ矢賀先輩!)
「…や」
(おい!)
儺仁八中のヤクザとまで言われた男、矢賀賢介。普通、ビビって誰も断れない告白だが、あういえうはいとも簡単に断ってしまった。
「…は?」
(先輩怒らせるとやべーぞ!プライドとかいいからさっさとOKしろ!)
「だから、やって言ったんだよ。耳ついてんの?」
「…」ブチィ
(なんでそんな喧嘩口調なんだよ!もうどうなっても知らねーぞ!)
「おまえ、俺を誰か知っていて断ってんのか?シメるぞ」
「〆?サバかなんか?」
(何煽ってんだよ!)
「もう謝っても…しらねぇからなぁ!」ダッ
矢賀賢介はあういえうに向かって走り出してグーパンモーションに入っている。このままいけば入院コース。
(先輩嘘だろ…仮にも女だぞ、どんなにムカついたって男から手を挙げるのは、クズじゃねーか。んでそれを黙って見てる俺も)ダッ
「最低な、人間だぁぁぁぁ!!!」バッ
何かを悟り走り出した太一はあういえうをかばうかのように大文字になりながら立っていた。
「誰だてめぇ、死ね!!」ブン
ードゴォッ
(ああ、やられたな、なかなかカッコいいんじゃないの。俺)
「あれ、痛くない?」
「は…?な!!」
そこには大文字になっていた太一の間から手を出し、矢賀賢介の拳を受け止めているあういえうの姿があった。
「隣の席の人でしょ。何やってんのこんなとこで。探し物?」
人の気を知らないであういえうは煽り口調で話す。
「えっ?え?グーパンは?あれ?」
「こ、この女、俺のマジ殴りを、片手で…?」
「いや、こんなの誰でも抑えられるでしょ。赤ちゃんのハイハイより遅いよ」
こいつ、正気か?あの矢賀先輩だぞ?先輩もマジ殴りとか言ってたし。
「ひ、ひぃぃぃ!!」ビユーーン
矢賀賢介はあまりの恐怖に、目の前にいる自分では倒せない化け物に恐怖し逃げてしまった。
「なるほど、何起こったか訳がわからない」
「まあそれでいいよ。わざわざ呼んでもいないのにご苦労さん。私が帰るから」
なんで煽ってんだよこいつは。と思っていたがそれよりも授業中疑問にあったことを聞いてみたかった。
「お前、本当の名前は?」
「……なんで…?」
「いや、普通におかしいだろ。天使って苗字も聞いたことないし、いや俺が知る世界が狭いだけかもしれんが、あういえうって名前もおかしいだろ」
「…で?」
「それで…その、あういえうっておかしいから本当の名前…とかあるんじゃ…ないかと」
どんどん弱気になっていく太一を背にあういえうは歩き始めた。
「屋上に来て。ここじゃ誰か来るから」
「お、…おう」
(裏庭も屋上も変わらんと思うけど)
屋上に着くとあういえうは鉄格子の上に登り柵を越えた。
「あぶねーぞ」
「別に、あんたには関係ないでしょ」
「いや今日風強いからもしかしたらね」
「…そんな話ししに来たんじゃないでしょ」
そうだ、こいつの本当の名前、本当にあんのか。よかった。席も隣だから何かと呼ぶとかあういえうとか呼びづらいからな的なテンションでいた太一は唾を飲んだ。
「そのとーり、私は天使あういえうという名前ではございません。故意的に偽名を使っていました。」
「だろーよ。早く名前を教えろ」
「せっかちだなー。嫌われるぞ」
「ほっとけ」
なかなか本題の名前にいかずムカついたがそれもアホ毛女の策略だろうと思い踏みとどまった。
「では私の本当の名前を教えます。天使…」
「おいそれあういえうのパターンじゃねーかふざけてないで早いってくれよ」
「は?本当に天使なんですけど。黙って聞いてろ。えー…本当の名前は、天使ガブリエルです」
「天使…ガブリエル??」
「そうでーす」
意味がわからなかった。ガブリエルというのは実在するのか?いや、そもそも天使って存在するのか?一つ解消された疑問がまた新たに二つ三つと増えて言った。
「天使…て翼生えて、善の塊見たいな?」
「翼?現世ではそんな妄想されてんの」
「ガブリエルっ…て、あの有名な?」
「有名かどうか知らんけど私の名前はガブリエル」
夢がこれは。目の前には天使を名乗る女が鉄格子越しに立っていて名前は本とかになっているガブリエル。だが太一は信じなかった。
「て、天使といえば善の塊だろ!お前授業中に飯食ったり、寝たり(俺もだけど)、人の飯奪ったり…」
「そんなん知らんよ。こっちの世界では何がいいことなのか」
「人のもの奪うのはあっちでもダメだろ!」
訳がわからなかった。だが疑問はもう一つあった。
「なんで、偽名なんて使ってた…?何のために偽名までして隠してた正体を俺に明かした?」
「…これから先はこっちの事情なんだけど、あんたは多分、大天使の生まれ変わりだと思うんだ」
「俺が?」
「そう、それでこっちの世界で私は探してたんだ。ヘヴンの生まれ変わりを」
そこで、思わぬアクシデントが起きた。突然どこからともなく突風が吹いた。その瞬間ガブリエルは柵から飛び出し落下。そばにいた太一も突然のことながらびっくりしていた。だが直後に太一はガブリエルを守ろうと屋上から落ちてしまう。
落下していく二人。そんな中思うことがあった。
(うわ、まじでやばい。死んだなこれ。痛いかな、いやでも落下死する寸前性行為よりも気持ちいいとか何とかって…)
そんなことを思っているうちに地面に到達。そこで太一の記憶も途切れてしまう。
一分くらいしてからだろうか。周りがうるさい事に気がつく。
(んだようるせーな。あ、まさか生きてて救助きた感じ?)
「おい、にーちゃん、起きろよ」
「頭から血がドバドバ出てんだから起きれる訳ないだろ」ブツブツ
「はぁ?何言ってんだよ。傷なんて一つもないじゃねーか」
「は?」ガバッ
意味不明なことを言っている救助の人だなと思い目を開け起き上がるとそこには学校などはなく、いかにもどこかのRPGみたいな世界が目に入った。そして横にはガブリエルが倒れ込んでいる。
「あれ……ここ、どこ?」
文章がめちゃくちゃかもです助けてください