舞衣ちゃんセンパイ(1)
◆登場人物◆
・岡本千夏:高校三年生、文芸部部長。一人称は「わたし」。ちょっと舌足らずな喋り方の小柄な女の子。お茶を淹れる腕は一級品。入学してきた新一年生の勧誘活動中。
・高橋舞衣:舞衣ちゃん。文芸部の二年生。一人称は「あっし」。身長138cmのロリータ体型。変態ヲタク少女にして守銭奴。ついたあだ名が「文芸部の守銭奴ロリ」。忍に「センパイ」と呼ばせてこき使っている。
・那智忍:弟クン。文芸部の新一年生。しずるの弟。一人称は「ボク」。しずる同様に背が高い美形男子で、細々した事にもよく気づく紳士。姉のことを異常に大事に想っている。
・雨宮咲夜:サクヤ。一年生、しずるや忍の幼馴染み。一人称は「サクヤ」。吹奏楽部所属、その為か異様に肺活量が高く、声がデカイ。それなりの美少女なのだが、残念なことに性格が漢前。
・那智しずる:文芸部所属の三年生で忍の姉。学業優秀の上、長身でスタイルも申し分のない美少女。
・望月泰平:泰平クン。忍のクラスメイトで、文芸部の新一年生。しずるを慕って入部した。
「ええー。今日も、しずる先輩、お休みなんすかぁ」
ここは、放課後の図書準備室。しずるちゃんは、昨日に続いてお休みだった。学校には来てたみたいなんだけれどね。
舞衣ちゃんの不貞腐れたような言葉に、
「昨日、突然の発作で倒れましたから。それで、姉さんには病院へ行ってもらったんです。念の為です」
と、弟クンは冷静に応えた。
彼は今、お台所でお茶の用意をしているところだ。
「ふぅーん。センパイに口答えっすか。弟クンも、偉くなったモンすね。お茶当番も、すっかり板についてきたし」
彼女は、両手を伸ばした状態で、上半身をテーブルの上で突っ伏していた。見るからに暇そうな様子である。
「舞衣ちゃん、文句ばっかり言ってないで、少しは手伝ってよ。生徒会へ出す書類、明日までに作んなきゃなんだもの」
わたしは、ノートパソコンの画面から目を上げると、目の前のボブカットの少女を睨んだ。
いつもは、しずるちゃんが全部やってくれてたんだけど、今回は事情が事情だ。そういつもいつも、彼女に頼る訳にはいかない。
「そぉっすよねぇ。しずる先輩が居ないと、仕事が行き詰まっちまいます。あっしだって、ブロマイド製作の計画が狂っちまいましたよ。さぁて、どうすべ」
わたしのじっとりとした眼に怯むことなく、彼女はそう応えやがった。
やっぱり心配しているのは、しずるちゃんの身体ではない──まぁ、ある意味では肢体の心配をしてる訳だけれども……。まぁ、相変わらず、金の亡者の舞衣ちゃんである。
「もうっ、舞衣ちゃん。わたし達が引退したら、こんな仕事は舞衣ちゃん達でやらないといけないんだよ。少しは自覚してよ」
わたしは、目の前で去年よりも少し伸びた前髪をいじくり回している彼女に、少し強い口調で言った。すると、彼女は面倒臭そうに身体を起こすと、大きな伸びをした。
「んんー、っと。そうっすねぇ。まっ、そんな面倒事は弟クンに任せればいいっす。しずる先輩の弟なんすから、きっと頭も良くって、何でも出来るっしょ。ねっ、弟クン」
舞衣ちゃんは、そう言って台所の方を向くと、ウィンクをした。おいおい、少しは部長のわたしを尊敬して、素直に意見を聞けよ。
「えっ、何ですか? お茶なら、もうすぐですから。ええーと、大ちゃんセンパイと、西条センパイズは、少し遅れて来るんでしたよね」
舞衣ちゃんの陰謀も知らずに、出来の良い後輩は、黙々と仕事をこなしていた。
「そうっすよ。久美ちゃんも美久ちゃんも、今日は掃除当番があたっちゃって。その上に、どういう訳か、大ちゃんは委員会があるんだとか」
今度は、両手を頭の後ろに組んで、反っくり返りながら話す舞衣ちゃん。むぅー、後ろにひっくり返っても知らないぞ。
「結局は押し付けられたんすよねー。飼育委員なんて、見た目以上に面倒な仕事っす。相手、言葉の通じない動物だし。ウンチは臭いし、汚れるし。大ちゃんは、お人好し過ぎるんすよ」
そう言う彼女は、何が気に喰わないのか、むくれた顔をしていた。
「何のかんの言ってても、センパイは大ちゃんセンパイの事が気になるんですね。岡本センパイからも聞きましたよ。お二人共、幼馴染みだって」
柔らかい声でそう言ったのは、弟クンだった。出来上がり直前の紅茶の入ったポットと、温めたティーカップを乗せたトレイを両手に持っている。
「そ、そんなんじゃ無いっすよ。大ちゃんは、あっしの子分──弟みたいなもんっすよ。それ以上の関係なんて、ありえっこ無いっすっ」
「誰も、そこまでの事は言ってないんですが、センパイ」
「むぅ、また口答えっすか。偉そうな事ばっか言わずに、早くお茶にするっすよ」
「はいはい、分かりましたよ、センパイ」
「ハイは、一度でいいっす」
「はい、分かりました」
「そう。それでいいっす」
「はいはい」
「また言った」
「はぁーい」
「真面目にお茶を淹れるっすよ、弟クン」
「分りました、センパイ」
(クス。何か、二人共、いい感じじゃない)
再びパソコンに向かったわたしは、心がくすぐられるような感じだった。
なんとはなくだったが、来年はこの二人に任せられる。舞衣ちゃんと弟クンだったら、この文芸部をちゃんと運営出来る。そんな気がしていた。
(しずるちゃんが居たら、こんな弟クンを見て、どう思うんだろなぁ。相手が舞衣ちゃんじゃ、少しむくれるかなぁ)
自分と大ちゃんの事は棚に上げといて、わたしは勝手にそんなムフフな事を想像していた。
「岡本センパイ、どうぞ」
「あっ」
そんな事を夢想していた時、気が付くと、パソコンの左側に淹れたての紅茶が微かな湯気をあげていた。
「ありがと、弟クン」
わたしは、彼にお礼を言うと、ソーサーごとティーカップを手に取った。やはり淹れたては、香りが違う。
カップを口元に運ぶと、熱い液体を少しだけ含む。しばらく値踏みするように、少しの渋みの中の微かな旨味を楽しむと、喉に送り込んだ。
「うん、上出来。美味しく出来たね」
わたしは、少し不安げな彼の顔を見上げて、ニッコリと笑った。
「良いんじゃないっすかぁ。まっ、千夏部長には届かないっすけどねぇ」
かく言う舞衣ちゃんは、厳しい採点だった。テーブルの向こうで、片手で頬杖を突きながら、淹れたての紅茶をちびちびとやっている。
「舞衣ちゃん、お行儀が悪いよ」
折角、弟クンが淹れたてのを持って来てくれたのに、そんな態度なので、わたしは彼女を嗜めようとした。
「ふんっ。いいっすよ。部長は、何かあるとあっしばかり悪者にして。どうせ、あっしは、態度も行儀も悪いっすよ」
(ああ、とうとう機嫌を損ねちゃった。もう、面倒臭いなぁ)
わたしが難しい顔をしていると、それを見かねたのか、
「まぁまぁセンパイ、そう言わずに。書類は岡本センパイに任せて、ボク達は部員の勧誘に行くんですから。新入部員を確保するには、センパイだけが頼りなんですよ」
と、彼は、舞衣ちゃんのやる気を出させようと、彼女を持ち上げていた。
「え? そ、そう。まっ、そうっすよね。やっぱ、あっしは文芸部の縁の下の力持ちっすからね。よし! 弟クン、お茶飲んだら、部員の勧誘に行くっすよ。分かったっすか」
途端に機嫌の良くなった舞衣ちゃんは、弟クンに向かってそう言うと、ちびちびとすすっていた紅茶を、一気に口に含んでいた。
「分かってますよ、センパイ。じゃぁ、ボクはビラの方を用意しますね」
彼の方は、舞衣ちゃんの言いつけを聞いて、勧誘活動の準備を始めた。
(現金だなぁ、舞衣ちゃんは。部員勧誘も大事だけれど、わたしとしては書類を手伝って欲しかったなぁ。……まぁ、しゃあないか。ぼちぼち、やろっと)
わたしは観念して、書類作りの為に、パソコンに向き直った。
その間にも、舞衣ちゃんは、弟クンを相手に、何やら良からぬ事を考えているようだった。
「センパイ、勧誘に使うビラをプリントアウトしてきました。五十枚くらいでいいですよね」
美味しそうにお茶を飲む彼女のところに、弟クンは印刷されたばかりのビラを持ってやって来た。
「おう。ご苦労ごくろう。やっぱ、男手があるとはかどるわぁ。しかし、部長の言葉じゃないっすけれど、女の子も部員に入れたいっすよね。キレイどころとして」
舞衣ちゃんは椅子の上でグルリと向きを変えると、ティーカップを持ったまま、弟クンに応えた。
「そうですか? ボクとタイヘイだけじゃ、不満ですか?」
彼は、必ずしも部員を増やすのには積極的では無さそうだった。
「いやぁ、だってさ、一年生が二人だけなんて、少な過ぎるっすよ。この学校じゃ、部員が四人居なかったら同好会に格下げになるんすよ。後々の事を考えると、もうちっと一年生を確保しとかないと」
(あら、舞衣ちゃんにしては、至極まともな事を言ってる。何のかんの言っても、舞衣ちゃんも文芸部の一員なんだな)
わたしは、そんな彼女の事を、少し見直していた。
「そもそも、泰平クンはどうしたんすか。二人だけの一年生なのに、来てないってぇのは、どういう事っすか」
ふむ、尤もな話である。
「あー、ええっと。タイヘイは、姉さんが居ないと出力が十分の一になっちゃうんですよ」
へ? 何だそりわ?
「キー、ヤツもしずる先輩目当てっすか。しずる先輩が来ないとやる気が出ないなんて、不逞野郎っす。明日から鍛え直さないとならないっすね」
「ははは……。すいません。ボクからも言っときます」
「明日はちゃんと来るように、しっかりと言っとくっすよ、弟クン。むぅ」
舞衣ちゃんには珍しく、部の事を考えてくれている。弟クンもしっかり者だし。
(そろそろ、わたしも、部の運営から手を引き始める頃合いかな?)
しかし、次の舞衣ちゃんの言葉で、それはファンタジーである事が分かった。
「美形男子は弟クンが居るからいいとしても、美少女キャラは絶対必用っす。でないと、しずる先輩が卒業しちまったら、ブロマイドや写真集の企画が片手落ちになっちまうっす。これは、由々しき事態なんすよ、弟クン。だから、部員集めはしっかりやるんす。分かってるっすか」
「ちがーうっ!」
わたしは、思わず椅子から立ち上がると、舞衣ちゃん達に大きな声で叫んでいた。
「ぶ、部長。どうしたっすかぁ。いきなりで、びっくりしたっすよ」
テーブルの向こう側では、舞衣ちゃんと弟クンが、まじまじとわたしの方を見ていた。
「舞衣ちゃん、それは違うよ。間違っているよ」
わたしは、部長として彼女の考えを正そうとしていた。
「部員を集めるのは、文芸部の活動を皆で楽しむためだよ。写真集を作ったり、ブロマイドを売ったりするのは、文芸部の活動ではありません」
わたしは、文芸部の……そう、文芸部の部長として、正しい事を言った筈だ。
しかし、テーブルの向こうの二人は、呆けた顔をしていた。
「……えっとぉ、あのね。去年から言っている事だけれど、舞衣ちゃんは全く分かっていないようだから、この機会にもう一度言っておくね」
わたしは、改めて念を押すように、一言ひとこと区切るように言って聞かせた。
「ここは文芸部なの。文芸部の活動の主旨は、『文学・文芸作品の創作や評論を通して、学生らしい教養を身につけると同時に、部員間の親睦を図り、より良い学校生活に寄与する』部活動なんです。だから、『写真集を作ったり』、『ブロマイドを売ったり』するのは、文芸部の活動主旨から逸脱しているの。分かった!」
全部を言い終えた時、わたしは肩で息をしていた。
「だ、大丈夫ですか? 岡本センパイ」
わたしの事を気遣ってか、弟クンが声をかけてくれた。
「え? う、うん、だいじょぶ。……それより、舞衣ちゃん。わたしの言った事、ちゃんと聞いてた。文芸部の本分について、ちゃんと分かってくれた?」
理解しているのかどうかを確認する為だったのだが、わたしは声を荒らげていた。
「ほぇ? 何すか、そりわ」
<グググッ>
これは、わたしが拳を握りしめている事を示している擬音だ。
「こうまで言っても、分かんないんだ……」
「へ? ……え、あ、……部長?」
「ま、舞衣ちゃんなんて……、舞衣ちゃんなんて、嫌いだぁ」
わたしはそう叫ぶと、とうとうテーブルに突っ伏して仕舞った。
大人気ないと思う。
でも、今回という今回は、我慢が出来なかったのだ。しずるちゃんが居なかったからかも知れない。
「お、岡本センパイ。そ、そんな事を言わずに、機嫌を直して下さい」
弟クンの声が聞こえた。彼がわたしの背中を擦っている感触がある。
「もう、センパイも謝って下さいよ。ね、ほら」
(今更謝っても、許してあげないんだから。それに、舞衣ちゃんが謝る事なんて無いよ。ある筈ない)
わたしは、声を殺していた。でも、どうしてか、涙だけがボロボロと溢れてくる。
「部長。千夏部長。……心配しなくっても大丈夫っす。未来の文芸部は、あっしがしっかりと運営するっす。んー、何なら、今日から部長を交代してあげても良いっすよ」
舞衣ちゃんの声は、わたしの耳に届いていた。しかし……。
「でも、……舞衣ちゃんが部長になったら、どーせ、しずるちゃんと弟クンの写真集作って、売りまくるんでしょ」
わたしは、涙でまみれた顔を伏せたまま、苛ついた声で以って返した。未だ、舞衣ちゃんの言葉を信じられなかったからだ。
「えーと、そりゃーもう……」
想像通りの答えが返って来ることが分かっていたわたしは、今度はどう言い返してやろうかと考えていた。
その時、<バン>と大きな音がして、部室の扉が開く音が聞こえた。
そして、続く声は、更に大きかった。
「やっほー、サクヤだよ。シノブぅー、居るよねっ!」
(うっわ、この娘って、……確か、吹奏楽部に入部した筈だったんじゃなかったっけ)
テーブルに臥せっていたわたしも、思わず身体を起こして仕舞った。
「もう、騒々しいっすねぇ。そんなに大声を出さなくても、ちゃんと聞こえるっすよ」
さすがの舞衣ちゃんも、扉の方を向いて、そんな嫌味なことを言っていた。
「あっ、この前のちっちゃなセンパイだぁ。コンニチワ、サクヤだよ」
舞衣ちゃんの嫌味も何の効果も与えず、彼女はそう言ってにこやかに応えた。
「ううー、ちっちゃいって言うな。一年生の後輩のくせに。先輩には敬意を払うもんすよ」
いつもは、他人と見れば金づるとしか反応しない舞衣ちゃんが、どうしてか、煮え切らない口調で言い返していた。
「こら、サクヤ。一体、何しに来たんだよ。吹奏楽部はどうしたんだ?」
これには、弟クンも、顰めっ面で彼女を諌めにかかった。
「あっ、シノブだぁ。今日、サクヤはね、自主練だけの日なんだ」
そう言って、彼女は左手にぶら下げていた黒くて横に長いトランクのような物を、両手で胸前まで持ち上げると、少しだけ首をカクンと横に倒した。瞼の付近までパッツンに切り揃えた前髪が揺らいでいた。以前に見たことのある、何にでも興味を持ちそうなクリクリとした瞳が、室内の灯を反射して不思議な光を放っている。
「自主練だけ……って、ココで吹くのか。止めてくれよ、サクヤ。傍迷惑だろう」
彼女の応えに、さすがの弟クンも面喰らっていた。
「そんなコト、するわけ無いじゃん。せっかくサクヤが来てあげたんだぞ。お茶しよう、お茶。えーっと、ココのお茶って、とっても美味しかったんだ。サクヤにも淹れてよ。ねっ」
そう言って、何の気兼ねもなく、わたしに向けた彼女の顔は、見る見るうちに曇っていった。
そして、遂に眉根にシワを寄せると、
「こらあ、シノブ! なに、女の子を泣かしてるんだ。サクヤがアレ程『女の子を泣かすな』って言ったのに。しずる姉さんに言いつけるぞっ」
と、烈火の如く怒り始めたのだ。
そこで初めて、わたしは、自分が機嫌を損ねて泣いていたことを思い出した。
「あっ……。えーと、これは、弟クンの所為じゃなくて……。えーと、ごめん。今、ちょっと立て込んでて……」
わたしは左手の袖で目元を擦ると、その場を取り繕うとして、そんな有耶無耶な事を喋っていた。
「サクヤ、分かってるよ。またシノブがデリカシーの無いことを言ったんでしょう。シノブは、いつも近くの女の子に無慈悲な言葉をぶつけて泣かすんだ」
そう言うなり、彼女は小走りでわたし達のところまでやって来ると、手に持った楽器ケースであろうそれを振り上げて、弟クンを殴り倒そうとした。
「このぉ、女たらしめ。サクヤが成敗してやる!」
わたしが呆気にとられている隙に、<ブン>という風を切る音が頭上を薙いだ。
「止めろ、サクヤ。誤解だ。落ち着け。話を聞け」
こんな事態にも弟クンは慣れているのか、二撃目・三撃目も紙一重で躱しては、尚も暴行を続けようとする幼馴染みを説得しようとしていた。
「ちっ、違うの。これは弟クンの所為じゃ無いの。だから……」
わたしは、何とか誤解を解こうとしていた。
あんなモノで殴られたら、弟クンも無事で済まないだろう。新入部員を勧誘しようとしている微妙な時期に、部室で傷害事件なんて起こされたりしたら、たまったもんじゃない。
しかし、わたしは、二人のいざこざを見て、ハラハラしている事しか出来なかった。
<ブンッ>
再度、風を切る豪快な音がして、今にも弟クンの胸が強打されようとした時、寸前でそれは動きを止めた。
「いい加減にしときな、嬢ちゃん」
黒い鈍器の影から、渋い声が聞こえた。
「これ以上、図書準備室で暴れるって言うんなら、この舞衣ちゃんセンパイが黙ってないっすよ」
そんな任侠映画モドキの台詞を発した主の顔は、わたしが初めて見る表情をしていた。




