私の王子様は人見知り
「ねぇ、あなたは私の王子様?」
それは小さい頃、公園で遊んでいると、年上の男の子達に、「あっち行け!」と突き飛ばされて、転んで泣いた時に、助けてくれた私より少し背の高い男の子に言った言葉だった。
その時の事を今でも夢に見るけど、顔も声も、その後なんて言われたかも覚えてない…ただその頃は、絵本で読んでた王子様に憧れて聞いたんだろう。と淡い思い出だった。
私の名前は【櫻井ひなの】高校3年生。
そんなある日、転校生がやって来た。
「こんな時期に転入なんて珍しいね!」
「ヤバいやつだったりして!」
「え…やだ、怖いなぁ」
友達と会話が弾むと、先生と共に男の子が入ってきた。明るい茶髪に口と両耳にピアス、シャツは第2ボタンまで空いていた。
「はい、座ってー!
今日は転入生が来ました!村田凌平くんだ。みんな仲良くなー」
「………すっ…」
「…村田は人見知りだそうだから、まぁ、段々とな。」
「……」
(村田くん、イケメンで派手なのに人見知り…ちょっとウケるw)
と思っていたら隣の席で、私は色んな意味でドキドキしてしまった。
放課後、皆帰って誰も居ない教室に、村田くんが寝ていたので私は話しかけた。
「もう終わったよ。」
「……ん。あんた、名前は?」
「さくらいひなの。です…」
「俺……の事覚えてない…の?」
「えー…っと…イケメンは大体覚えてるけど…うーん…」
考えても思い出せないため、何処に住んでるかと聞いてみても何の回答は得られなかった。それどころか目も合わなかった。いたたまれない私は帰る事にした。
「じゃあ、私帰るね?」
「……俺、王子様になるために、頑張った。」
「……!!」
忘れられない、今朝も見た夢の話し。
「え?…えぇ!?」
「王子様、みたいになれたら…迎えに行くって言ったろ?」
(あー、その返事はすっかり忘れたけど…と言いますか、村田くんの王子様の定義ってなんだろー?)
「あの時の男の子、村田くん。だったんだ…」
「うん。ひなのを、探して…この辺の高校転校してた。」
「え……すごーい…」
こうして、私は王子様に再会しました!(?)
「送ってく…王子だから…」
「あ、ありがとう。」
(え?これ付き合うって事?聞きたい!けど聞けなーい!)
おわり。




