表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら校長だった件   全校生徒が勇者でした  作者: 双鶴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/10

第6話 勇者、進路希望「校長になりたい」

 進路希望調査票の束をめくっていた俺は、ついに固まった。


 「……校長になりたい?」


 生徒の名前は、ユウト。

 戦術科の3年生で、冷静沈着。

 模擬戦では指揮官役として活躍し、教師陣からの信頼も厚い。

 でも進路希望欄には、こう書かれていた。


 「将来、校長になりたいです。教育の本質を学びたいです」


 俺は職員室で、元・魔王の倫理教師に尋ねた。


 「彼、何かあったのか?」


 「いえ、本人は真剣です。昨日の授業で“教育とは何か”という問いに、1時間語ってました」


 「それ、教師でもやらないぞ……」


---


 校長室にユウトがやってきた。

 制服の胸元には、手作りの“仮・校長バッジ”がついていた。


 「校長先生、僕に“校長業務体験”をさせてください」


 「……なぜ校長になりたい?」


 「勇者は、戦うだけじゃ足りません。

 次の世代を育てることこそ、本当の使命だと思うんです」


 俺は、ちょっと感動した。

 でも、頭も痛かった。


 「じゃあ、明日1日、校長代理を任せる。書類仕事も含めてな」


 「はい! 全力でやります!」


---


 翌日、ユウトはスーツ姿で登校した。

 校長室に座り、書類の山を前にしていた。


 「校長代理、購買部が“爆発するパン”を販売しています」

 「校長代理、保健室のベッドがまた爆発しました」

 「校長代理、魔王軍から“恋愛体験学習”の延長申請が来ています」


 ユウトは、真顔で書類に印を押していた。

 でも、昼過ぎには顔が青くなっていた。


 「校長先生……書類、多すぎます……」


 「それが現実だ。勇者より、校長のほうが命削るぞ」


---


 放課後、ユウトが校長室に戻ってきた。


 「校長先生、進路希望を修正します」


 「おう。やっぱり勇者に戻るか?」


 「いえ。“教育者”としての道を目指します。

 でも、まずは“副校長”から始めたいです」


 「……現実的だな」


 ユウトは、仮バッジを外し、机に置いた。


 「この学校を、もっと良くしたいんです。

 校長先生の背中、かっこよかったです」


 俺は、ちょっと泣きそうになった。


 「……定時で帰れる日は、まだ遠いけど。

 お前がいるなら、少しは近づくかもな」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ