2話 始発点
風景の描写とか、心情の描写って苦手なんです…。途中が説明不足なのは、後々の展開の為なので一旦放置しておいて下さい…。
[不明なアーカイブ No.◼︎◻︎]
さて、まずはこの世界について語ろうか。
巨大な大陸「アーシェル大陸」。科学技術ではなく魔導体系を基盤に発展した文明だ。暮らしは豊かで、誰がきても驚く程だろう。
この大陸には幾つもの国が存在している。
信仰国家ヴェルディア。連邦都市群ネフィル。アトラシア帝国。他には…あぁ、キリがないな。また今度話そうか。
さて、次だ。この世界は二つの層から成る。
現世と呼ばれる、人々が暮らす物質世界。
神界と呼ばれる、神々が座す高次の世界であり、「理」「律」を定める場所。
この二つの世界は、かつて均衡しており、死と生の循環は“灰の理”として完璧に保たれていた。
灰の理とは___
生命が終わると、肉体は土に還り、魂は灰となる。
その灰は神界の光に導かれ、再び新たな命へと転生する__それが世界の循環、理であり、「灰葬」と呼ばれる聖なる儀式だった。
葬式などは、これにあたるだろうね。
しかしある時、闇と死を司る神、ルクス=リアと、光と生を司る神、ルミナ=エル。
この二柱の間に、生死の在り方を巡る戦争が起きた。原因は人間にあるって聞くけれどね。
…ふふ。知っての通り、死の神が敗北し、その消滅と共に「灰の理」も歪められた。
輪廻の循環は途絶え、灰は導きを失った。
その結果、今では『擬き灰』…あぁ、呼び方は幾つもある。
「擬き灰」、「忌憚の灰」、「邪神の眷属」…。
そいつらは本来、静かに消えるはずだった魂の灰だ。灰の循環に還れず、行き場を失って現世を彷徨うようになった存在。
彼らはかつての生者の記憶や執念を断片的に宿し、人を襲う、嘆く、祈る、泣く__その形は千差万別。外見は人や獣、あるいは灰の塊のような感じだ。
今は、討伐対象になっているがね。
______________
窓から差し込んできた光で、目を覚ます。
見知らぬ天井…という訳ではない。何度も見た、もはや慣れ親しんだ天井だ。
体を起こして、大きく伸びをする。
「うー…」
寝ぼけた頭をスッキリさせるために洗面所で顔を洗う。
手を伸ばしてタオルを取り、顔を拭く。
顔を上げ、鏡を見る。
流石に見慣れた、肩まで伸びた淡い銀灰の髪。深紅と黒のグラデーションの瞳。
指で口角を上げる。
「にぃー…」
頷き、表情は変わらず、満足そうにする。
「今日も、完璧。あの神様の趣味も悪くない、ね。」
そう。彼は彼女になっていたのだ。
自分の性別が変わっていることには驚いたし、困惑した。神様に任せたのは失敗だったかなぁとかは考えたが、もう手遅れ。時すでにお寿司。
ゲームをする時、主人公選択で女の子を選んでいた彼女(彼)は、別に忌避感は覚えなかった。
可愛い女の子に転生して嬉しかったし。
何はともあれ、神様からお願いされた事は果たさないといけない。
そう考えた彼女は、登録したのだ。灰葬者協会に。
さて。今日から実地探索が始まる。試験に合格して灰葬者となったといって、直ぐに戦力として回される訳ではない。訓練所で必要な知識、戦い方などを学んで、ようやく実地探索に行けるのだ。
協会の制服に着替えた彼女。
全体的に黒を基調としたデザインで、転生前で例えるならば…。
ボ⚪︎ロ曲、千⚪︎桜のMVで初音⚪︎クが着ている軍服。あれを黒くした感じである。
もう少し各方面に配慮した言い方をすると、軍服ロリータといったところか。
ちなみに、この服装は彼女の心(主に男子特有の厨二心)を刺激したらしく、お気に召していた。
◇
部屋を出る前に、最終チェックをする。
「…武器、ヨシ。服装、ヨシ。」
制服のスカートの内側。太ももに巻きつけたホルダーに、ナイフを両足数本ずつ。
それと、腰から短剣を下げる。
装備を確認し終わると、灰葬者協会へ向かう。
街は全体的に、中世ヨーロッパといった感じだ。石がレンガ状に切り出され、建築されている。
転生前、見ていたアニメもこんな感じだった。
歩いていると、目的地に辿り着く。一際目立つ、大きな建物。灰葬者協会。
立派な木製の扉を開けて、中に入る。
中は広く、質素な内装だ。
受付の奥には2階へと続く階段がある。
ファンタジーによくある、むさ苦しい空間というわけでも、半分酒場というわけでもない。
清潔感のある場所だった。
受付カウンターに向かう。
「ようこそ、灰葬者協会へ。依頼の受注ですか?」
「…えと。昨日登録した者なんですけど…」
一瞬戸惑いを見せるが、さすがプロ。一瞬で表情を取り繕って、営業スマイルを取り戻す。
「ただいま確認いたしますね。」
受付の奥に消えて行き、ガサゴソしていたかと思うと、一枚のカードを持ってくる。
「念の為、名前を教えて貰っていいですか?」
「…レニア・アークライトです。」
「確認しました。はい、どうぞ。」
受付の人から、カードを受け取る。アルミニウムのような質感の金属で出来ている。
「このカードがあれば、灰葬者協会がある国ならば身分証代わりになるので紛失しないようにして下さいね」
色々説明を受け、ようやく解放される。
「あぁそうだ、レニアさんは初心者ということで、先輩がつきます。あちらの方で待機している筈なので、一緒に頑張ってきてくださいね」
(…え。なにそれ、聞いてない)
かと言って文句を言う訳にはいかず、渋々受付の人に言われた場所に向かう。
そこには、少女がいた。レニアより数歳上の年齢だろうか。
「やっほー、初めまして♪」
一瞬で理解する。こいつは『陽の者』だ。
「私の名前はセリア・ヴァルグレイン。セリアって呼んでね。よろしく!」
向日葵みたいに明るく笑うセリア。手を差し出される。これは、握手を求めてられているのだろうか?
「…あ、と…。よろしく、お願いします。」
キョドりながら応えるレニア。
手を握ると、嬉しそうにブンブン上下に振られる。
(…なんか、不安だな…)
中途半端な終わり方だけれど、長くなったから分割します!いつかレニアのイラストアップしたいですねぇ




