1話 物語は、いつも突然に。
投稿2時間と少しで、もう見てくれた人が…!感謝…!
(…暗い。先が、見えない。上下左右がわからなくって、まるで宙に浮いているような…。)
揺蕩っていると、不意に光が差し込んでくる。
(…眩しい…)
ゆっくり目を開ける。目が急激な明るさの変化に耐えられず、視界がぼやける。しかし、はっきりと感じられた。
目の前には、人型の何者かが存在している。
居た、とか座っていた、とかでは無い。ただ存在しているのだ。
『…!』
息を呑んだような、驚いたような、嬉しいような。そんな気配。
ようやくクリアな視界を取り戻し、目を向けて尋ねる。
「あの…あなた、は…」
その姿を目にした途端、言葉を失う。今まで見たことがないような、言葉では足りないほどの美しさ、端麗さ。
端的に説明するならば、褐色、灰色の長い髪、紫苑色の瞳、スレンダーな体つき。身にまとう布は、古代ギリシャの服装を彷彿とさせる。
しかし、その美しい姿に反するように身体に深く刻み込まれた傷に、疑問が浮かぶ。
(この人…いや、この存在は神様だ。なのに、どうして…)
『どうしてこんなに傷だらけなのか、ですか?』
「…どうして、それを」
『…ふふ。神様パワーです。』
"神様"は、微笑んだ。それだけで全てが救われたような気がする。
『…さて。あまり時間が無いので単刀直入に言います。あなたは死にました。そして、あなたの魂をこちらに喚び寄せたのは私です。本来ならばあなたは輪廻に還るはずでした。しかし、私の最後の抵抗として権能を使った結果、あなたが来てくれたんです。』
(…あぁ、そうか。俺は…死んだんだ)
『…そうそう、あなたが咄嗟に突き飛ばした少女は無事でしたよ。通り魔の男も、取り押さえられました』
それを聞いて、ほっとした。
「よかった、です。最期に、誰かを救えて。」
それを微笑ましそうに見つめていた"神様"は、話を戻す。
『…おほん。もうお分かりかと思います。あなたには転生してもらいます…が。選択肢があります。俗に言う、転生特典ってやつですね。』
"神様"は指を立てていく。
『一つ目、生まれを選ぶ。これは生まれる国、家族、階級などを選べます。二つ目、姿を選ぶ。種族、髪、瞳、性別。次の身体の全てをあなた好みに調整出来ます。三つ目…』
時間が無いって言葉はどうしたのかと言いたいほど沢山の選択肢を挙げられた。20個くらい。
"神様"は尋ねる。
『…さて。あなたはどれを選びますか?』
(…どうしよう、何にも聞いてなかった…)
三つ目を説明し始めたくらいから聞くのを諦めたので、わからない。聞いていたはずの一つ目二つ目も忘れてしまった。
「…えっと。じゃあ、二つ目で。」
なんでもいいか、と適当に言う。
『二つ目ですね。じゃあ、希望する姿を…』
「お任せで。」
『…え?』
「お任せで。」
『…いや、だから希望する姿を…!』
「お任せで。」
食い気味で"神様"の言葉を遮る。しょうがない。だって特典内容を忘れてしまったのだもの。
「…お任s」
『はいはい、わかりましたよ!私に任せるんですね!?』
"神様"がキレ気味で言い放つ。
「あ…はい、そうです…」
『…はぁ。まぁいいでしょう。では、流石に限界が近いのでちょっと説明します。』
何らかのパネルを操作しながら、言葉を紡ぐ。
『生は命を芽吹かせ、死はそれを還す。世界はそうやって、永劫の循環を保っていました。しかし、人々が「生の奇跡」にばかり縋り、死を恐れ、祈りをルミナ=エル…光と生を司る神へのみ捧げるようになったことで、均衡が崩壊したのです。』
話を区切る。一息ついて、話を続ける。
『その結果、神々の間に「理の断絶」が起き、やがて神同士の戦争が勃発しました。この戦いは、天界だけに留まらず現世にまで影響を及ぼし、最終的に、ルミナ=エルが勝利。ノクス=リアは神の座から堕とされてしまいました。』
長い昔話を終えたような満足感を出す"神様"。
『で、そのノクスというのが私です。戦争したからこんなに傷だらけなんですよね。』
クスッと笑って、パネルをしまう。
『世界から、私がいなくなる。人間たちは随分喜んでいましたね。
しかしその代償として__“死”という概念そのものが世界から欠落した。』
のほほんとした様子から一変し、深刻な表情をする。
『…このままでは、世界が滅んでしまうことでしょう。…世界が滅ぶ時、莫大なエネルギーを放出します。そのエネルギーは周りにある世界、次元にも影響を及ぼしてしまいます。』
『すでに、私がいなくなったこの世界では影響が出始めています。あと60年…長くて70年後には、取り返しがつかないことになってしまいます。』
『だから、どうか。』
『"死"を、取り戻して。不条理になってしまったこの世界に、"死"で救済を。』
そうこうしている内に、ノクスの身体が、足元から透け始める。
『もう時間がありません。私はもう世界に干渉出来なくなります。助言も出来ないでしょう。だから、せめて。』
ノクスが、魂に触れてきた感覚がする。
『私の欠片をあなたの魂と同化させました。多少なりとも、あなたの助けになることを願っています。』
どん、と突き飛ばされる。
深い、深い穴に堕ちていく。
『安心して下さい。少し手は回しておいたので。』
ノクスが視界から消える直前、祈るようなポーズで、ノクスは言った。
『どうか…どうかこの世界に、あなたという黎明を。』
その言葉を聞いたが最後、ノクスは消え、意識を失った。
またしてもグダグダ。しばらく説明回(予定)なのでこんな感じかもです。
追記:フラグ管理下手なのでちょくちょく修正します。




