お勉強
入稿間に合ったらしい・・・・w
「つーことで中間テストですよ。1週間前から部活は休止ね。
道場は空いてるから練習するも良し、勉強したければ教えてもらえるかもしれない」
主将が宣言して2年生が一斉に3年生に向かって呪文を唱えだした。
「アッラーアクバル!」「オーブイェクト!」
あのぅ・・・ここはイスラム圏なんでしょうか?
1年生は頭に???で見てるだけ。
「ここんとこ先生方も賢くなってね、山を張るのは不可能に近いんだけどさ。
それでも書き込んだ教科書とノート、教えてくれる先輩がいるってのは有り難いんだな」
「え?勉強会やるんですか?」
「あくまでも自主練習だよ。的も出すけど引きたい人は弓引いて勉強見てもらいたいのは
そこらのミカン箱やちゃぶ台引っ張り出してやるっと。参加しなくても問題無いから。
役に立つかどうかは自分で判断してね」
んー良く分からない部活だ。瑞恵もかすみも何をしたらいいのか良く分からないのは一緒
みたいだから参加してみよう。
翌日の放課後、道場に行くと7割の面積に机と座布団が置いてあった。それにしてもこの前の
畳といい今回の長い座机や座布団ってどこにしまいこんであるんだろう?
主将が来て進め方について教えてくれる。
「基本的には学年ごと3,4人で分からない問題があったらそれを出して分かる人が回答と
それに到るプロセスを説明するってところだね。上手く行かなければ先輩に聞いてみて。
理数系だと平田先輩、文系だと新井先輩がお奨めかな?今の3年生は優秀だから1年生の
問題なら誰でも問題なく答えられると思うけど・・・教え方のお勧め。最初は平田先輩に
ついてもらいなさい」
「それじゃ数学から。この手の問題が良く分からないんですけど」
かすみが数学の問題を拡げる。先輩はちらっと眺めて隣の机で古文の解説を始めた。
「えっと・・答えが1になるのは分かるけど説明が・・」
瑞恵が呟く。
「滝沢さんは説明できる?やってみて」
先輩が振り返って指示をしてくる。
「えっと・・これがこうなって、垂線をここに引いて・・・でこうなって答えが1でいいんですか?」
「ん・・間違いではないし正解なんだけどさ、細川さん、今の説明聞いても理解できてないでしょ?」
先輩がかすみに向かって目を細めて聞く
「え?ええ。でも、どうして分からないって分かったんですか?」
「中学で習ったこと忘れてるんだよ。この公式覚えてるでしょ?これがこうなって・・
こうしてああして、あとは細川さんの説明で分かったかな?」
凄い・・分かりやすくすっきり収めて読みやすく説明しやすく突っ込まれないように
答えを出してる。伯父さんと一緒の思考回路?
「はいっ!良く分かりました。こうすればいいのかぁ」
「まぁ、分からないのは分かるようにすればいいんだけどさ、答えが出せるだけだといつか躓くし
自分だけで理解して説明してるつもりでも人に分からない説明だと無理がある。人に説明して
理解してもらえるようになれば応用も利くから。得意な科目だったら自分から説明してみるのも
いいかもしれないね。進め方分かった?後90分しかないから30分ずつ時間割り振ってやってみて。
他の1年生と科目を摺り合わせると効果的だよ。続けると飽きるし」
「先輩!ちょっとお願いします」
主将がやってきて自分の島へ引っ張って物理の問題を押し付ける。
先輩はやれやれといった顔で問題に視線を落した。新井先輩は的に向かって
自分の世界に没頭してるし。力の抜けた姿なのに凛としてるんだよなぁ・・
ちょっと萌える。
挿絵は主将のつもりで書いたんですけどね。ええ。
彼女のキャラもねぇ・・・・難しいというか
Hぃシーンの挿絵は簡単に書けるんですが。困ったもんだ。