外伝:主将
外伝として並列進行させることにしました。
散文の書き散らしですから細かいことはええんだよ云々w
学校の最寄り駅から3駅ほど離れたファミレスの禁煙席、
永田町高校の制服を着た男女が机を挟んで座っていた。
「とりあえずドリンクバー2つ、それとミックスサンドと
・・苺パフェ1つ」
男子が女子のほうを見て確認しながら注文する
「アイスティーのレモンだったっけ?」
男子が立ち上がろうとすると
「あ、私やりますから。先輩はアイスコーヒーでしたよね」
素早く女子が立ち上がって取りに行った。その後姿を見ながら
男は小さなため息をつきながら小声で呟く
「ん・・・困った」
目の前にグラスが置かれて相手が着席したところで用件を聞く。
「で・・どうしたん?主将。引継ぎ終わってすぐ以来のデートつか召還だが。」
「デートじゃありませんからっ。新入生に対する傾向と対策を教えて欲しい
だけなんですからねっ!」
頬を膨らませて抗議する主将。両手を挙げて低い万歳をして降伏の姿勢を示す先輩。
「はいはい。了解。OBから何か言われたとかあるのかな?」
「それもありますけど、現状一年生12名。もう少し増えるかな、教えるのが2年生6名、
OBは平日あてにできないし、3年生も直接指導は控えてるじゃないですか、今日も
自分達の練習ができてないのと指導もできてないんですよ。」
「そりゃそうだ。練習量半分に減らして半分が教えるのに廻っても結局3人しか抽出
できないんだから。それが普通だよ。うちらが教えてたときもそんな人数だったろ?
3年が日替わりで1人教えてたか・・・・3年に出て来い・・・と?」
「是非お願いしたいのですが・・せめて中間テストの前あたり、一年生が
的前に立てるようになるあたりまで」
「分かった。3年生で検討してなるべく期待に答えられるようにする」
「お待たせしました」
注文した食べ物が来たので主将は苺パフェを食べながら話を続ける。
「で、もう一つ、私が主将を降りたい件なんですが。」
「却下。今の2年でおまえしかできない」
「伊東君でも畑中君でも大丈夫ですから交代をお願いしたいんです」
「本郷主将、俺はよくやってると見てるよ。OBも3年生も同じ意見だ」
「そろそろ耐えられなくなってきてます・・・」
「主将ってのはある部分で孤独だからな。そうでないとできないよ。
今の2年生が本郷の言うことを聞かないとかシカトするなら俺から
言うがそんなことはありえないはずだけど」
「ええ、ちゃんとやってくれますよ。でも頼れるかとなると話は別だし
一年生の指導も自信がないんです・・・平田先輩みたいにちゃらんぽらん
でも終わってみればしっかり基礎を身に付けさせるなんてとても無理です」
「褒められてるのかいじめられてるのか・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「山本五十六だったかな・・第二次世界大戦の日本で連合艦隊司令長官だけどさ・・・
やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ
てぇのがあってなそれを実践しただけなんだけどなぁ・・・
大声とお説教はした記憶が無いんだが」
「あぁ・・怒鳴り散らしそうで怖い」
本郷主将が頭を抱え込んで呟く。
「で・・・どうすれば耐えられそうなんだ?」
アイスコーヒーの氷をストローでかき混ぜながら平田先輩が何か覚悟を決めたように
聞き返す。主将が俯いたまま小さな声で
「先輩は好き嫌いで人をどうこうする人じゃないですよね・・・」
「俺が主将に本郷を指名したことか?好き嫌いじゃないな。人の能力を考えて
自分なりの結論だったよ」
「いえ・・私のことを高く評価してくれてるのは分かってます。私をどう思ってるか
聞きたいんです」
「ん?そりゃ真っ直ぐ過ぎて要領の悪いとこも含めて大好きだが。属性が百合と腐じゃ
付き合えと言うだけ無駄なのも分かってるつもりだけど。」
主将は俯いたまま耳まで真っ赤になってる
「あの・・・お願いがあります。隣で話してもよろしいでしょうか?」
「かまわないけど、何?」
主将が先輩の右側にぺたりと座って囁く
「ちょっとお耳を・・あの・・私も先輩が大好きです、付き合っていただけませんか?」
「なっ・・・百合で男嫌いじゃないの?俺、腐女子の妄想ネタになること嫌いだし・・」
「へへへ・・先輩ならOKだし、傍にいるってだけで嫌なことがあっても絶対
耐えられそうですから」
「いくつか確認したいことがあるんで質問してもいい?
「はい」
「表立って付き合えないのはOK?」
「はい」
「少なくとも来年、俺が卒業するまで公表しないのはOK?」
「はい」
「そっちは現役の主将だし、こっちは受験生で合う時間も回数も限定されるが?」
「はい。理解してます」
「部活の時、知らんぷりできる?」
「はい。今まで通り叩いてかまわないんですよね?」
「いっしょに勉強する気ある?」
「はいっ!教えてくださいっ」
「キスしてもいい?」
「は・はいっ」
「・・・・どっかに連れ込むかもしれないけど心の準備はすぐできる?」
「・・・あの・・ちゃんと避妊してくれますよね?」
耳元で囁かれて真っ赤になったまま固まる主将。
「最後の質問はまだ先だから心配しないでいいよ。こちらこそよろしくね」
テーブルの下で主将の左手を恋人握りでぎゅっと掴みながら囁く先輩。
「あうあう・・」
見えないところで手足をばたばたさせて喜んでる主将ってふつうの女子高生。
「ちょw、本郷おま、鼻血、鼻血!横になれ」
慌ててティッシュ取り出す先輩
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「えへへへ・・・・・」
呆けたような笑い声を出しながら鼻にティッシュを詰めて上からマスク
してる主将。
「大丈夫か?」
と言いながら手を繋いで公園の遊歩道を歩いてる先輩2人
「そこのベンチに座れ。鼻血止まったかな?」
「うへへ・・大丈夫でふ・・」
「どうしたんだ?いつもの凛とした氷の女王って雰囲気が吹っ飛んで
アイスクリームが完全に溶けたみたいにでろんってなってるけど」
「嬉ひかった、物凄く嬉ひかった、、今でも嬉ひいでふけど」
鼻に詰めたティッシュを外して
「どうせ部活辞めるんなら告って振られて高校も辞めようかと思ってたんです」
「ところが俺に付き合えを言われたワケで。」
「先輩はどう考えるか分かりませんけど、支えるだけじゃいつか潰れるんですよ。
支えてもらうことも必要で、ちょうど一杯になってたとこに先輩が支えてくれるって
お話をいただけたわけですから。」
「本郷の支えになるかどうか自信は無いよ?サポートがまったく違うところの
可能性も高いし、自分で決断しなきゃならないことが沢山あるからなぁ」
「それは良く分かってるつもりですよ。でも、こうやってすりすりできる人が
私を受け入れてくれただけで物凄く嬉しかったんです」
「なぁ、本郷・・さっき、キスしてもいいって言ったよな」
「はい・・でも、純子って呼んでください」
「純子」
「む・・」
答えようとした唇をふさがれた。ほんの1秒ほど柔らかい感触が触れて離れた。
無意識だけど目をつぶるのが普通なのかな。
「俺は英樹でいいよ。でも2人だけの時だね。」
あ・・また先輩の顔が近づいてくる。唇を啄ばむようなキス。摺り合わせたりされて
ぼーっとなったところで唇を割って彼の舌がゆっくりと歯や歯茎を舐めまわしてきた。
顎の力が緩んだところで舌を絡め取られる。夢中になってこちらも侵入してきた
彼の舌を絡め取って反応する。駄目・・・感じちゃって歯止めがかからなくなってきた。
自分が怖くなったので暴れて離れようと思ったけどがっちり抱きしめられて動けない。
「むぐぅうpれうwvbth@rtj@えふじこ」
はぁはぁ・・・・やっと離れたけどキスって凄い。こんなに高まるものなんだ・・・
「ふぅ・・危ない危ない・・どっかに連れ込みそうになっちまうから今日はここまでかな」
「ですね・・でも、ちょっと待ってもらえます?今すぐ立てない・・」
5分ほど経ってから立ち上がったところを抱きしめられて軽く唇を重ねられた。
うふっ、今の状態が凄く幸せな主将。
「さ、行こう」
2人は腕を絡めたまま駅に向かってゆっくりと歩き出した。
R15だとこんなもんでしょうか?
感じ方はひとそれぞれですからねぇ・・
お布団の中を濃厚に描写したらアウトでしょうけど
どこまでって悩みますわなぁ
5/6 誤字脱字修正
的前=射場で的に向かって略式の礼法に沿って矢を射ること




