第九話A 蜴人族(リザードマン)
-エルシア国ポルカの街-
ポルカ憲兵隊の地下牢
罪を犯した者が入る牢屋に立派な体格をした一人のリザードマンが入っていた
ただ目を閉じておとなしくしているリザードマンを見ながら憲兵たちがヒソヒソと話している
(なぁ、あいつは何をしたんだ?もう3ヶ月もここにいるじゃないか。)
(なんでもここの領主様の娘が王都からの帰りにアードウルフの群れに囲まれて護衛が全員死んじまったんだが通りがかりのあのリザードマンが助けたらしいんだ。)
(はぁ?じゃあなんで牢にぶち込まれてんだよ。おかしいだろ。)
(領主様が亜人に助けられたってのが気に入らないらしくてな。ほら、領主様は正教会の信者だから・・・)
(人間以外の種族は認めないってやつか・・・。確かに亜人はすこしおっかないところもあるけど、なんだか可愛そうにな・・・)
(まぁおそらくあいつは聖国の資源鉱山にでも送られて強制労働だろうな。)
-同時刻 ポルカの街の入り口-
荷馬車に乗ったハヤテとソフィーは入り口で憲兵に止められる
「止まれ!この街の何のようだ!」
ソフィーは首にかけられたギルドの職員の証を見せる
「私は冒険者ギルド・ラータ支部の職員の者です。今日はこちらの支部に手配書の魔獣の懸賞金を受け取りに来ました。」
そう言うとソフィーは荷馬車のかけられたシートを剥がしてロドムとシグーの首を見せる
「ヒッ・・・」
憲兵たちはどよめき出す
「あの・・・通っていいでしょうか?」
「な、なぁ。その魔獣はそこの冒険者が殺ったのか?」
「はい!ここにいる冒険者のハヤテさんが一撃で仕留めました!」
憲兵はハヤテに近づく
「あんたすごい実力者なんだな。こんなでかい魔獣仕留めちまうなんて!」
「ああ・・ありがとう。なぁ、通っていいか?」
「ああすまない。通っていいぞ!」
荷馬車を進ませて街の中に入っていく
-冒険者ギルド・ポルカ支部-
二人が中にはいると沢山の冒険者がいる。
ギルドは酒場も兼ねているようで昼間から酒を飲んだ強面な男たちがジロリとソフィーを見る
「おー!姉ちゃん!俺の所に来いよ!金ならたんまりやるから今夜付き合えよ。」
プイッとそっぽを向くソフィー
「嫌です。私はそんな軽くはありません!それに・・・私の好みじゃないし・・・」
鼻で笑うソフィーに怒りだすごつい冒険者
「ちょっと可愛いからって調子に乗りやがって・・・こっちに来い!俺の良さを教え込んでやるぜ!」
男はソフィーの腕を力強く引っ張る
「痛っ!」
ソフィーが痛がると同時に男も痛がりだす
「グァ!折れる!折れる!」
ソフィーが振り向くとハヤテが男の腕を掴み力いっぱい握りしめていた
「おい・・・俺は男女平等主義者だから場合によっては女でもグーで殴るが、これは別だ。自分よりも弱いやつに力づくってのが気に入らねえ。」
「わかった!俺が悪かった!だから放してくれ!腕が折れる!」
「よし、二度と俺の前でやるなよっと!!」
ハヤテは男の腕を引っ張り投げ飛ばすとギルドの建物の壁板を突き破り外に飛び出す
他の冒険者たちがハヤテをじっと見つめる
「なんだ?お前らもか?」
冒険者たちが武器を手に取るとギルドのカウンターから大きな怒鳴り声が聞こえた
「俺の支部で暴れるんじゃねえ!!てめえら!しめられてぇのか!」
顎髭を生やした筋肉質の大男が叫ぶと他の冒険者たちがシュンとおとなしくなった
「久しぶりだなソフィー。また美人になったんじゃねえか?」
「アルドバさん!お久しぶりです!」
ソフィーはアルドバと呼ばれる男に抱きつく、その光景は親子のようだった
「それで今日はどうした?ブレダの浪費が激しくてラータ支部の金でも無くなったか?」
アルドバはソフィー高く持ち上げる、あたかも親が子供にたかいたかいをしているように
「それはいつものことです。今日は高額懸賞金の魔獣の首を換金してもらいに来たんです!」
「魔獣・・・そんで首はどこだ?」
「ハヤテさん!持ってきてもらってもいいですか?」
「あいよ。」
少しするとギルドの入り口がバキバキと音を立てる
「んぐぐぐ!!入り口が狭くてきついな・・・・」
シグーの頭が大きく少しづつ入り口の扉を破壊しながら広げていく
「おいおい!無理すんじゃねえよ!入り口が壊れちまう!」
アルドバは入り口に近づくと同時にハヤテは入り口にハマったシグーの頭を放して後ろに下がる
「おりゃあああ!」
ハヤテは助走をつけてシグーの頭に飛び蹴りを入れると建物の中に吹っ飛んでいく
ガシャーン!
ギルド内から大きな音を立てると冒険者たちがギルドから飛び出してくる
「ひぃぃ!賢狼だぁ!」
「ん?どうした?」
ハヤテはロドムの頭を持ち上げて立っていた
ブクブクブク・・・
飛び出した冒険者たちは泡を吐いて倒れてしまう
「なんだなんだ?みんな失神しちまったぞ。」
ハヤテは広げた入り口からロドムの頭を持って入ってくる
「いてて・・・」
シグーの頭の下敷きになったアルドバが這い出てくる
「この野郎!俺の支部をぶっ壊す気か!!」
「ん?」
ハヤテはギルド内の壊れた物を見る
「ああ、直すよ。大工道具と木はあるかな?」
「おい!こいつに道具貸してやれ!換金はその間にしといてやる!ソフィー!手続きするから来なさい。」
ギルド職員がハヤテにノコギリと金槌、それに箱に入った釘を渡す
「木材はスペアの建材用の丸太が店の裏に積んであります。」
ハヤテはギルドの裏に回り木の丸太を三本ほど表に運ぶとギルド建物の破損箇所をキレイに外して整えていく
-冒険者ギルド・支部長室-
書類内容を確認したりサインをしたりと事務作業をするソフィー
「なぁソフィー。あの男は何者なんだ?」
「ラータ支部唯一の冒険者のハヤテさんです!この世界の人じゃないんですよ。」
「この世界の人じゃないって、・・・・・噂に聞く召喚の儀式で呼ばれた奴なのか?」
「ああ・・・、聖国や王都がやっているって噂の儀式ですか?でもそれって召喚されたら聖国に降りるんですよね?ハヤテさんは違うと思いますよ?だってラータの近くに家ごと来たんだし。」
自分の顎髭を触りながら驚いているアルドバ
「呼ばれても居ないのに異界から来たってのか・・・まぁそもそも召喚の儀式なんてのも確証を得ない話だからな・・・ここ数年行われていないようだし」
そこへドタバタと音を立てながら入ってくるギルド職員
「し、支部長・・・建物の修繕が・・・終わりました・・・」
「はぁ!?」
-ギルド受付-
支部長室から階段を降りて来るとアルドバは驚きのあまり口が空いている
「まだ10分位だぞ・・・」
ソフィーは直した場所をまじまじと見つめる
「すっごい・・・」
ハヤテはテーブルカウンター席に座り、いつも頭に巻いているタオルを外してエールを飲んでいた
「ちゃんとした工具があればもうちょっと凝った事できたんだが、こんなもんかな。」
「いやー大したもんだ!お前適正職は大工か?」
修繕する前よりも良い作りになったからかゴキゲンになったアルドバはハヤテの肩を叩く
「ハヤテさんは【バトルクラフター】っていう職業です。聞いたことないんですけどね。」
アルドバは何かを思い出したようにソフィーに話しだした
「そうだ!鑑定盤が新しくなったんだよ!ラータはまだ古い鑑定盤のままだろ?おい!ラータ支部ににいくらか新型の鑑定盤を分けてやれ!」
ギルド職員はソフィーのもとに新しい鑑定盤を10セットほど持ってきた
「これは・・・前のと同じに見えますが、どう使うんです?また水晶に血液を垂らすんですか?」
「この水晶はな取り外しできるんだ、水晶は使い回しで石版だけは一回限りだ。今度のは血を垂らさずに直接手を乗せるだけでいいんだ。」
ソフィーは新しい鑑定盤を受け取る
「あーそうそう。新しい鑑定盤は鑑定すると2つに割れるんだ、大きい方は今までのステータスプレートが小さくなったものだと思えばいい。もう片方はギルドの正式な人間だと証明する証みたいなもんだ、こっちは冒険者が常に携帯しといてくれ。」
ソフィーは新しい鑑定盤に水晶をセットする
「ハヤテさん!更新も兼ねてやってみましょう!」
「前見たくナイフで刺されないならいっか。」
ハヤテは水晶に手をかざすと水晶が光りだしレーザー刻印をするように鑑定盤に文字を刻んでいく
「・・・どう?まだ字が読めないからさ・・・」
ハヤテがソフィーに問うとソフィーの顔が少し青ざめていた
「ハヤテさん・・・一体何をしたんですか?ステータスの数字が以前の倍ありますよ・・・」
「おっ!まじか!レベルアップってやつか?近くのトロールを毎日狩りまくってるからな!」
アルドバはステータスプレートを覗く
「・・・きっと不良品だろ。もう一回やってみろ。」
言われるがまま新しい鑑定盤でもう一度鑑定する
「・・・同じですね。以前の倍のステータス。でも魔力は相変わらず無し。あれ?なんかスキル増えてません?これは・・・あれ?なんなのこの文字は・・・」
ハヤテが自分のステータスプレートを見る
「なんだこれ?読めねえな。少し俺の世界の文字に似てるけど・・・読めねえな。」
ソフィーとハヤテはじっと目を合わせる
「まっ、いいんじゃねえか?スキルが多くて困ることなんてないだろ?」
「それはそうですけど・・・」
アルドバはソフィーからハヤテのステータスプレートを見せてもらう
「なんなんだこの物理特化は・・・って戦闘スキル一個もねえじゃねえか!」
豪快な笑い声を上げるアルドバ
「うっせーな。余計なお世話だ。」
「ハヤテさん、このプレートはラータ支部の方で預かるのでこっちの小さいのは自分で持っていてくださいね。」
「わかったよ。なんかドッグタグみたいだな。」
そこへギルド職員が大きな袋を持ってくる
「お待たせいたしました。賢狼二匹の200万バッツです。」
どっしりとした袋を受け取るハヤテ
「んじゃぁ買い物と行きますか。」
「はい!」
-ポルカ市場-
ハヤテは市場で釘などの建材を買い込んでいく
「釘とか消耗品はそのうち自分で生産したいな・・・ここのは質が悪い・・・」
ハヤテはソフィーの方を見るとソフィーは雑貨店に居た
(ん?何してんだろ・・・)
ハヤテが後ろからジット見ているとソフィーは髪飾りや装飾品を見ている
(なんだ・・・どれがいいんだ・・・)
ソフィーは一つの髪飾りをずっと見ている、その髪飾りは花の形を模した金細工が施されていた
(ほう・・・)
「すいません。この髪飾りを下さい。」
そう言うとハヤテはソフィーの後ろから手を伸ばし髪飾りを手に取る
「はい!ってこの髪飾りに目をつけるなんてお客さん目が肥えてるね!これはエルミガントのドワーフの彫金師が作った品でね。そこそこ値段張るよ?」
店員はハヤテから髪飾りを受け取る
「いくらですか?」
「25万バッツだね。」
ハヤテは換金した袋から金を取り出す
「それじゃあこれで。」
「まいどあり!今お包みしますんで・・・」
「ああ。すぐつけるのでそのままでいいですよ。」
このやり取りをぽかんと見ていたソフィー
「ほら、こっち向いて。」
ハヤテはソフィーの髪を束ねた所に髪飾りをつける
「えっ・・・」
ソフィーにニッコリと笑顔を見せるハヤテ
「今日のお礼も兼ねて、プレゼントだよ。」
「ま、待って下さい!こんな高いもの!だってお金だってハヤテさんこれからもっと必要になるんじゃ・・・」
「気にすんなって!金は使わなきゃ意味がない!俺の国じゃ金は天下の回りものって言葉があるくらいだ!・・・・意味があってるかどうか知らんけど。それに金はまだいっぱい余ってるし。」
ソフィーは少し恥ずかしそうに喜んでいた
「ありがとうございます・・・大切にしますね。」
ハヤテも照れくさそうにしていた
夕方も遅くなり二人は料理屋で夕食を取り今夜の宿をとるために町中を歩いていると憲兵の集団を見つけた
「なんだ?」
ハヤテとソフィーは憲兵に道をゆずるように避けて様子を見ていると中心に手足に枷をつけられたリザードマンを見つける
「ハヤテさん、あの亜人さん。リザードマンの方です。なにかやったのですかね?」
憲兵たちをずっと目で追っていると街の中心の広場に設置された台にリザードマンを鎖で厳重に繋ぐ
「あれって・・・まさか処刑台か?」
「あのリザードマンは明日の朝に処刑が決まったんだ。」
後ろから声が聞こえ二人が振り向くとそこにはアルドバが立っていた
「アルドバさん、処刑って何をしたんですか?」
「何もしちゃいない・・・いや、ここの領主からしたら人間を助けちまったってのが罪なんだろうな。ここの領主の娘を魔物から助けたんだ。だが領主は聖国の正教会の熱心な信者でな。亜人を忌み嫌うんだ。
だから人間が亜人に助けられたってのを無かった事にしたいんだろうな。」
「はぁ?なんだよそれ・・・」
ハヤテが憲兵の所に行こうとするとアルドバに止められる
「おい!よせ!お前まで罪を着せられるぞ!」
「うっせえな!俺はこんなアホくさい事を見過ごすほどお利口さんじゃねえんだ!」
するとハヤテたちの前を一人の白い服を着た女性が歩いていく
「・・・ん?羽根?」
その女性は背中に真っ白な綺麗な羽を生やしていた
「ハヤテさん!あれが前に話した各都市に加護を与える女神様ですよ!」
女神は憲兵の前に立つ
「どうかこの方を、開放してはもらえませんか?」
女神の問いかけに答える憲兵
「女神様の頼みでもそれは聞けません、これは正教会の決定事項であり貴女だって正教会十二神の眷属ではありませんか。そのような発言はやめて下さい。」
「ですがこの方は罪のない方です。これではあまりにも・・・」
「おやめください!この事は我らだけの話にしておきますので!」
憲兵たちは女神の横を通り過ぎ立ち去ろうとする際に小さくつぶやいた
「申し訳ございません。我々も逆らえないのです。」
女神はその場で膝を付きリザードマンに話しかける
「ごめんなさい。私には何も出来ない・・・」
泣き崩れる女神を見るリザードマン
「最後に貴女のような優しい女神様に会えてよかった。さぁ、もう行ってください。ありがとう女神様。」
女神はリザードマンに深く頭を下げるとその場を泣きながら去っていった
「結局世界を見て回れなかったな・・・」
リザードマンは夜空を見上げるとハヤテが目の前に立っていた
「な、なんだ人間。」
驚くリザードマンに問いかけるハヤテ
「お前が捕まった理由は聞いたけど、なんでこっちに来たんだ?お前もアドラシアの出身なんだろ?」
「ただ見たかったんだ・・・他の世界を。アドラシアの外にどんな景色があるのか、どんな土地があるのか・・・好奇心だけで故郷を出たのはいいが、このザマだ。人間、私と会話していることなど聞かれたらまずい、早く立ち去れ。」
ハヤテはリザードマンを見てニッコリする
「何だお前、レオみてえなやつだな!」
「レオ?誰だそれは?」
「俺と一緒に暮らしている獣人だよ。いいやつなんだ!」
キョトンとするリザードマン
「人間のお前が・・・獣人とか?」
「お前、名前は?」
「俺はベルトリクス。」
「・・・・じゃあベルだな!それじゃあなベル!また明日の朝な!」
ハヤテはその場を立ち去っていく
「なんなんだあの人間は・・・」
-ポルカの宿-
ベッドで大の字になって考え事をしているハヤテ
「ハヤテさん。さっきのリザードマンの人のことを考えてるんですか?」
「うん。家の二階部分を少し考え直してる。」
「えっ?」
ソフィーはハヤテを見る
「助けるんですね。」
ハヤテはソフィーを見返す
「その方法を考えていたんだ。ってあれ?」
ハヤテはソフィーの髪を見つめる
「ソフィーちゃん、ちょっと髪・・・触ってもいいかな?」
「は、はい。どうぞ・・・」
(この世界の人達って髪も石鹸で洗うんだな・・・せっかくきれいな髪なのにもったいないな・・・)
ソフィーは少し顔を赤くしていた
「どうしたんですか?いきなり・・・」
「いや、キレイな髪だなぁって。」
「もう、やめてくださいよぉ」
「ソフィーちゃん、明日は朝イチで荷馬車と一緒に街の外で待っててくれないかな?」
「はい。わかりました!」
-翌朝-
街の中央の広場では住人たちが集まり処刑の時を待っていた
「我らが偉大なる十二神よ、この罪人の魂に救済を与え給え・・・」
神官が祈りを捧げるとポルカの領主が現れる
「亜人になど助けられたと知られたら我が一族の恥だ。さっさと首をはねぬか!」
執行人が剣をベルトリクスの首にあてがうと大きな声が聞こえた
「ちょって待てい!!」
ハヤテが住民たちをかき分けて処刑台の前に来る
「何だ貴様は!」
「おい、このリザードマンを買いたい。いくらだ?」
その場に居た人間がキョトンとした
「おまえふざけているのか!人間がリザードマンを買いたいなど!」
その瞬間ハヤテはスレッジハンマーを地面に叩きつけると周囲の地面に亀裂が入る
「おい。俺はいくらだと聞いているんだ・・・答えろ。」
ハヤテは領主を威嚇するように睨みつける
「ヒィ・・・。100万だ、100万バッツ払うならこいつを譲ってやってもいい。」
ハヤテは金の入った袋の中身が100万バッツになるように多い分は別の袋に移す
「ここに100万ある。これでこいつを買い取る。意義はないな?」
領主は金貨を受け取るとハヤテはベルトリクスの元に歩み寄り鎖を掴む
「おい人間!どういうつもりだ!」
「うっさい!いま集中してんだから話しかけるな!」
ハヤテは鎖を持ち深呼吸する
「すぅぅぅ・・・・・・・・・・、オラァ!!」
掛け声とともに鎖を引きちぎる
「えええええええ!!!!」
周りの憲兵たちが驚き声を漏らす
「んじゃ、こいつは連れて行くな!」
-ポルカ入り口-
荷馬車で待っているソフィー
「おーい!」
ベルトリクスを連れてやってくるハヤテ
「こうなるんだろうなって思いました。」
ソフィーは笑みを浮かべボソッっとつぶやいた
「さて!買うものも買ったし家に帰るか!」
ハヤテがソフィーの隣に座り手綱を握る
「おい、私はこれからどうすればいいんだ。」
ベルトリクスは未だに戸惑っていた
「好きにすりゃいい。ここで俺と別れてまた好きなようにするのもいいし。俺と一緒に来るのもいい。お前の人生だ、お前で決めることだろう?」
ベルトリクスは荷台に乗る
「まだどうするかわからない。だがとりあえずはついて行かせてもらう。」
「それでいいよ。」
ハヤテは微笑むと荷馬車を進めた
「あー。レオのやつ怒るかなぁ?金もう60万バッツしか残ってねえや。」
「レオさんはそのくらいじゃ怒りませんよ!」
ハヤテとソフィーは笑い、ベルトリクスは不思議な思いを抱きラータに向かっていった
-続く-