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その1 先輩はすぐ嘘をつく

「時に(こおる)くん」


僕の目の前に座る女性が、僕の名前を呼んだ。


「何ですか、先輩」

「貴方って姉萌え?それとも妹萌え?」


彼女は一切顔色を変えず、僕にそう質問した。


「……まあ、どちらかといえば姉萌えですかね」


別にどっちも好きなのだが、とりあえず今の気分で答えた。


「あら、ならちょうどいいわ。私のこと、『お姉ちゃん』って呼んで良いわよ」

「何がちょうどいいんですか、嫌ですよ、先輩をそう呼ぶの」


姉でもない人間をなぜそう呼ばないといけないのか。


「だって私、貴方のお兄さんと結婚を前提に付き合っているんですもの」



血の気がひいた。



「は、はあっ!?嘘ォ!?」

「嘘よ」


嘘だった。今日もまただまされてしまった。この先輩、僕に対し、一日一回以上は嘘をつく。

しかも、ガチっぽく言うものだから、本当にだまされてしまうのだ。


「本当に貴方って騙されやすいわね。からかっててたのしいわ」

「はあ……」


いたずらっぽく笑う先輩。この人はこういう人だ。

学校一美人と評される先輩だが、こういう人間であることを知るのはわずかな人間のみである。

それを知っていても美人だからね、騙されても「まあいいか」となってしまうのだ。そして再び騙される。

うん、我ながら情けない限りである。


「それなら先輩は姉萌えと妹萌え、どっちなんですか?」

「そうねえ、どっちでもないわ」


先輩はこちらを見つめ、


「弟萌えかしら。特に貴方みたいな弟が欲しいわ」


本気か嘘か分からない。僕はなんだか恥ずかしくなって机に突っ伏した。


「ちなみにこれはホントでもウソでもないわ。貴方の好きに考えておきなさい」


まあ、お姉ちゃんって呼ばれたかったのはホントよ、そう先輩は付け加えていたが、僕には全く届いていなかった。

初投稿です。至らぬ点もあるかもしれないですがよろしくお願いします。

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