なんでこんなに登録に時間かけなきゃなんないの?
すいません、すごく説明不足感が抜けません。
あの毎度毎度悪いのですがあまり確認せずに投稿しているのでおかしいところがあるかもしれません。
「お前、名前をなんていうんだ?」
ネイサンは訊いてくる。俺としてはこいつらとの絡みに心惹かれるものがあるが、アシュリーに屁を吹く変態や社会の裏事情とも言える汚い話を見聞きさせるのは憚れる。
…いや、極力汚い話は無しで、屁ーふルンのグーテンはあそこで氷塊にしておけば、なんの問題もないではないか!
ただ、問題があるとすれば、男の話は何故か下っていくことだ。どんどん下っていっていけない話になるのは自然の流れだ。いや、もはや自然の摂理と言っても過言ではない。…うむ、しかし、女性の話の流れも変わらないような…。
「シリウスだ。」
あ、答えるんですね、〈最適化〉さん。
「シリウスか、わかった。で、そちらの女の子は?」
「ア、アシュリーです。」
アシュリー、ちょっと怖がってるみたい。おどおどしててかわええわあ…。
「そうか、君はアシュリーか。よし、なら、こちらも自己紹介といこうか。俺の名前はネイキッドだ。」
あれ?こいつ、ネイサンじゃあないのか?
「いや、あんた、名前はネイサンでしょう。」
「あ、そうだったそうだった。忘れていたよ、ありがとうジャンボジェット。」
「俺の名前は、ケインですよ。」
「あれ、そうだったか?いつ名前変えたんだ?」
「生まれてから名前を変えたことなんて一度もないですよ。」
「えー、うっそだーー。」
「いやいや、ホントっすよ。」
…なんだよ、これ。ネイサン、自分の名前も間違えんのかよ。すげえなあ…あ、でも待て。
「おい、お前は人の名前を覚えられないのか?」
「何を言うか、シリ丸出し。俺が名前を間違ったことなんて一度もないわ!なあ?ケイッポン。」
「いや、俺はケインですよ。」
「また名前を変えたのか?」
いや、こいつ、絶対人の名前を覚えきれないし、覚えようともしてない。簡単に言うなら、ダメ人間。しかも、人の話を全く聞かねえし。
「まあいい、名前はどうだっていいのだ!お前たちは、ここに登録に来たのだろう?なら、早く済ませてしまえ。あんまりこんな変態が集まる場所にいるものではないぞ。わかったか?リリカンデスチュヒンデバー、アスネキムナンテシカンソニー。」
名前が全然違う。
「ネイサンさん、違います。名前、全く違います。だいたいそんな名前のやつ見たことないですよ。」
そうだ、ケイッポン教えてやれよ。
「そっちの少女っぽいのが、シベリアンハスキー、そっちの女の子っぽいのが、アウストラロピテクスっす。」
「お前は馬鹿にしてんのか!このやろう!」
犠牲者が一人増えた。しかし、素がでるっていうことはやっぱり、こいつらとの絡みはいいのかもしれない。ケナシは氷塊となったがナイスファイトではあったと思う。
というか、よくよく考えたら、少女も女の子も一緒だし、ケナキウェイアップのあの言い方だと、俺とアシュリーのどっちかが性別を詐称しているではないか。
「オマエノカアチャンデベソも逝ったか。いや、そんなことより登録だろう?」
そんなこと……だ……と?
「おい、なぜここにいるお前たちはあのペッチャンビッチンケーカイテンたち三人が凍らされても何も言わないんだ?ここには何か仕掛けでもあるのか?」
そうだよ、だいたい、朝、ラインのおっさんを殺しかけたとかなんとか〜とかだったのに、何故ここでは殺すくらいの力が働いてもセーブされないんだ?なあ、アン、どして?
【あ、はい。ここはですね、はい、なんかスッゲー強力なバリアが貼ってある的な感じです、はい、まあ細かく言うと全く違うんですけどね、はい。】
いつにも増してテキトーですね、アンさん。ですが、何故細かく教えてくれないんですかね、はい。
【ああ、はい、そんな些細なことですか、はい、とっても簡単です、はい、お前が弱いから、ハイ。】
…なんで最後だけ本気の声音で言うの…ちょっとびっくりしちゃったじゃないか。
【いいから、さっさと登録しろや。】
わかっりましたー。
そんな感じで後の話は全スルー。ネイサンは、「おい聞いているのか、ピテカントロプス、おい、サヘラントロプスチャデンシス。」と、類人猿の名前を連呼している。しかも、同じ人物を呼ぶのに違う名前を言うっていうね。
わざとやってると思うよ。
あら、意外とスルーできてなかったや。てへっ!
【か、可愛い……!はっ、こいつは女か!危ない、惑わされるところだった…】
いや、男だよ。
【どっちでも構いませんから、登録はよ。】
はい、さっきから全然進んでないよね。
今度こそ本当にスルーして受付まで行くと、すでに足場が用意されてあった。その足場を使って、机の上の紙をようやく視認できた。確認事項は少しずつ、猫耳美少女と確認しながら行こうと思う。
「なあ、子猫ちゃんよ。」
「エーフィです。」
「はい。」
なんかまだちょっとしか経ってないのに〈最適化〉の効果がうすれてきた気がする。
「して、エーフィよ。必要事項とはどれだ?」
「できれば書いて欲しいってのはありますけど、ぶっちゃけ全部書かなくても問題ないです。」
「…この紙、無駄じゃないか?」
「よく気がつきましたね。これであなたも冒険者です。」
「…全く意味がわからない。どういうことだ?」
「順を追って説明していきますので、一応、もう登録が終わっていますが、用紙に記入をお願いできますか?」
「…なんで、勝手に登録してんだよ。」
「え、そのためにここにきたんですよね?」
いや、そうだけど、そうなんだけど、こんなこと勝手にやっちゃっていいんですかね?
「まあ、そちらの方も最後に確認しますので、そちらの女の子も記入をお願いします。」
「は、はい。」
急にいくね。この世界おかしいんじゃないの、特に人々の思考回路。
「まず、名前ですが、『書きたくない』とか、『偽名だが問題ないか?』、果ては、『翡翠戦峰盧憂天大王とは我のことよ。』とか言ってくる人がいるんです。」
あー、あるなぁ。でも、最後のはちょっと読めない。
「それが?」
「知るかって話なんです。『誰もお前の名前なんてどうでもいいんだよ』と言いたい気持ちで一杯なんです。」
口が悪いね、この子。でもまあ、四六時中屁こいてくるやつとか名前をーー、
「なんで貴様は、ネイサンに名前を覚えられているんだ?」
「ああ、貴様だと?誰に向かって口聞いとんじゃあ、我ぇ。」
「はい、ごめんなさい。すいませんでした。金輪際調子に乗りません。」
「おう、気いつけえよ。まあ、ネイサンさんは一応、真面目な話ではしっかりと名前を呼んでくれますよ、多分。」
一発でわかっちゃったよ。…獣人ってみんなこんな感じなのかな?
「で、次の種族なんですけどね。」
「人や獣人じゃあないんですか?」
〈最適化〉フィルター、萎縮して出てこないみたい。
「ええ、他にもエルフ、ドワーフ、魔人とかいっぱいいますし、エルフの中でも、エルフとハイエルフにわかれたりとか、めんどくさいんです。」
「すいません、でも書かない理由としては弱くないですか?」
「頭が良い子は助かるわ。この辺で、『エルフって何?』とか、『さすがはファンタジーの世界!』、果ては、『ふむ、すべての種族で周りを囲うのも悪くない…!』とかねのように、話が進まないケースとかよくあるから。」
なんか途中に転生者っぽいの混じってない?
「でも、こんなのはあまり見たことないわ。マニュアルの例えってとてもあり得ないことばっかりなのよ。」
「マニュアルとは?」
思ったことを素直に訊ねる。
「この受付になった時にね、貰うんだけどね、そのマニュアルにはこういった登録願に対する応対、基本的な業務とかが書いてあるんだけどね、その例えに遭遇した人なんて聞いたことがほとんどないのよ。最初の方の例えはちらほら見かけるけど、最後の方は全く見ないわね。」
「なるほど、作ったのは?」
「冒険者の神。」
その声にはかなりの尊敬と少しの畏怖、若干の呆れが混じっていた。呆れに関してはさっきのマニュアルのたとえに関してのことなのだろう。
「そうか、冒険者の神ってすごいんだな。」
「「「それはもう!」」」
この場にいるみんなが声をそろえて言う。不思議なくらいの一体感だ。ネイサンをはじめとして、エーフィはもちろん、酒を飲んでいた酔っ払いに他の受付嬢、さらにはアシュリー、果ては氷漬けにしたはずのケーフォールドほか2名までが真剣な顔でそういった。
「凄えなんてもんじゃねえよ、冒険者が冒険者になろうと思う一番最初の理由は【冒険者の神の冒険】だぜ!」
そうネイサンが言うと、皆同じ動きで首肯する。
その後は凄まじかった。…かなり気持ちが悪かった。多くのものが狂信的な何かに取り憑かれたように冒険者の神についての逸話を語ってくる。俺は聖徳太子ではないのでそんなに一度に話は聞けないし、ましてや、本当に聖徳太子がいたとしても聞き取れなかっただろう。それだけ、勢いと情熱が凄まじかったのだ。
ーーーーーーーーーー
かなり経ってようやく終わった。
「わかりましたか?我らの神の凄さが。」
「ええ、十分に理解しました。」
「まあ、まだ全然語り足りませんが今日はこの程度にしておきましょう。」
まだあんのかよ。
そんなことを思った後、皆晴れ晴れとした表情で元の位置に戻っていった。
「種族の話ですが、ときどきではあるのですが、自分の種族がわからないと言った人がいるのです。」
「いや、そんなことなんてあるんですか?」
「では質問ですが、私の種族ってなんだと思います?」
「獣人じゃないんですか?」
「残念、狼型の魔人になります。」
「つまり、外見上では判断ができない種族もあり、それを知る手がかりでさえもなんらかの形で失った、などで自身の種族が把握できていないということですね?」
「はい、そういうことです。少し時間がないのでもう次に行きましょう。ぶっちゃけ、あなたは種族よりも本当に男か疑わしいので。」
それ言わんといてくだせえな。
「はい、次の住所とかは、むしろ書かないでください。ただの飾りですから。」
「どうして意味がないのに用紙に書いてあるんですか?」
「冒険者の神が、『どうせさあ、全部書かなくても問題なんだいんだから、どうせなら書いてて、(|どうしてこんな事を?)って疑問になるような項目を入れようではないですか、皆さん。』と言い放ち、決定しました。要するに、我らが神のちゃめっ気です。」
うむ、いらんと思うな、これ。絶対に要らん。なに勝手に決定してんだよ。…あ、そっか、こいつら全員イエスマンだものな。
「ということで逆にこちらが知ってると、引越しなどを行った時などに報告義務なんてものはありませんから、ろくに役に立たない情報があると、帰って邪魔になるってことです。それに、冒険者の神自らの質問ともいえるので消せません。」
「でも、冒険者の神を尊敬してやまない人って、星の数ほどいるじゃないですか。そんなことを言ったら書こうとする人がいるんじゃないんですかね。」
「あ、いえ、これには最後に、『冒険者の神からの注意だよ。あんまりおかしい契約書とかの項目には、たとえ親、兄弟、貴族、王族、尊敬する物語の英雄、このいずれか、またはいずれか複数であっても、絶対にサインしちゃいけないよ。親、兄弟、物語の英雄、これらのいずれかなら、口約束でも約束を守ってくれるさ。かえって、守らないなら、少しその人にはそういった意識をしてもらったほうがいいね。俺は少なくとも絶対に約束は守るよ。貴族、王族なんかはもう言わなくてもわかるよね?そういうことで、じゃあね。』
って流れる魔法のかかったテープを流すんですよ。すると、たちまち、何も言わなくなるんですよ。……やっぱり凄いですよ、私たちの神は……。」
なんか凄え顔を赤くして、本性超こええ猫耳美少女は言う。ほの字のようだ。しかし、物語の人物に憧れではなく、恋心を抱くとは、この子はやっぱり変わってる。
だけど、こちらにも疑問がある。その疑問は、違う問題が誕生することだ。簡単に言うなら、そのテープを聞きたいがために、何度も登録願をする奴がいるのではないのか?ということだ。そう考えると、あれか。
「あの、テープにかかった魔法ってどんな奴ですか?」
「あ゛あ゛?てめえこっちの邪魔してんのか?」
「ごめんなさい。」
こうして、登録は進まないのです。
いやね、こっちも魔法を意識すると嬉しくなるけど、こういうのはないと思うな。
「あ、すいません、素が出ました。私たちの種族、気性が荒いので、その程をよろしくお願いします。」
「あ、はい。」
「あ、お嬢さんは寝てしまったようですね。…あ、すいません、どちらか分かりませんね、そちらのアシュリーお嬢さんが寝てしまったようなので、こちらの休憩室で寝かせておきましょう。」
俺だけが緊張していた空気も和らぎ、説明に入る前にここでアシュリーは寝てしまったようだ。まあ、緊張とあの冒険者の神の逸話で、疲れて寝てしまったのだろう。ははは、俺の方に寄りかかって寝るとは、愛い奴め。
しかしエーフィ様!露骨過ぎますぞー。…言わないけど。
「すいません、お願いします。」
「ええ、いいんですよ、ギルドはこういうところですから。」
と言って、席を立ち奥に行く。そのあと、もう一人の女性を連れ立ってきた。
「この女の子です、連れて行ってもらえますか?」
いや、お前が運べばよかったじゃねえか!そう叫びたいのをグッとこらえて、エーフィ様の隣の女性を見るとすでにこちらまで歩いてきていた。そして俺たちの正面に立ちーー、
「いや、絶対にわざとですよね?」
「なんのことかな?女の子なんて、…おお、ここにいたか!見えなかったよ。…よっこいせ!ではな!」
そう言って去っていくが、先ほどは、明らかに寝ているアシュリーではなく、俺を抱えて連れて行こうとしていた。何かエーフィ様がなんかしてそうな気がするのがネックだ、解決できない。
「では、続きに行きましょうか。テープにかかった魔法は、《生体反応》という、少し特殊な魔法です。この魔法、生きていない物質を生きているような反応を示させる魔法です。例で例えると、水を飲むときに、水が飲まれないように逆流したり、古くなった家を取り壊す時に、家が破壊される度に、身じろぎするように移動するとか、倒壊する際に、できるだけ倒壊する要因となった連中を道ずれにしようと限りなく危ない倒れ方をしたり、とあまり良い魔法ではありません。」
聞く限りでは本当に、なんでかけたかは、わかんないな。まあ、聞く限りだから、次の説明に答えがあるんでしょうけど。
「ですが、魔法にもレベルがあるのです。例えば、《生体反応》の上位の魔法には、《生命反応》というのが存在します。ですが、分類上は同じ枠であっても、同じ魔法ではありません。ですから、《生命反応》と《生体反応》での違いはあります。…まあ、あまり関係ないんですけどね。」
関係ねえのかよ。よくわかる説明だと思ってたのにね。
「ここで大事なのは、《生体反応》です。なんと、そのテープは、《生体反応》の長所と《生命反応》の長所を併せ持っていたのです。どうしたのか?と尋ねると、冒険者の神は、『《生体反応》にもMPを注ぎ込んで、しっかりとコントロールできれば上位の魔法の長所さえ消せるのさ。…まあ、《生命反応》を発動するよりも、遥かに高いMPを要求されるけどね。』と言ったそうです。」
うーん?でも、微妙だなあ?長所を二つとも併せ持つために、必要のない魔力消費をするのは別に褒められたことではないのではないのか?
「このことが発覚した後は、多くのマジックキャスターが一つのことを極めるようになりました。それまでの時代では、多くの魔法、それも高位の魔法を多く使えるだけ強いと評されていましたが、これによって魔法の特化を重きをおくようになったのです。中には、高位の魔法を覚えられずに、低位の魔法の修行しかできなかった人もこれを聞き、希望を持って修行に打ち込んだそうです。そういった人達は、例外なく冒険者の神をとても尊敬していたそうです。そうして、そんな偉業に加えて、冒険者の神は学校の建設までしました。この辺の話は英雄譚のままですが、一応説明しときましょう。」
あ、そういうこと。それはあるね。難しい問題ではあるけど、解決されたんならいいことだね。…ていうか、うちの家に置いてあったの、話の大部分が削られてるんですけど。何?どういった嫌がらせよ?だけど、最後の方はすごい嬉しそうに説明してたな、エーフィ様。ちくしょう!冒険者の神め!羨まし……くはないな、ちっとも。こんなヤンデレ、怖くて夜もおちおち寝てられない。
「説明は簡単ですね。この世界にあるすべての学校は冒険者の神が建設して、理事長も未だに彼、以上。」
えらく簡単だな。でも、全部の学校で理事長って流石に無理だろう…。
「あ、常識ですけど、全部の学校に理事長代理が設置されていますよ。」
ああ、そうだよな。ていうか、いちいち常識って言ってくるのはやめて欲しい。なーんも知らない俺の心が折れちゃう。
「説明の最後になりますが、学校ではこの冒険者の神の発見した魔法理論を、彼の言っていた言葉を用いて、【レベルを上げて物理で殴ればいいじゃない論】と呼んでいます。または少数派には、【それまでのマジックキャスターが器用貧乏扱いされだした件】と冒険者の神を敬い過ぎた為に、それまでのマジックキャスターを馬鹿にする言動まであります。他にも、【高位の魔法が強いといつから錯覚していた?騒動】やら、【そうだ、俺はいつの間にかバカなマジックキャスターよりも前を走っていたのだった説】とかのように質問してきたり、自画自賛したりといろいろありますが、共通して言えるのは、あまりそれまでのマジックキャスターを良くは言ってないということです。」
なんかすげえ、こっち寄りの名前の付け方だな…もしかしたら、っていうか、ほとんど確実だけど、転生者じゃね?それも割と最近。…わからねえし、どっちでも構わないし、放っとくけどね。それに、もう1400年前ことだ、とうに死んでいるだろう。
「以上で魔法に関する説明は少し触れましたが、このテープにかかってある魔法は、言うなれば、動かない生物化、といったところです。…私もテープに入っている声を何度も聞きたいのですが、その魔法のおかげで、あまりにひどいと我らが冒険者の神が諌められるので、とてもではないですができません。」
こんな葛藤、アホみたいだね。でも、冒険者の神って凄まじく尊敬されているようだ。もはやギルドって、冒険者の神愛好会じゃないのか?
「これで登録願用紙の記入は終了しますが、クランやパーティーの説明はいかがしますか?」
「そんなものまであるんですか?」
「いやいや、ギルドと言ったらこっちが本命でしょうに。」
「えっ、どういうことです?」
「えっ、こんな常識知らねえの⁉︎」
「は、はい。すいません……。」
これってそんなに怒鳴られることなのか?
「まあ、世の中にはたくさんの家がありますから、そういうこともあるんでしょうね。…本当に良い事は、この冒険者ギルドに登録してくれたことですから。」
常識を知らなくとも、こうフォローしてくれるのはとても嬉しい。それに怖かった人が、こう優しくしてくれるのは、少しグッとくるものがある。
「一般的に言いますと、ギルドにはクラン同士でぶつかり合うクラン抗争があるんです。」
「…はあ⁉︎」
何故、同じギルド内のクランで争わねばならないのかといった意味の声を上げてしまった。
これからは、できる限り話を進められるようにしていきたいと思います。
それと、シリウス君の過去、短編にするか本編で入れるか考えています。できるだけ感動できる話にしようと思ってます。