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ちょっとてきとー過ぎでしょう。

終わりの構想以外は結構あるんですけど、うまくかけないんですよね。


 ちょっと起きろよ!

 説明しろって!なんだよ無限に複製するって!アホかよ!

 意味わかんねえ…


 これからどうすりゃいいんだ……

 くそ、ステータスとアンの資料によれば俺は弱くはないだろう。だけど、転生して心読んでくる親父としか生活してこなかった俺に常識とかわからんのだ!

 それだけではない!この世界、中世くらいと聞いた。つまり、トイレが……。いや、なんかあの家のは水洗でウォシュレット付きの最新型だった。だからと言って、他がそうとは言えない。どうすんだよ……。

 …

 まあいいか。これもまた冒険って感じがするしな。

 どんと来い、不便。


 しかし、どこに行けばいいんだ?こういうのが小説なら街を探すよな。なら、こんな時こそ厨二発揮どき!ってまあ普通に高校くらい行ってたらわかることだけどね。

 簡単に言うと、太陽の位置と体内時計の時間を考えて北がどっちか探す方法だね。厳密には、太陽とは違う星だけどね。


 親父様は、歴史とか星の自転、公転の速度とかこそ教えてくれたが、この大陸の広さとか、どこの国に何があるとか教えてくれなかった。なんでも、『テンプレだと、未知の発見が基本だよねー。』だと。要は、自分で調べろってことらしい。

 何でもテンプレだと言えばいいと思ってやがるね、あれは。

 …まあ、それにひょいひょい、のっかちゃったんだけどね。


 それで、なんで北かっていうと、北が良さそうな気がしたからだ。理由はない。

 じゃあ、行こうじゃないか。


 ーーーーーーーーーー


「はあ、はあ、はあ、」


 キッツイ。これ、チョーヤバイ。

 かれこれ北っぽい方向目指して歩くこと、2時間。

 何もねえ……。


 いや、ある意味開放感がすごいよ。だって、俺、『外は自分で調べなさい』っていう親父様が外に出してくんなかったんだ。

 5年間だよ?5年間!すごいと思わない?俺、5年間も心読んでくるキモいイケメンと一緒に暮らしてたんだぜ。しかも、家の中で、トイレ、自室、食堂、廊下、書斎にしか行ったことがないときた!流石に徹底しすぎと思わないか?

 …それでも、愛情がとてもあるのはわかったよ。だって0〜1歳の間はずっと親父様が抱っこして面倒を見てくれてたから。


 でも、それだけにきつい。ステータス上では疲れるような距離じゃないみたいなの。なんでそんなことがわかるかって言うと、一回全力で走ったんだが、すげえスピードが出たんだ。地球じゃ世界新なんて、当たり前くらいの。そんなスピードが出せんのに、二時間歩いてへばるなんてないだろう。


【当たり前ですね。マスターは体の扱いにまだ慣れていないようですからね。】


 おお、アン。起きたのか。それで、体の扱いにまだ慣れていないってどういうことだ?


【挨拶もしないとは、無礼な奴ですね、プンプン。体の扱いにまだ慣れていないって言うのは、簡単です。マスターはマスター風に言うところのキモいイケメンと一緒に暮らしてきて、歩き回るなんてしてないでしょう?】


 プンプンなんて口で言うシステムあったんだなぁ…あ、システムだから口はないのか。

 まあ、時間があれば魔法が使えるか調べてたからな。

『煌めけ、ヘル・フレイム』的なのをイントネーションや、言うスピード、アクセント、声量、声の音程、他様々に細心の注意をはらって、研究していたからな。


【マスターはアホですね。地獄の炎が何して煌めくんですか。魔法はステータスが開けるようになってからしか発動できませんよ。それで、動かなかったツケが来たといっても良いですね。マスターのスキルに私、すなわち〈最適化〉があります。これのおかげで、マスターはだらけるのに適した体になっています。】


 嘘だろ………!俺の努力は無駄だったのか⁉︎くそ‼︎


【いえ、無駄ではありませんでしたよ。口だけは、すごく厨二なセリフを口走るようになっていますから。ちなみに、最適化がスキルなのにステータスが開けないでも起動していたのは、先天的なものだからです。】


 ほ、本当か⁉︎そ、それは……よかったの、か?


【全然良くないです。変なこと言わないように出来るだけ口を噤んでいてください。】


 なんだってーーーーー⁉︎


【それと、マスターはどこに進んでいるのですか?さっきからずっと人がいない方に向かって歩いてますよ。ああ、もしかして、思いっきり魔法の詠唱の練習がしたかったんですか?それならそうと早く言ってくださいよ、マスター。】


 マジカヨーー。

 …あれ?俺って運いいんじゃないの?


【それに関して、思うんですが、マスター。幸運も不運も自分の益になるか、害になるかどうかで決定します。例えば、自分が千万人に一人居るかって病気にかかって助かったら、幸運ですよね。でもそもそも、かかったことが不運なんです。普通かからないような病気にかかって生き残ったからって幸運なはずがないんです。だけど、他人は運が良かったと言うんです。自分からしてみれば、不運な出来事だったのに。】


 ……急に哲学的な感じのこと言い出したね。

 つまり、何が言いたいの?


【要するに、マスターも時々使うように、ある意味ってやつです。鳥の糞が降ってきて、顔面にヒット。周りの人は、ある意味運が良い、と言います。そんなことです。】


 結局のところ、運が良いのが原因と?


【そういうことです、マスター。自分に都合の悪いことばっかりすぐ気づきますね。】


 おいおい、ご都合展開はないのか?


【それはどうでしょう。深淵の一部である私ですが、マスターが弱すぎて開示条件を満たしていない情報が多過ぎるんです。そのご都合展開云々も開示条件を満たしていないんです。】


 え、俺強いほうじゃないの?


【マスター。5年間も真面目に動かなかった奴が強いなんて笑わせますね。はっはっはー。】


 感情がこもってない笑いはよくないぞー。


【マスター、とりあえずこの世界では強いのは強い方ですが、まだLV1ですからね。鑑定眼という魔眼がありますが、あれはいくら弱くても名前とLVはわかりますから。で、山賊あたりが、『おいおいクソガキのLV1がこの辺うろついちゃいけねえなあ。いつの間にか後ろをざっくりなんてこともあるんだぜー。ヒャッハー!』みたいなの。しょうもないですが、メンドくさいのも事実です。まあ、レジスト出来ればいいですし、鑑定眼なんて魔眼持ってたら普通に働いてますけどね。】


 待って。それって良いことじゃん!テンプレじゃん!


【興奮しないでください、鬱陶しい。ですが、まだ生体反応が私の感知範囲には全くないので、盗賊のおっさんどもに会おうにも会えないし、レベルを上げようにも上げられません。】


 えー。じゃあどうすんのさー?


【まずは、足を止めてください。先程、マスターに人がいない方に向かっていると申したのに、マスターは足を止めずに、どんどん見当違いの方向へ進んでいます。ですからね、人がいる方に向かいましょうか。】


 あ、………そうだね。

 …

 ……

 そうだ!おい、無限に複製ってどういうことだよ!


【あ、それですか。そのまんまですね。スキルを使用して開いたアイテムボックスにアイテムをつっこめば、無限に複製されて、一個使っても、百万個使っても減りません。】


 それってやばくないか?無限に出してこの星に投げれば、全生物が生き絶えーー


【馬鹿ですね、マスター。そんなことしたら『全生物が』の中にマスターも含まれますよ?それと、そんなことにはなりませんよ。】


 そうだなぁ、俺も一緒に昇天か……

 そんで、どうしてそうはならないんだ?


【開示条件を満たしていない情報ですね。ただ、旅をしていればわかるとのことです。】


 うん?なんで開示条件を満たしていないのにヒントみたいなものをくれるんだ?


【それも開示条件を満たしていない情報ですね。】


 何も満たせてないのね……。


 ーーーーーーーーーー


【あ、マスター、街ですよ。本当にあった。】


 まじか!…ってちょい待ち!なんだ、【本当にあった】って⁉︎


【マスター、普通に話を聞いてたらわかる話なんですよ?盗賊のくだりのところで、『生体反応が私の感知範囲には全くない』と申しました。ということは、私に人のいるところなんてわかる道理がありません】


 ……そうだっけか?まあ、そういうことならしかた……なあ、生体反応がないって俺が死んでるも同然って言いたいのか?


【流石に自分に都合の悪いことは気づきますね。それについては、今の説明で私も気付きました。きっと心のどこかで『マスターを除いた〜』って注釈を入れるのがメンドくさかったんでしょうね。】


 いや、ちょっとてきとー過ぎでしょう、アンさん。ていうか、お前システムだろ。メンドくさいとか関係ねえよ。働けよ。


【マスター、私のスキル名を知ってますか?】


 急になんだ?

 え、深淵とかなんとかじゃないのか?


【いえいえ、私は〈最適化〉のサポートシステムですよ。つまり、大元は深淵ですが、私のシステム的意識は〈最適化〉になるので、私のスキル名は〈最適化〉になるわけです。】


 へー。それが働く話とどう関係があんの?


【えー。そこ説明すんのー?メンドクセー。気づけよ、自分のことだろー?】


 お前、せめて丁寧語使えよ。


【もう仕方ないですね。かいつまんで説明しますと、〈最適化〉はステータスを開く前からあった。それで、マスターはだらつくのに適した体に〈最適化〉の効果によって改造された。

 ここまでオッケー?】


 いや、改造って……


【じゃあその効果で改造されたのが体だけなのか?違うでしょう。だらつくのに適した意識の持ち方、寝転がるのに最高の体勢、他人を使うのに適した声の大きさなど、たくさんのことが挙げられます。じゃあスキルが同じように改造されないのか?否、内部改造というべきシステムの意識改革があった!】


 おいおい、そんなに熱くなんなよ。システムにふさわしいか、ふさわしくないかの話だぞ。どうして、ふさわしくない方の主張をそんなにムキになってするんだよ……でも、なんで他のスキルには最適化が発動しなかったんだ?


【開示条件と同じように改造する条件を満たしていないからですね。あ、魂魄眼だけ若干いじられていますね。ていうか、この話、結局のところは、あなたの所為で私はこうなったんですよ。責任とってください。】


 え、魂魄眼だけ…

 ん?ちょっと、いや、なんで?システムに性別とか無いだろ?


【確かに普通はないです。ですが、私は女性のサポートシステムとして〈最適化〉に含まれています。】


 え、どうやって?いやいや、そんなこと聞いても意味ないな。もともとサポートシステムなんだから、体がないだろう。


【どうやって、に関しては開示条件を満たしていません。体がないのは確かですが、顕現しようと思えばできますよ?】


 えー。うそー。でも、しないってことはできないんでしょ?


【ええ、〈最適化〉のスキルはスキル保持者に密接に関係してますから。ひとえに、マスターが弱いのが原因ですね。】


 ここでも、俺の所為かよ……。

次、街に入れるかな?

質問とかあったら言ってください。

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