建国物語3
ペルとオクが山間の道を歩いていると、前方に数体の異形のモノが立ちはだかりました。オクは逃げるようにペルの陰に隠れ、ペルは剣を抜き叫びました。
「憎き異形のモノ共め。死にたくなければそこを退け」
しかし異形のモノ達は怯むことなくペル達に近づいてきました。異形のモノ達の中から声が上がりました。
「あいつを殺せ。魔王様のご意志に叶えば、我々は浄土に行けるぞ!」
異形のモノ達はそのかけ声と共に、ペルに襲いかかって着ました。
激しい戦闘が行われました。ペルはその自慢の腕力と剣の腕で何とか異形のモノを打ち払いました。しかし異形のモノ達の死に物狂いの攻撃にペルは大きな傷を負ってしまいました。
「兄上、大丈夫ですか」
オクはペルに駆け寄り怪我の手当をしましたが、傷は深くすぐには治療できそうにありません。
すると近くの木の枝に一羽の大きな鳥が留まりました。その神々しく輝く姿に、オクは思わず平伏しました。鳥は彼らに語りかけました。
「未来の王達よ、この先に奇跡の湯が湧いている。その湯はどんな傷もたちどころに癒してくれるだろう」
それだけ伝えると、鳥は飛び立っていきました。
ペルは体の痛みに耐えながら、不思議な鳥が示した方向へ歩いていきました。
そして、鳥の言葉通り温泉を発見しました。兄弟は早速温泉につかると見る見るうちに傷が癒え、旅の疲れからも回復しました。
すっかり元気になったペルとオクは旅を続けます。
フェニス兄弟が発見した温泉は、今日、ゴウド温泉として知られています。