建国物語2
フェニス兄弟が旅を始めてしばらく経った頃、二人は峠を歩いていました。
するとそこには大きな竜が道を塞いでいるではありませんか。竜は大きな牙を見せつけ兄弟を威嚇しています。弟のオクはあまりの恐ろしさゆえ腰を抜かし震え上がりました。
「兄上、私たちはあの竜に食べられてしまうのでしょうか!」
しかしペルは竜の威嚇をものともしませんでした。
「道を開けろ!」
ペルは叫ぶと、近くにあった大岩を難なく持ち上げ、竜めがけて投げつけました。竜は驚いて塞いでいた道を空けました。
「なんと人間離れしたお力。どうかお許しください」
そう言って竜はひれ伏しました。ペルは怒りの表情から一転、優しく竜に語りかけました。
「竜よ、お前は何故この道を塞いでいたのだ? きっと訳があったに違いない」
すると竜は泣き出し、弱々しい声で語りはじめました。
「実は異形のモノに脅され、ここを誰も通すなと言われていたのです」
竜の言葉と同時に、二体の異形のモノがペル達の前に飛び出しました。
「役に立たぬ竜だ。やはりここは俺達が直々に始末してくれる」
そう言いながら二体の異形のモノがペルに迫ります。竜は大きな体を震わせ怯えました。
「竜よ、お前はこいつらに脅されていたのか?」
ペルはそう言うと、瞬く間に二体の異形のモノを切り伏せ、返り討ちにしました。
「これでお前は自由だ」
竜は涙を流しながら、ペルにお礼を言いました。
「ありがとうございます。このご恩必ずや報います」
竜はペルが危険にさらされた時は必ず参上すると言い残し、飛び去っていきました。