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建国物語1
むかしむかし、トウマ国の西の外れにある小さな村に、フェニス兄弟が住んでいました。兄のペルは誰よりも勇敢で心優しく、村人達からとても頼りにされていました。弟のオクはそんな兄を誰よりも尊敬し、またその博識と弁才で兄をよく助けていました。
当時、トウマ国は異形のモノと呼ばれる人ならざる存在に支配されていました。異形のモノ達は暴虐の限りを尽くし、トウマ国に住む人々は日々恐怖に震えながら暮らさなければなりませんでした。
ペルは異形のモノに対して、とても激しい憤りを感じていました。そしてある日、ペルはオクに言いました。
「弟よ、俺はこの国から異形のモノを追い出し、俺たち人間が自由に暮らせる国を作りたい」
オクは尊敬する兄の勇気ある言葉に感動し、涙を流しながら応えました。
「兄上、それはすばらしいことです。私にも手伝わせてください」
こうして、フェニス兄弟は異形のモノ達を退治する旅に出ました。