↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

はじまり

 ──それはまるで雪のようだった。


 それは、真白の花びらで。ヒラヒラを不規則に舞い落ちてくる様は、一層、白雪と紛わせた。


 はて、この森に白い花弁を葺くものがあっただろうか。


 少年は首を傾げた。

 人里からほど遠く、滅多なことがなければ人の寄りつかないこの森は、少年にとって庭も同然。知らないことを探す方が難しいくらいだった。


 今し方、目線を下に落とす。手のひらに落ちた淡雪のようなそれは、いじらしくもそこに留まっていた。

 小指の先ほどの小さな花弁。それが、厭に目についた。

 そっと息を吹きかけてみると、呼気に煽られた真白は柔く揺れ、やがて旅立っていった。

 瞬きのうちに、空を舞い、横風に攫われていく。小さく小さく、やがて花弁は全て旅立っていった。

 

 少年は知らない。それは報せだということを。これから立ちはだかる大いなる運命《さだめ》を。

 

 降り積もる雪の下で、目覚めを待っていた芽の、獣の、とまっていた時が、確かに動き出した——。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。