「・・・・」✕「・・・・」
中年の猟師の男が山の中で一人食事を始めようとしていた。
カサリッ。足音が聞こえる
「・・・・」
警戒してあたりを見回すが、その必要はなさそうだと判断する。幼い少女が一人現れたのだった。
少女はみすぼらしい格好。ボサボサの髪にぼろぼろな貫頭衣、靴は履いていなく裸足だ。
「・・・・」
指を咥え物欲しそうな顔で黙ってみつめている。
「・・・・」
クイ。男は手招きをする。少女はしばらく黙って見つめていたが、やがておずおずと近寄ってくる。
男は自分の食事を黙って少女に差し出した
「・・・・」「・・・・」
戸惑った様子の少女に男は黙って頷く。少女は男から食事を受け取り食べ始める。
「・・・・」
少女がふと顔を上げると男は優しそうに少女を見ていた。美味いか?と言いたげだ
にこー。満面の笑みを浮かべる少女。男もにこりとして頷くと、少女は食事を再開した
空腹を満たした少女は、こっくりこっくりと船を漕ぎ、やがて男に抱きつくように熟睡する。
「・・・・」
今日は仕事になりそうにない。少女の食べ残しを食べると男は少女を抱きかかえ家路についた。
「親父、なんだい?その子どもは?」
家につくと出迎えた女〜男の娘(男の娘ではなく男の娘。要するに、女装男子ではなく、男と親子関係にある女という意味だ。ややこしいね。閑話休題)まもなく成人を迎える年代だろうか。が質問する。
「拾った」男が答える
「拾ったって、犬や猫じゃないんだから。どうするのさ?」
「・・・・」
「ったく、しょうがないね。とりあえずこの子起こすよ。お嬢ちゃん、起きて。起きなさい」
ぺちぺち。少女の顔を軽く叩く
「・・・・」目を覚ました少女が眠そうに目を擦る。「・・・・」まだ状況を把握できていないようだ。周りを見回す
「目が覚めたかい?私はこの男の娘でイザベラ。で、この男は・・・・どうせ名乗りもしてないだろうから紹介しておくけれど、エドワード。猟師をしているわ。一応一流ということになっているわね。それでお嬢ちゃん、お名前は?親御さんは?どこから来たの?」
次々質問する。
「・・・・わかんないい」
少女が全部の質問にまとめて答える。
「あちゃー、そうきたか。とりあえず名無しのゴンベイじゃ困るから私が名前決めるよ。親父にゃ無理だろうから」
「・・・・」期待に満ちた視線を向ける少女
「アリス。今日からあんたの名前はアリス。どう?」
「・・・・・・・!」ニコニコ。尻尾があったらちぎれんばかりに振り回しそう(ただし無言)
「・・・・」ウンウンと頷く男(やはり無言)
「ふたりとも気に入ってくれたようで何よりだよ。ところでアリス、あんたかなり臭うよ。風呂に入って着替えなきゃだね。」
そう言うと服(またの名をボロキレ)を剥ぎ取るとアリスを小脇に抱え込む。
「!・・・・」
助けを求めるような視線を男に向ける
「・・・・・・・・・」
諦めるようにと目配せする男。こうなった娘に逆らえないのであった
「・・・・」アリス悲しげ
「・・・・」男悟りを開いたかのように見送る
ばしゃばしゃばしゃ
「こら、暴れない」
水音と諌めるイザベラの声が響く
やがて、浴室から濡れたまま男に駆け寄ろうとするが、イザベラに再度捕まる。
「ちょっとお待ち」布でアリスの体を拭い、「ぶかぶかだけど、しばらく我慢おし」
そういうと、自分の服を着せる。もちろんブカブカ
「親父はとりあえずサイズだけ見繕って、適当に服調達してきな」
そう言って男を送り出す
「・・・・・」
男が出かけると
「どうせ親父のセンスじゃろくな服は期待できないから、帰ってきたら改めて服買いに行くよ。自分で好きなの選びな」
「・・・・・」
意外なことに男が買ってきた服はアリスにとても似合っていた。サイズもぴったりだ。
もちろん一着だけでは困るので、改めて買いに行ったが、男が買ってきた服がアリスの一番のお気に入りとなった
***** 数年後 イザベラ視点 *****
まさかあの時のチビッコが継母になるなんて。しかも結婚先を越されるなんて・・・・
今日は親父とアリスの結婚式なのだ。アリスが成人すると同時に結婚という暴挙。親父それ犯罪じゃないか!?
死んだ母親が親父より結構年上だったから、年増好みだと思って油断していたらロリコンだったの?
「ところであんたらいつも無言だけど、どうやって結婚決めたの?」
疑問をぶつけてみる
「・・・・♡」「♡♡♡♡」「♥♡♥♡」
無言で見つめ合って通じ合う二人
「無言でイチャイチャするなー!」思わず叫んでしまった。すると今度は二人揃って訴えるような視線を向けてくる
「♡・・・・!」「・・・・・♥!!」「♥♥♥♥!」「♡・・・・♥・・・・♡・・・・」「♡♡♡♡♡♥♡♡」
「無言でのろけるなー」
どうしてこうなった