国の崩壊2
部屋で死神の装束一式を身につけ
大鎌で時空を切り裂き彼の国にたどり着く、うなる魔力暴走で視界が遮られるなか、地面を軽々と蹴り城の城壁の上へ
横を見ると第一部隊と第二部隊の隊長が膝をおり指示待ち姿勢で待っている
「第一部隊は城の魂の回収
第二部隊は市街地の魂の回収
私はあの魔力暴走を止める」
『お一人でですか?』
第一部隊の隊長のノルンが声をかける
『お一人ではいけません、せめて部下をお供させてください』
第二部隊の隊長のサナンが声を荒げる
「私の心配はいらない!
早く、指示通りに動け!」
重い威圧をうけ二人はだまり
『はっ』
頭を下げその場を後にする
「さて、どうしたものか?」
独り言をつぶやくと
耳元で、
『あそこはもうだめたから消しちゃて』
死神様の声がかかる
「了解」
魂の回収を指示していた第一部隊のノルンが目の前に現れ
『スノウ様魂の回収が終了しました』
「第二部隊の支援にむかえ」
『はっ』
ノルンが去ったあと
魔力暴走の嵐の中へ入り、生贄がいた場所の真ん中にすっと降り立ち
持っていた鎌を床にトンと叩く
響きわたる音の直後
一瞬にその場から消えるスノウ
地鳴りが遠くからどんどん近づいてくる
ぶわーと地面から沸き立つ溶岩
あたり一面を飲み込む頃には、死神の隊すべて消え失せていた
死神様に報告しに部屋に入ると
机の上には昨日まではなかった書類の山が…いつも書類はあるがここまで、影響するのか
「死神様、今回は城の周りだけの被害で収まるように加減しておきました」
『まあ、いいじゃないかな、スノウって凄いよねぇ、私がやったら国一つ無くなっちゃうし
まったく、ロクなことをしない国だったんだけど、最後に特大の置き土産置いていきやがった
はぁ…スノウ手伝ってお願い』
「この件の処理が終わりましたら、こちらに伺います」
『本当早めにお願い、あと、整理は第三部隊で処理して』
「はっ、畏まりました」
部屋を出ていくスノウに
『はあ〜本当困るよ〜』
とつぶやく死神様の声が聞こえた