悲しみに終止符を
「だだいま、お母さん」
位牌にむかって声をかける
今年高校2年
舞神 有紀斗17歳
あ〜疲れた
バイトやるのはいいけど
あまり頼られ過ぎも困るよなぁ
慣れてきた頃から、シフトを入れるの多くなってきて、俺高校生ですけど?大学生並みに働いてるんですけど…
肩を叩きながら1人返事のない部屋で独り言をつぶやく
昨年のクリスマスのイルミネーションがきらめく時期に母は帰らぬひととなり、父と二人天に帰った母を思い泣き暮らしていた
ある日、夢枕で
『二人の笑顔が好きなんだけどなぁ』
と困った顔をした母
父はがん泣きし続けていると
『こ〜らまったく泣き虫さんね
しばらくしたら会えるんだから泣かないの』
「でも〜君がいないと寂しくて」
『ふふっ、全くもう』
『私は貴方達が笑顔がいいの!
泣いてると待っててあげないんだから』
「えっ!まってておくれよ〜」
『じゃあ、泣くのは今日までにしてね』
「できないかもしれないけど、がんばるよ」
『本当に会社ではできる大人って感じで
かっこいいのに、モテてるの知ってるんだからね、浮気はしちゃいやよ』
「君だけだよ、こんなに愛してるのわかるでしょ」
『うん、ありがとう...
もう時間ね、
待ってるわ
しっかりと生きて、またね』
笑顔で手を振る母
薄れゆく意識の中で『ゆきと、またね』
と小さく聞こえた気がした