表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/556

9

「実際、もう帰れないしねぇ。だったらさ、気晴らしにここで働いてみない?無為に過ごすよりずっといいと思うよ~。」

お色気イケメン様のジュリィさんが、ニコニコしながらこちらに向かってくる。

そして、私の肩に手を置いたと思ったら、ずいっと顔を近づけて、

「それに、このブースは人手不足でさ、困ってたんだよね。ね、助けると思ってさ、一緒に仕事しよ?」

と、破壊力抜群の笑顔で私に言った。


― イケメン様の笑顔が眩しすぎる!!

私は自慢じゃないが、押しに弱い。

そして、なにより小心者だ。

道中でのティッシュは断れず、家には段ボールで作ったティッシュ専用収納があるくらいだ。

― 案外、硬くて使えないよね、タダで配られるティッシュって。

はっ、今はそんなことを考えている時じゃなかった。

目立たないからって忘れられたんだろうけど、怒って騒ぎたてたところで、もう帰れないことは確定済みのようだ。

いくら向こうの落ち度とはいえ、働かずに居候するのは申し訳なくて、小心者の私には耐えられそうにもない。

それに、余計なことを考えてしまうより、動いていたほうが確かにいいのかもしれない。


「わかりました。私は何をすればいいのでしょうか。」

ため息交じりに返事をした。


「そうかそうか、ミサトさんは優しい人だね~。」

嬉しそうな声のマイケル様。

「ほんとぉぉ?あぁ、ありがとう。いい人で良かったわぁ~。」

神々しい微笑みをたたえるエリィ様。

そして、ただ頷いているルキウス様。


「ミサトさんはね、私たちと同じ人界ブースで働いてもらうことになるよ。そこで仕事のことは詳しく説明するからね。それじゃジュエル君、あとはよろしく頼むよ。」

「承知しました。じゃ、サト、これから人界ブースに移動しようか。あ、歩ける?抱っこして連れて行ってあげようか?」

「ひぃぃ~!ジュリィさん、もう一人で歩けるので大丈夫ですから!!」

これでもかというくらい、頭をブンブンと振りながらお断りした。

「そう?でも心配だから、エスコートはさせてね、お姫様。」

私に手を差し出し、ウィンクするジュリィさん。


― ・・・小心者の私には、イケメン様の所業は恐ろしくてついていけません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ