閑話【リュウの独白③】
そうして、なんの声もかからないまま、ミサトさんを人界ブースへ迎える日が来た。
名前からして、もしやと思っていたが、やはり彼女は日本人だった。
そして、三室に配属されるという。
ジュエル先生に依存しなかったどころか、私の薬も必要としないとは、大した女性だ。
これから、日本人どうし、いい関係が築けるといい、と思っていたのだが・・・。
「君は俺の母親か!」と叫びたくなったのは言うまでもない。
こちらにズカズカ入り込んできては、遠慮なくガミガミ言ってくる。
もしかして、俺の『調剤スキル』のように、『母親スキル』でも持っているんじゃないのか?
しかし、ジュリのくせに、『サト』なんて呼んで、どういうつもりだ?
生意気だな。
しかも、ケリーなんぞ初めて会ったくせに、もう呼び捨てだと?
ジュリは最初から関わっていたし?同僚だし?
百歩譲って仕方ないにしても、ケリーには完全にしてやられた。
あいつがどういう心づもりでいるか知らないが、これ以上マウントは取らせない。
というわけで、懇親会を企画したのは、実は俺だったりする。
企画したのはいいが、彼女がアルにあんなに懐いているとは知らなかった。
おいおい、第三室を辞めてアルのところに行くだと?
・・・それはダメだな、認められないな。
ああ、3人の様子を見ていたら、自分を抑えているのもバカらしいな。
それに、彼女からズカズカ入り込んできたんだ。
俺が遠慮する必要もないじゃないか。
彼女も彼女だ。
もう少し、弱さを見せたっていいだろうに。
・・・まぁ、いい。辞めない言質は取ったんだ。
まだ誰にも見せてないなら、ミサの弱い部分は俺が最初に見ればいい。
・・・・・・ケリーだけには、その役目はさせないさ。




