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「リ、リュウ先生、もしかして酔ってらっしゃいますか?」
「君にはそう見える?じゃあ、酔ってるかもね。」
― えええ、これ、どうしたらいいのかな。
「サト、それ、リュウくんの素だよ。いつもは猫かぶってるんだよ。」
― は?
「リュウちゃんがこんなに早くボロ出すとは、アタシもちょっと驚きねぇ~。」
― え?
「リュウくんさ、口数少ないでしょ?あれ、本性バレないように必死に隠してるんだよ。ボクも最初は驚いた。」
「最初にやられたときは、さすがのアタシもちょっとときめいちゃったわよ。」
「・・・まったく、二人とも早々にバラすなよ。せっかく面白かったのに。」
ハッと我に返る。
― まずは、この手をどうにかしてもらわないと!
「リュウ先生、セクハラって言葉、知ってますよね?」
「ん?君の肌に合ったものを処方するのに触診は必要だろう?何か問題でも?」
「なっ・・・」
「ねぇ、リュウくん、『キミ』じゃなくてさ、ちゃんと名前で呼んだら~?」
真っ赤になっている私と涼しい顔のリュウ先生を、ジュエル先生とアリィさんがニヤニヤしながら見ている。
「名前か・・・そうだなあ。君は俺に何て呼ばれたい?」
「は?いやいや、普通に名前で結構ですよ?一般的には名前に『さん』とかつけるんじゃないですか?」
「ジュリとアルには『サト』って呼ばせて、ケリーにいたっては呼び捨てで、俺だけ『さん』付けって、なにそれ。」
― は?どこの殿様だよ!!
「「でた、俺様!!!」」
「ええ、そんなこと言われても・・・ミサト以外に名前はないですから。リュウ先生の好きに呼んだらいいじゃないですか。もう、『キミ』でいいですよ。それより、この手、離してください。」
「俺の好きにしていいの?で、俺になにをくれるんだっけ?」
「は?まだその話・・・えぇと・・・朝のコーヒー・・・とか?」
「じゃあ、三室は辞められないな。今後とも、ずっと、よろしく。」
最後に髪の毛をさらっとひと撫でして、その手がスッと離れた。
― ・・・・・・な、ななんだこの人は。
もしかして、この人、『俺様』とか『ドS』とか・・・
「サト、ようこそ我々の世界へ!!」
「アタシたち、これで本当に運命共同体ね!!」
― アリィさんの乾杯の発声って、そういう・・・。




