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私が時間通りにオヤジさんのお店に行くと、先生方はすでに到着していた。
「すみません。遅くなりました。」
「いやいや、ボクたちが先に来ていただけだから気にしないで。ところで、サトってお酒は飲めるの?」
「あまり強くはないですが、たしなむ程度なら飲めますよ。」
「ほんと?やった!ボク、職場のみんなで酒飲みながら話すの、ずっと夢だったんだよね~。」
「一室にいた時には、こういう機会はなかったんですか?」
「あぁ、そうだねぇ。マイケル先生は愛妻家だし、マリアちゃんは未成年だもん。酒の席なんて誘えないって。」
― え、マリアさんって未成年だったの!!
あのプルップルの唇、きめ細やかな白い肌・・・何てうらやま・・ゴホン。
「そ、そうだったんですね~。」
「リュウ先生とはけっこう飲んでるんだけど、毎回ヤロウばっかりってのも・・・ねぇ?リュウ先生。」
「まったくだ。何が悲しくて、研究を中断して男に付き合わなきゃならないんだ。」
「相変わらずリュウ先生は冷たいなぁ。それなりに楽しいじゃないか。」
「だからといってなぁ。毎回毎回、同じメンツもどうかと思うけどな。」
お二人の気安い雰囲気が伝わってくる。
― なるほど、これは職場では見られない一面だ。
「じゃ、あらためてよろしくの乾杯しようか。サト、乾杯の挨拶してよ。」
「なに言ってるんですか。ここは室長のジュエル先生がやるべきです。私じゃ締まりませんから。」
「えぇ~、じゃ、リュ・・・」
「ジュエル先生がやれ。」
― ・・・お、おう、リュウ先生、なかなか上から発言だな。
「もう、二人とも~。お酒を前にしてお預けもなんだし・・・。では、これから仲間として、公私ともども仲良く行こう。カンパーイ!!」
「カンパーイ」
「・・・乾杯」
「ごめーん、遅くなった。」
と、入ってきたその人は、その人は・・・誰?




