閑話【ルキウス様の執務室】
「ルキウス様、いる~?」
ルキウスの執務室のドアを勢いよく開けるアズ。
「アズ、入室するときはノックしろ、といつも言っているだろう。」
「あぁ、悪かったよ。それよりさ、ちょっと聞いてよ。」
「なんだ?なにか問題でもあったのか?」
ルキウスの机にドカッと座り、アズが話し始める。
「大事件だよ。実はさ、今日、天界のカタブツケリーのヤローが、新入りのミサトとお茶しててさ~。もう、びっくり!」
「なんだと?仕事ではなく?おい、机から降りろ。」
「休憩スペースで、だぜぇ?どっからどう見ても仕事じゃないって。キラッキラの笑顔振りまいててさ、周りのみんな、ドン引きだったぜ~。」
ケラケラと笑いながら報告する。
「でさ、ミサトもちょっと困ってるみたいだったから、助け舟出してきたってワケ。」
「は?お前、なにをやってるんだ?」
「だってさ~、いつもなら精神干渉の依頼が来る時期なのに来ねーじゃん?あの女ったらしに依存しなかったヤツ、興味あってさ~。」
「ああ、そういえば今回は依頼がなかったな。」
「だろ?でさ、ちょっと耳に息吹きかけたら、真っ赤になっちゃって。可愛かったぜぇ~。ルキウス様にも見せてあげたかったよ。」
「・・・お前、なにやって・・・」
「あぁ、真っ赤になってただけだから大丈夫じゃない?ん~、カタブツケリーに邪魔されたけど、今度人界に遊びに行ってこようかな~。」
「おい、交流は自由とはいえ、あまり関わるのは・・・」
「わかってるって。でもさ、ケリーばっかりズルいじゃん。ミサト、面白そうだし、アタシも遊んであげてもいいかな~って。ま、そういうことだから。じゃね~。」
・・・おいおい、一体どうなっている。
あのアズが、人間の女性の名前を覚えているうえに、手を出しただと?
あのカタブツケリーが、仕事以外で人間に関わっていただと?
彼女の『嫌われない』スキルとやらは、実は相当にやっかいなものではないのか?




