表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ異世界転移センターへ  作者: カイ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

722/725

644

それから、リュウ先生はケヴィン様の元に行き、候補地となる国の書物や薬草を事前にもらうこととし、また、二室に正式に依頼して、同じく資料を集めた。

ケヴィン様もルカ君ミカ君も仕事が早く、間もなくけっこうな量の資料と薬草が三室に届けられた。

私も、資料整理や薬草の分類を手伝いながら、二人の聖女様を待つ。

リュウ先生は、届けられたものと格闘していたため、毎日のように残業していた。

それでも、朝起きた時には隣で寝ていたので、ちゃんと帰ってきてくれている。

朝のボヤキから察するに、どうやら、三室に転移陣を設置するのは無理だったようだ。


そして、最初に来たのは、ピンクの聖女様だった。

「こんにちは~!ようやく落ち着きましたぁ~。会長からもぉ、お尻たたかれてるんで、よろしくお願いしまぁす!」

― 相変わらずポジティブで元気な聖女様だな~。

「はいはい。それではこちらへ。ミサ、1時間したら声をかけて。」

ピンクの聖女様とリュウ先生が、調剤室へと入っていく。

その後ろ姿は、まるで『先生と生徒』としか見えなくて、ちょっと微笑ましく感じた。


1時間後に声をかけようと、調剤スペースを除いたとき、

「きゃーっ、リュウ先生、すごぉい!!」

「次は、あなたがこれをやるんです。ほら・・・って、力を注ぎすぎ!もうちょと加減して。」

「ええ~!!これ以上ムリぃ!やだー、リュウ先生がいじめるぅ!!」

などと言い合っている様子がうかがえた。

マイペースな聖女様に、ほとほと手を焼いているリュウ先生。

その様子を見て、ちょっとだけほっとしてしまった私であった。


「あはは、室長センセーも大変だね~。見てよ、あの顔、おもしろっ!」

レイ君が、私の後ろから声をかけてくる。

一応、担当はレイ君だし、聖女様のなぐさめ役?としてその時間帯にはいてもらうことにした。

「レイ君・・・面白がってるとしっぺ返しくらうよ?」

「室長センセーってさ、あの手のタイプの女の子、ほんと、苦手にしてるよねぇ。」

「あはは・・・そ、そうかもね~。マイペースで自分に正直で、思っていることをハッキリ言えて・・・私としては少し羨ましいなって思うけど。」

「へぇ~、ミサトちゃんはそういう風に見てるのかぁ。」

― ん?レイ君はそう見てない・・・のかな?


「じゃあ、レイ君はどう思ってるの?聖女様のこと。」

「どうだろうね~。守秘義務があるので教えませーん。ま、でも周囲を振り回すタイプの子なのは確かだね。」

「またそうやって・・・!ねぇ、前から思ってたんだけどさ、レイ君、私のことちょっとバカにしてない?」

「そんなことあるわけないでしょー!ミサトちゃん、どうしたの?機嫌悪いの?あっ・・・そか、室長センセー取られちゃって・・・」

「・・・・・・あのねぇ。いくら私だって公私混同はしないってば。」

「やだー、ミサトちゃんが怖いー。ほらほら、そろそろ呼びにいかないと、室長センセーが限界そうだよ?俺、お茶淹れてくるから、呼んであげなよ。」

― ・・・まったくもう!

でも、レイ君の言う通り、リュウ先生の眉間の皺が深くなってきたから、そろそろ限界かも。


そこで、私は二人のいる調剤スペースをノックする。

「聖女様、リュウ先生、お茶が入りましたので休憩しませんか?」

リュウ先生が、あからさまにホッとした顔をしていた。

「あーん、ミサトさんが優しい!!ねぇ、聞いてくださいよぅ、ヒドいんですよ?私、素人なんですよ?それなのにぃ、全然手加減してくれなくてぇ!」

そう言うと、ピンクの聖女様が私に抱き着いてきた。

― おおう!まさか、前の国でも今の国でも、誰にでもこんなスキンシップしてたのか?

マリアさん以上だな!


「あ、あはは、それは大変ですね。早くモノにしないと会長さんにも怒られるでしょうからね。さ、こっちに座ってください。」

聖女様の背中をトントン叩きながら、椅子に座らせる私であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ