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ようこそ異世界転移センターへ  作者: カイ


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ピンクの聖女様に呼ばれたリュウ先生が、診察室に入っていく。

「リュウ先生~、お久しぶりですぅ。」

聖女様が立ち上がり、リュウ先生のもとへと歩み寄る。

― ストーップ、これ以上近づかないで!

心の中では、立ち入り禁止テープを貼りたい気分だ。


「お元気そうでなによりです。私に相談ということですが、なにか?」

ポーカーフェイスを崩さず、冷静に対応するリュウ先生。

レイ君が、「リュウ先生、こちらに」と自分が座っていた椅子に、リュウ先生を誘導し、自然に聖女様と距離を取る形にしてくれた。

そして、「ミサトちゃんは隣に座って」と助手が座る席を譲ってくれた。

― さすが、ナンバー3!気遣いの鬼!!


「先ほども、レイさんには説明したんですけどぉ~、実は追放されちゃってぇ。それで、今いる国で薬を売ろうと思うので、リュウ先生にご指導していただけたらなって!」

「・・・・・・え~と・・・」

あまりにもざっくりした説明に、リュウ先生も困惑気味だ。

「追放の件は、あとでレイ先生に確認するとして・・・。聖女様は癒しの力をお持ちでしたよね。ご自分の力で治されたほうが早いのでは?」

「それ、私も言ったんですよぉ。でも、それじゃ他所の国に売れないから金にならないって、会長が!」

― なるほどねぇ~。

聖女様が治療院を開いても、そこに足を運べる人しかお金を落とさないけど、商品にしてしまえば、持ち運びができるから、こっちから売り込みもできる。

なかなかの商売人だなぁ、その会長様。


「薬というと、どういうものを考えているのですか?」

「えっとぉ、薬草がいっぱい生えている土地なので、このハーブティーみたいなものがいいかなぁって。そうすればぁ、安価に買えるから、裕福じゃない人にも薬を届けられるって、会長が!」

「なるほど、貴族向けの高価なものではなく、庶民向けのものですか。」

「高価なお薬は、王宮ナントカさんが作ってるから、そことはケンカしないって言ってました、会長が!」

― 『王宮ナントカ』って、王宮魔術師とか、王宮医師団とか、そういう役職の方たち・・・だよね。

名前じゃないよね。

「はあ、そうですか。その商会の会長さんとやらは、ずいぶんと優秀な方のようですね。」

リュウ先生は、少々投げやりな言い方であった。


ニコニコしている聖女様を前に、リュウ先生はしばらく考え込んだ後、

「わかりました。私でできることなら、協力しましょう。」

と、聖女様に告げた。

「ほんとですかぁ~!やった~!!」

「それでは、次に来るときには、聖女様の国に生えている薬草と・・・そうですね、可能であれば街で出回っている薬を持ってきていただきたい。」

「わかりました!えっと、薬草と薬として飲まれているもの、ですね!」

「聖女様、その前にあなたがいる国の教会に窓口を設置するので、ちゃんと国の名前と場所を教えてくださいね。それと、安全が確保されてからこっちに予約をいれてください。わかりましたか?」

隣から、レイ君が聖女様に釘を刺した。

「レイさんに怒られちゃった!はぁ~い、わかりました。」


「今日はこのまま帰るんですか?店には寄っていく?」

― 聖女様・・・アズ師匠のお店にも足を運んでいたのか・・・。

「そうしたいのは山々なんですけど~、今日は時間がなくて!早いとこ帰らないと会長に叱られちゃうから。」

「そうでしたね。それにしてもずいぶんと会長を慕っているんですね。」

「だってぇ、会長カッコイイんだもん!」

「「「・・・・・・」」」

― あくまで基準はそこなのね・・・ほんと、大丈夫なのかしら。


それから、いくつかやり取りをして、嵐のように去っていったピンクの聖女様であった。


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