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「話はわかりました。それでは、具体的なプランをたてていきましょうか。」
キラキラが消え、ニヤリと笑ったケヴィン様。
その雰囲気は、黄金の花畑が枯れるほど怒っているエリィ様に似ている。
― こ、怖いよう・・・。
「断罪の内容として考えられるのは、軽い順から下野、幽閉、国外追放、処刑・・・この4パターンでしょうか。」
「まあ、それが妥当なところでしょうね。平民になったとしても、聖女を詐称していたとなると、民衆の目は厳しい。まともな生活は出来ないでしょう。」
― 下野って、聖女という身分をはく奪されて、平民として街で暮らすってことだよね。
でも、たとえ平民の生活に慣れているとしても、嘘つき呼ばわりされてまともに話を聞いてもらえないどころか、迫害されちゃう可能性があるのか。
幽閉は、クローズさんみたいに、地下の牢獄にずっと閉じ込められて・・・うわぁ。
国外追放は自由な分、幽閉よりはいいのかもしれないけど・・・。
過酷な環境だったり、敵対している国に放り出されたら、最悪命を落とす可能性だってある。
処刑は・・・お話にならない。
「そうなると、他国へ逃げるのが最善ですが・・・」
リュウ先生が、なにやら考え込んでいる。
「まともな神官や聖女様が生きているとなると、都合の悪い連中がいるというところですね。」
「ええ。やはり、聖女様の死を偽装する必要があると思います。」
「それがいいでしょう。どうせ、追手がかかるでしょうしねぇ。」
「幽閉の場合は、幽閉場所に転移陣を仕掛けることは可能ですか?」
「転移陣など設置しなくても、チョチョッと力を使えば大丈夫ですよ。そこはご心配なく。」
「しかし、魔法封じのしかけがあるかもしれませんが、影響はないのですか?」
「我々も舐められたものですねぇ。人間の力と一緒にしないでいただきたい。」
― ヒィィッ、さらに凄みが増している!
「それを聞いて安心しました。そして最悪の場合ですが・・・」
「う~ん・・・それですねぇ。やはりドラマチックな演出が必要ですよね。その聖女様はどちらの世界にいらっしゃるのですか?」
― ドラマチックって!ケヴィン様もヤル気マンマンじゃないのよぅ。
エリィ様といい、天界の方ってそういうのがお好きなの!?
「聖女様の資料です、どうぞ。」
リュウ先生は、聖女様のプロフィールが書かれている書類をケヴィン様に渡した。
「ああ、この世界の方でしたか。ちょうど良かった。」
― ちょうどいい?え、なにがいいの?
「もしかして、その世界の女神様とお知り合いで?」
「ええ。実は飲み友達でしてね~。それにちょっとした貸しがありますから、少々無理なお願いも聞いてくれると思いますよ。」
― 飲み友達!女神様と飲み友達!
私の脳内では、キラキラした神々の宴の様子が再現されている。
白く霞んで、良く見えないけどね!
「あなたは、なにをして・・・ああ、だからこんなところで・・・」
「なんですか、その言い方は。人脈は大事なんですよ?あれ、私たちは人じゃないですね。天脈?天界ネットワーク?」
「「・・・・・・」」
「あまりウケなかったようで・・・。処刑直前で顕現していただいて、ついでにその国からサクッと魔法の力を取り上げてもらいましょうか。」
― ・・・は?
「ああ、そのぐらいの仕置きがあってもいいですね。聖女様の身の安全も守られるし、疫病も乗り越えられない。いい気味ですね。」
― そ、それはやり過ぎじゃないだろうか。
ドラマチックにも程度ってもんがあるでしょうが~!!




