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「そうですね。あんまり遅いとサボっていると思われるので、そろそろ戻らないと。」
― 実際、サボっていたけどね!!
「では、一緒に行きましょうか。」
「そんな、恐れ多いです。リュウ先生への荷物でしたら、ここで預かって私が持って行きますから。」
全力でお断りする。
これ以上は身が持たない。
「彼に確認してもらわねばなりませんので、直接渡さないとね。ついでだから気にしないで。さ、行きましょうか。」
― あぁ、有無を言わせない笑顔がそこにある。
キラキラ眩しすぎて、よく見えないけどね!!
「ワカリマシタ。よろしくお願いします。」
― あぁ、なにををよろしくなんだか・・・私、なに言ってんだろう。
人界ブースへ戻る途中、いろいろと話題を振ってくれたケリー様。
ジュエル先生ほど甘くはないけれど、気遣っていただいているのは伝わってくる。
どっかの誰かさんとはエライ違いである。
「そうそう、その『ケリー様』って、ちょっと恥ずかしいので、敬称なしで呼んでくれませんか?私も『ミサト』と呼ばせてもらってもいいかな?」
と言われたが、恐れ多くて呼び捨てになんかできるわけがない。
「それは無理です~。ダメです。せめて、その・・・『先生』とか『さん』で・・・。あ、私のことは何でも好きにお呼びいただいて結構ですから。」
― もう、煮るなり焼くなり、どうとでもしてください。
「はは、それもそうですね。初対面だし仕方ないですね。じゃあ、『さん』で我慢しましょうか。これから三室にはしょっちゅうお邪魔することになりますから、仲良くしてくださいね?」
「いやいや、そんな。こちらこそご迷惑をおかけすることも多いと思いますが、よろしくお願いします。わからないことだらけなので、またいろいろ教えていただけると嬉しいです。」
「ええ、私にわかることならなんでも聞いてください。くれぐれもアズのところへ相談になど行かないようにしてくださいね?」
「はぁ、あはは~・・・」
三室に到着し、ドアを開ける。
どうやら、3人のお茶会はまだ続いているようだ。
― ・・・・・・チッ、まだ早かったか、失敗した。
「あぁ、あれのせいで・・・」と、ケリーさんが呟いた。
「え?なにか仰いましたか?」
「いえいえ、何も。では、新しい診察室を見せてもらおうかな。」
「あ、え、まだ片付いてないですし、リュウ先生の部屋もまだ・・・」
私の制止などおかまいなしに、三室に入っていったケリーさんであった。




