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さて、次はリュウ先生の調剤室だ。
リュウ先生がいる調剤室へ向かう。
ここも荷物の山である。
調剤室には、少し大きめのデスク、小さめの応接セットがあり、そして壁一面の本棚があった。
「失礼します。」
「か、勝手に入ってもらっては困るんだが。」
リュウ先生の抗議にあったが、知ったこっちゃない。
この荷物の山を放置するわけにはいかない。
「それは失礼しました。それでは、荷物の仕分けをしますね。」
「お、おい、勝手に触ってもらっては困る。」
イラっとする・・・が、ここは態度に出してはいけない。
「そうですか。では、どうしても触られたくないものがあれば、そちらに置いてください。」
と、一応断っただけで、さっさと仕分けに入る。
リュウ先生の荷物は、とにかく本が多かった。
これを並べていくだけでも、かなりの時間がかかりそうだと思うとゲンナリする。
リュウ先生の荷物にも、案の定、寝袋や毛布などのお泊りセットがあった。
ただ、ジュエル先生と違って、怪しげな私物は見当たらない。
薬のことしか考えてない、ワーカーホリックの人なんだろう。
「リュウ先生、この荷物を今すぐ自室へ持って行ってください。」
「なっ・・・そんな命令を聞く必要はないな。だいたい、君は助手だろう?」
イライラっとする・・・だめだ、耐えろ、私。
「命令ではなくお願いです。私物が多いとこの部屋も片付きません。まずは物をを少なくすることから始めないとどうにもなりません。ご協力いただけませんか。」
― なるべく論理的に、具体的に、感情的にならないように・・・。
「薬を扱うと仰っていましたが、この環境では衛生的にも問題があると思うのですが。」
― いったい、一室ではどんな環境で仕事してたんだよ。
「ぐ・・・調剤は違う部屋で行うから、特に問題はない。」
リュウ先生が、隣にあるもう一つの部屋に視線をやった。
薬局の奥にある、調剤室と同じような部屋がある。
棚にはいろいろな薬草や液体が並んでおり、作業台や調剤器具らしきものが設置されている。
その部屋だけは、まるで部屋ごと移動してきたような、整然として清潔な部屋に見えた。
― なるほど・・・執務と調剤を行うスペースが違うために、この部屋が狭いのか。




