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「一室助手のジュエルです。あらためてよろしくね。」
「同じく、一室助手のリュウです。主に薬を担当しています。よろしく。」
黒髪に黒い瞳、スクエア型の縁なし眼鏡をかけ、涼しげな顔をしているこの人は、もしかしたら日本人では?
リュウさんもこちらを見て驚いた顔をしている。
同郷の方だったらいろいろとお話をしてみたいけど、今はそんな時じゃない。
「ミサトです。よろしくお願いします。」
空気が読める私は、ただ挨拶を返すだけにしておく。
― いつか、日本のことお話できるといいな。
「同じく、一室の助手のをしているマリアといいます。よろしくお願いしまぁす。」
次に挨拶をしたのは、ふわふわのピンクブロンドの髪をした、とても可愛らしい女性だった。
ラベンダー色の大きな瞳に、プルップルの唇、ちょっと儚げで、守ってあげたくなる・・・よう・・・な?
― ・・・・・・これは、これが、噂の『ヒロイン』様では・・・!!
でも、なんだろうな・・・向けられた言葉にも視線にも、若干敵意が混ざっているのは気のせいかな。
いや、これは気のせいじゃない。これは歓迎していないヤツだ。
「ミサトです。よろしくお願いします。」
― そういえば、大学時代にもこういう女性がいたっけ。
可愛いことを自覚していて、彼女より目立とうものなら、けっこうな嫌味を飛ばしてマウントとってくる、面倒くさい人。
さすがにそこまで計算高くはないだろうけど・・・とたんに上手くやっていく自信を失くした私であった。
「ボクたちは、二室の助手をしている、ルカとミカだよ。よろしくね、お姉さん。」
微妙な空気を吹き飛ばすような、元気な声が聞こえた。
どちらもライトブラウンの髪色で、同じ顔だ。
違うのは分け目くらいだろうか。
「僕がルカだよ。」分け目が左側の少年が、元気に挨拶する。
「ボ、ボクはミカ・・・です。」分け目が右側の少年が、恥ずかしそうに挨拶をする。
「ミカはちょっと人見知りだから、気にしないでねっ!」
ルカ君がミカ君をフォローするように付け加えた。
「ルカくんにミカくんですね。ミサトです。よろしくお願いします。」
ちょうど、弟と同じ年頃だろうか。
とても懐かしい気持ちになった。
「挨拶は一通り終わったね。ここで、みんなにお知らせしたいことがあるんだ。」
マイケル先生が、職員を前に姿勢を正す。
私は、皆さんが並んでいるほうに移動し、マイケル先生の言葉を待った。




