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それから間もなく、「登録が終わりました」と、犬耳のお姉さんが受付へと戻ってきた。
「ただいまより、このスライムはミサト様の従魔となります。黒いスライムは体内でなんでも溶かしますので、不用なものはこのスライムに与えてください。青いスライムは汚れのみを溶かします。食器、衣類などの洗浄にお使いください。」
「じ、じゅうま・・・」
― 異世界ワード、キター。
「このままお持ち帰りなさいますか?それともお部屋に転送しておきますか?」
「えぇと、これは私が持っても大丈夫なのですか?」
「はい、主人には攻撃できないようになっておりますのでご安心ください。」
「では、このまま持って帰ります。」
「かしこまりました。スライムの交換、名前を変更したい場合にはこちらまでお越しください。スライムの定期メンテンナンスの際は、別途連絡いたします。」
犬耳のお姉さんは、若干憐れみをたたえた表情で、変更用紙まで渡してくれた。
二匹?のスライムを受け取る。
どちらもヒンヤリしていて、スベスベでプリプリしている。
私は、周りに聞こえないように、
「ソウくん、センくん、これからよろしくね。」と声をかけてみた。
「ピッ」「ピピッ」と何か音が聞こえたような・・・気がした。
自室へ帰る間、ジュエルさんはほとんど笑っていた。
「ソウ、センって・・・アハ、アハハハ」
「そんなに笑うことないじゃないですか。前もって教えてくれてたら、もうちょっと・・・」
「あぁ、ごめんね~、アハハ。でも、わかりやすくていいんじゃないかな、フフフ」
何がそんなにツボったのか、ずっと笑い続けていたジュエルさんだった。
そうこうしているうちに、自室へ到着する。
「今日は本当にご迷惑をおかけしました。いろいろありがとうございました。」
「ねぇ、サト、部屋の設備の使い方ってわかるの?」
「え?あぁ、何とかなるんじゃ・・・ないか・・・と?」
「もう、危なっかしいなぁ。ちゃんと教えるから、ちょっとお邪魔させてもらうね。」
ニコニコしながら部屋に入ろうとするジュエルさん。
― は?
何を言ってんの、この人は。
いくらイケメン様だからって、会って間もない男性をホイホイ部屋に入れるとでも思ってるの?




