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「イセカイテンイセンター?」

「そう、異世界転移センター。」


・・・はて、どこの救命救急センターだろう?


「あのぅ、ここ、病院ですよね?」

上体を起こし、あたりを見渡す。

天井は白く、ベッド、サイドテーブル、机が置いてある、ごくシンプルな部屋だ。

「病院・・・とはちょっと違うけど、まぁ、似たようなものかな?それより、どこか痛いところはない?気持ち悪いとか、具合悪いとかはない?」

イケメン様が、私の顔を覗きこんできた。


― うおぉぉぉ、近い近い近い近い!!!


「ひぃぃ、だ、大丈夫です!!」

ブンブンと首と手を振りながら慌てて距離をとる。

「ひぃぃって、なんか傷つくなぁ~。」

ショボンとしてみせるイケメン様。

「す、すいません、つい。」

― こちとら、あなたみたいなイケメン様に慣れてないっての。

とりあえず愛想笑いしてごまかす。


「大丈夫そうなら、キミのこれからについて、別の部屋で話したいんだけど動けそう?」

― 私のこれから?

あぁ、やっぱりここは病院で、これからの治療方針とか入院費用とか連絡先とか、そういったことを話すのね。

「わかりました。多分大丈夫だと思います。」

「そう、よかった。それじゃ、お手をどうぞ、お姫様。」

どこのホストじゃ、と心の中でツッコミを入れつつ、「大丈夫ですよ~」と言いながらベッドから降り立とうとした瞬間、ぐらっと体が崩れた。

― あれ、膝に力が入らない?

「あぁ、ほら、無理しないで?キミ、一週間も目を覚まさなかったんだから、急に動いちゃ危ないよ。素直にボクにつかまって?」

と、倒れる寸前に抱きとめてくれた。


イケメン様に抱きとめられ、胸がドキドキする。

しかし、これは断じてトキメキじゃない。


― ・・・一週間も寝たきりってどういうこと?


自分に一体何が起こったのか、ここはどこなのか、これからどうなるのか、不安で心臓がバクバクへと加速していった。

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