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「ジュリィちゃん、お待たせ~。」
「あぁ、もういいの?思ったより早かったね。」
「とりあえず、2、3着見繕っておくわ。まだいろいろと回るんでしょ?帰りに取りにいらっしゃいな。」
「わかったよ。いつもありがとね、アリィちゃん。」
「いやぁねぇ。ジュリィちゃんとアタシの仲じゃないの。今後ともご贔屓にねっ。」
「何から何までありがとうございました。」
「どういたしましてっ。いやぁ、こんなにクセのない顔と体のコって久しぶりだから、腕がなるわぁ~。じゃ、また後でね。」
― サラッとヒドイことを言われたような気がするのは、私だけだろうか。
二人でアリィさんの店を後にする。
「お疲れ様。アリィちゃん、あんなだけどセンスと腕は確かだし、いい人だからご贔屓にしてあげてね。」
「最初はびっくりしましたけど、とてもいい方で安心しました。ちょっと強引ですけど・・・」
「アハハ、そうだね~。それも含めてアリィちゃん、いい人だから。」
「そうですね。お二人は仲がいいんですね。もしかして・・・・・・そのぅ・・・お付き合いとかされていたり?」
― 多様性の時代だものね。
「いやいや、ないない。ボクは見た目も中身も女の子が好きだから。」
笑いをこらえながら答えるジュリィさん。
「そうだなあ・・・。ここに来たのが同じような時期だったから、同士のようなものかなあ。」
「そうなんですね。お二人はどのくらいここにいらっしゃるんですか?」
「うーん・・・ここは時間の流れが実感できないところだから、よくわかんないや。それより、次のお店に行こうか。」
「あ、はい、わかりました。」
― ジュリィさんは、なんとなくだけど、自分には踏み込んで欲しくなさそうだな。
そりゃあ、初めて話す人を警戒するのは当たり前なんだけど。
私の『空気読むスキル(注:自称)』は、こういう時にはたいてい当たっている。
ジュリィさんは、イケメン様で、気安くて、とても優しい人だけど、決して自分の内側は見せない人なんだろうな。




