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4話 友からのたより

 数日後の夜、テレビを見ていると、友達からメッセージが来た。


『転職おめでとう!』


 転職報告の返事だ。

昔から返事が遅いけど、今は単に仕事が忙しいからかもしれない。


(ありがとう! 今仕事忙しい?)


『うん、忙しいかな』


(全然剣道場で会えないもんね)


『あ、そうだった! ほんとごめん!』


(俺、今なら与晴に勝てる気がするw)


 高校の時から勝てた試しがない。


 インターハイとインカレ両方で上位に食い込む好成績を納め、今は五段の警察官。

 そんな超人に近い人間に勝てるわけが無いけど冗談で送る。


『マジで? じゃあ今度立ち会いしようか』


(やろうやろう!)


 いつも返事が遅いくせに今日はやたら早い。何か他に大事な用事があるのかもしれない。


『ごめん話がある。打つの面倒だから、電話してもいい?』


 お、やっぱり何かあるんだ。


(どうぞ)


 テレビを消すとすぐ電話が掛かってきた。


「もしもし。何?」


『相談とお願い、かな』


「うん。わかった。どうぞ」


『ペアの先輩が、探偵さんとお近付きになりたいって言ってるんだけどさ』


「うん」


『池辺君との食事会、セッティングして貰えるかな?』


 ……あれ? 与晴は池辺君と面識あるんだったっけ? 


『名刺貰ったから、会社の連絡先は分かるんだけどさ、

さすがにそこに仕事じゃない連絡はまずいかなって……』


 真面目な与晴らしい相談だ。

 でも、池辺君、絶対自分から仕事の体で近づいたな……

 与晴のことかっこいい!って正太と言いまくってたしな……


「わかった。やってみる」


 あとの参加者は……


『もちろん、翔太も来て』


 ナチュラルに誘われた。


「了解。じゃあ、俺の後輩…… 元LOTUSで今ヘブンスなんだけど、メンバーに入れてもいい?」


 原を同席させないと後で絶対に面倒なことになる。


『お願いします! 先輩が捜査の一環で、LOTUSさんについても聞いてみたいって言ってるからほんと助かる!』


 出た『捜査の一環』

でも、何を知りたいんだろう。

俺の例の事件の延長か?


『それと、これも同じく捜査の一環で、

LOTUSさんの新居さんと話したいって言ってるんだけど、それも抱き合わせでできるかな?』


 社長ではなく、薬剤師の新居さんを指名?

 与晴の先輩は何が目的なんだろう。


「捜査の一環ってさ、俺のあの件?」


 元専務の久田に俺が刺された件。あの人は他にも余罪がいっぱいあるからわからなくもないけど……


『大丈夫、そうじゃない。安心して』


「……わかった。じゃあ、大丈夫だと思う」


 あの件だと、健一さんからNGを出されることは間違いない。

絶対に勝手に動くなと念押しをされている。

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