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2話 電話は嫌?
その日の夜、風呂から上がった俺は健一さんからのメッセージに気付いた。
『合格おめでとう!』
(ありがとうございます)
そう送るとすぐ返事が来た。
『本当は明日にでも来て欲しいんだけどね、俺は』
(業務が立て込んでますか?)
『そうでも無いかな』
これだけ反応が早いならもう自宅かもしれない。打つのは面倒だ。話した方がいい。
(電話してもいいですか?)
それにあの日から一度も会っていないし、ここしばらくはお互い忙しくて、電話も出来てない。声を聞いていない。
『ダメ』
変なキャラクターがバツをする妙な動くスタンプが送られてきた。
(今、電車の中ですか)
『もう家』
(じゃあ、なんでダメですか?)
NGやダメやらのスタンプ押されまくった後、突然返事が止まった。
イラッとした俺は、
(おやすみなさい)の堅苦しいスタンプを送りつけスマホを机に置いた。
明日の朝ご飯の支度しないと。