第八十八話 戦いの終わり
噴火が続くキシャル島、そんな中で戦うリオンとスレイド。
激しい戦いが続く中、大地が激しく揺れている。
そんな中でもリオンとスレイドの戦いも続いていた。
「(どうする…このままでは…。)」
リオンはスレイドの連撃を避けつつも、反撃の機会を伺っていた。
そんな時、再び揺れが起きた。
その衝撃で一瞬だが動きが止まってしまった。
しかし、次の瞬間にはスレイドが攻撃を仕掛けてきた。
「しまっ…。」
回避が間に合わないと判断したリオンは防御の姿勢を取った。
だが、それでも衝撃を完全に殺し切ることはできなかったようだ。
大きく吹き飛ばされたリオンだったが、なんとか体勢を立て直すことができた。
そして、再び剣を構えるリオンだったが、スレイドは追撃を仕掛けてきた。
「くっ…。」
その連撃を受け止めるリオンだったが、次第に押され始める。
そんな彼の姿を見てスレイドは笑みを浮かべるのだった。
「ふっ」
だが、それでもリオンの心は折れない。
いや、折れるわけにはいかない。
それどころか闘志を燃やしていた。
そして、反撃に転じる。
しかし…
「甘いな」
「ッ!」
スレイドはその攻撃を軽々と受け止めた後、魔力の刃で攻撃してきた。
なんとか回避したものの、完全に避けきることは出来ずにダメージを受けてしまった。
リオンは歯を食いしばって立ち上がる。
そんなリオンに対してスレイドが言う。
「どうした、その程度か?」
「くっ…」
「まだ戦いを続けるつもりか」
「…当たり前だ」
リオンは大きく返事をすると再び剣を構えるのだった。
しかし、その構えには隙が無く、まるで別人のような雰囲気を醸し出していた。
それを見たスレイドも警戒を強めるのだった…
「(なんだこの感じは…?)」
スレイドの心に一筋の不安がよぎる。
しかし、その感情を振り払うかのようにスレイドは攻撃を仕掛けたのだった。
だが、その攻撃はリオンによって受け止められてしまう。
さらに反撃を繰り出すがそれも防がれてしまう。
そして、そのまま押し切られてしまった。
体勢を立て直すため距離を取るスレイドだったが、リオンはそれを許さないとばかりに追撃を仕掛けてきたのだ。
そんな攻防が続く中、突然地震が発生した。
大地が大きく揺れ動き、立っていることすら困難になるほどの衝撃だった。
「うおっ。?」
その勢いに思わずスレイドが大勢を崩す。
リオンはそれを見逃さなかった。
素早くスレイドの懐に入り込むと、その胴に強烈な一撃を放った。
「ぐはっ…。」
その一撃でスレイドは大きく吹き飛び地面に叩きつけられる。
その隙を逃すまいとリオンは追撃を仕掛けた。
しかし、スレイドはそれを読んでいたかのように攻撃を防ぎ逆に反撃に転じたのだ。
それをギリギリで回避するリオンだったが、体勢を崩してしまう。
そんなリオンに対してスレイドはさらに攻撃を仕掛けてきたのだった…
スレイドが魔力の刃を形成させると同時に切りかかった。
リオンはその一撃を受け流すも完全に避けることができずにダメージを受けてしまう。
さらに追撃を仕掛けてくる。
「うおおおおっ!」
噴火のせいで発生した揺れだ。
特に大きい。
リオンはその攻撃を受け止め、押し返すことに成功する。
そのまま反撃に出るが、それも防がれてしまう。
だが、その隙を見逃さず追撃を仕掛ける。
そしてついにスレイドを吹き飛ばしたのだった。
「くっ…!」
地面に叩きつけられたスレイドだったがすぐに立ち上がる。
しかし、その表情には明らかな焦りの色があった。
そんな隙を逃すまいとリオンは再び攻撃を仕掛けた。
だが…
「させないぞッ…!」
スレイドは魔力の刃で防御態勢を取った。
そして反撃に出る。
その衝撃は凄まじく、リオンを後退させるほどだった。
「うおっ…」
しかしリオンも負けじとすぐに体勢を整え攻撃を仕掛けた。
スレイドは再び魔力の刃で受け止めるが、リオンの攻撃はそれを押し返したのだ。
そのまま追撃を仕掛けようとしたのだが、再び地震が発生した。
その影響で一瞬動きが止まってしまう二人だったが、リオンが一瞬先に動いた。
「うおおおおッ!」
「ぐあッ!?」
リオンの一撃を受けて大きく吹き飛ぶスレイド。
しかし、すぐに体勢を立て直すと反撃に転じたのだ。
だが、その攻撃もリオンに防がれてしまい、逆にカウンターをくらってしまったのだった。
そしてついに決着の時が訪れる。
スレイドは最後の力を振り絞り魔力の刃を形成したのだが、
「はあっ。」
リオンはその攻撃をあっさりと弾き返すとそのまま攻撃を仕掛けたのだ。
その一撃を受けたスレイドは大きく吹き飛ばされたのだった。
「はぁはぁ」
「ふぅふぅ」
そんな二人の荒い息遣いだけが聞こえる中、再び沈黙が訪れた。
しかし、それも長くは続かなかった。
「うおおおおっ。」
スレイドが雄叫びを上げると同時に魔力の刃を形成してリオンに襲い掛かったのだ。
だが、リオンはそれを難なく受け止めると反撃に出た。
リオンの剣がスレイドの右腕を切り裂いた。
「うおっ!?」
予想外の攻撃を受け大きく後退してしまうスレイド。
鮮血が飛び散り、地面に滴り落ちる。
「まだ…だ…ッ!」
しかし、スレイドはすぐに態勢を立て直し反撃に移った。
だがその時にはもう遅かったのだ。
「これで終わりだッ…!」
リオンの一撃によってスレイドは大きく吹き飛んだのだった。
そして、そのまま地面に叩きつけられた。
その衝撃で地面は大きく揺れ動き、立っていることすら困難な状況になった。
そんな中でもリオンは油断せずにスレイドを見つめていた。
そんな状況の中、さらなる衝撃的な出来事が起きたのだ。
キシャル島が大きく揺れ動きだしたかと思うと、突如として火山が噴火したのだ。
これまでとは違う、大きな噴火だ。
「山が…」
そしてそれと同時に激しい地震が発生する。
大地が激しく揺れ動き立っていることすら困難な状況。
二人はお互いのことをにらみ合ったまま身動きが取れずにいた。
「くそッ…!」
そんな状況の中、リオンは何とかして打開策を考えようとしていた。
だが、突然スレイドが攻撃を仕掛けてきたのだ。
「ッ…!」
その一撃を受け止めるリオンだったが、その力強さに思わず顔をしかめる。
しかし、それでも諦めるわけにはいかない。
これが最後の攻撃になるだろう。
リオンは決意を固める。
そして、スレイドに向かって駆け出した。
対するスレイドも迎え撃つべく構える。
両者の距離はどんどん縮まっていく。
そしてついに激突した。
「くうぅぅ…!」
「はあああッ!」
リオンの剣とスレイドの魔力の刃が激しくぶつかり合う。
その勢いによって吹き飛ばされそうになるが何とか踏みとどまり、そのまま押し切ろうとする。
しかし相手も負けじと押し返してくる。
両者一歩も譲らない戦いが続く。
そして…
「うおおッ!」
リオンの一撃によってスレイドは大きく吹き飛ばされたのだった。
大きな揺れで立ち上がる時間が一瞬、遅れた。
そして…
「これで終わりだッ!」
「…ッ!」
それが両者の勝負、最後の攻撃となった…




