入学試験6
先ほどまで行われていた試合を観戦していた二人組がいた。有馬あすかと佐川さつきである。彼女達は、MFAでも精鋭と呼ばれるA級隊員チーム「サザンカ」の一員である。彼女たちは、任務が終わり寮へ帰る途中、模擬戦が行われているのを見つけ興味本位に立ち寄ったのだった。
「ねぇ~、さっちん、今の試合どうみる?」
「負けた部長の娘さんは、魔力量が多いのは魅力的だが、無駄うちが多すぎる。戦術から教え込必要があるな。」
「だよね~。じゃあ、あの男の子の方は?」
「クレバーな戦いをしていて、状況がよく見えているけど状況判断が遅い。どちらにしても、気合いが足りないし、今のままじゃ戦場では使い物にはならん。」
彼女たちは席を立ち、寮へ向かいながら会話を続ける。
「でもさ~、さっちんは厳しいよね。まだ、入試の段階だよ。彼らは、合格したら3年間訓練生として基礎知識や実習を積み、二年間の下働きを経て一人前の隊員になるんだから。」
「それそうだが私が彼等の歳だった時は彼等よりはるかに強かった。」
「確かに私たちの頃は、戦争真っ只中で魔法が少しでも使えたらいきなり戦場に送り込まれたから生き残るには強くなるほかなかったからねー。でもさっちんはさ~、人のこと言えないと思うな~」
「どういうことだ、あすか?」
「だってさ~、さっちん10年前の初めての任務の時飛行機の中であまりの恐怖で失禁しちゃ!?ったじゃん。気合いが足りてなかったのはさっちんもじゃないのー(笑)」
さつきに途中で口をふさがれそうになるが、あすかは彼女から逃げながらしゃべりきるのだった。
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