入学試験2
俺は今、MFAの東京支部の目の前にいる。ここは東京の街が一望することができる。しかし、ここから見える東京は半世紀前のものとはまるで違った。
魔物、それは戦時中に日本へ送り込まれた強靭な破壊力と意志を持つ移動する兵器だ。普通の動物と違い、魔物に、一般の武器はまるで通用しない。唯一それらに対抗できるのは、高い戦闘能力を持つ魔法師だけで一般人にとっては恐怖の対象だった。魔物の存在はいまだに多くの日本人の生活を脅かし続けている。
日本政府は国民の安全な暮らしのためにある対策を講じた。シェルター構想だ。全国にシェルターをいくつか構築し、その中で生活を送ることで魔物からの被害を防ぐというものだった。。
シェルターは、現在全国に7つ設置され、周りに結界を張ることで魔物の侵入を防いでいる。各地のシェルターにはMFAの支部が存在していて、シェルター周辺の魔物の駆除も彼らの仕事の一つだ。シェルターは北から札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡にある。MFAの本部はここ東京シェルターにある東京支部だ。全ての受験生はまずここの本部で入試を受けることとなっている。そして、3年間の訓練と2年間の現場実習でやっと一人前の隊員と認められる。
そして、今日俺は試験を受けるためにここへ来た。サラ、母さん頑張ってくるからと気合いを入れてMFA東京支部へ足を踏み入れたのだった。