神様登場
今回はあまりギャグ感はないかもしれませんが、この次からは、また前のようになるかと思います!
…ァー……アァー……
どこからか聞こえるこの音は、神様が出てくる時の音だ……。
神「救世主、仲間がだんだんと集まってきましたね」
僕以外の皆は、空を見ながら唖然としている。
神「ただ、仲間には何かしらの問題がありますよね?」
優「何かしらの問題……。ソウデスネー……問題だらけで、本当に困ってます…。いつになったらこの夢は覚めるんでしょうか…」
僕はため息をついた。
チラリと仲間を見ると、色々な反応をしていた。
カインは、またお目にかかれたー!と絶叫していて
ユラは、平然を装っているけど頬に汗が流れている
バルドルは、これ以上ないくらいに高速で目を擦っていた。
神「夢ではありませんよ?」
優「そうですよねー…自分で作り出した壮大な夢だから、神様さえも僕の言葉が考えたセリフになりますよねー……」
神「いえ、だからこれは夢ではありません……と、言っても信じてはもらえないでしょうね」
神様は何かを考えている。
神「あなたが、この世界を夢ではないと信じていただける方法……何かありませんかね…」
優「夢ですよね?だって、異世界に飛ぶとかファンタジーなこと、現実にはありえないですよ」
そうだ、夢なんだ。
長い長い夢……色々と困ったメンバーの夢。
僕が救世主だなんて現実、ありえない。
神「わかりました。夢だと思うならば、そのまま夢だと思っていてください。ただし、あなたが救世主として仲間を導きアヌエールを倒すまで、あなたはあなたの世界に帰れません」
そういう設定の夢なのか…まぁ、ありきたりだよね。
優「わかりました。僕が救世主として仲間を、ちゃんと戦えるまでに育てれば良いんですよね?」
神様は、にこりと微笑むと仲間に視線を移した。
神「カイン、ユラ、バルドル。あなた達は戦うには致命的な欠点があります。自覚はしていますよね?」
皆は、バツの悪そうな顔をしている。
なんだ、皆、自覚してたんだ。
てっきり無自覚なのかと……じゃあ、僕が文句言う度に傷つけてたんじゃ……。
神「あなた達は悪の魔王アヌエールを倒す使命をもった選ばれし者達。これからは自らの欠点から目を背けずに、救世主、優気の言う事をよく聞いて、強くなってください」
カ「…わかりました!!」
ユ「仰せのままに」
バ「は、はい!!」
皆の答えに満足したのか、神様はいつもより優しい微笑みで消えていった。
カ「…はぁ…き、緊張した…!」
ユラはふぅ…と汗を拭い、バルドルは全身が震えていた。
優「皆……今まで、傷つけるようなことばっかり言って……ごめん」
皆はキョトンと僕を見て、笑った。
カ「何を言ってるんだ!救世主なんだから、指摘するのは当たり前だろ!」
ユ「そうそう、だって言われて当然な僕達だし」
バ「優気、俺達をしっかりと導いてくれよ!」
バルドルに頭をワシャワシャとらんぼに撫でられて、僕は少し泣きそうになった。
この世界は僕の夢だ。
それでも、皆はここでちゃんと生きている、自分の欠点に立ち向かおうとしている。
優「夢だとしても、僕は救世主……皆をちゃんと戦えるまで育てる!……改めて……その、よろしくお願いします!」
皆は笑った。
今さらと。
でも、なんだろう…夢だけど暖かい気持ちになった。
優「じゃあ、ビシバシ鍛えるからね!」
ため息をつく皆と歩き出した。
さっきまでのため息とは違った意味をこめた、覚悟を決めたため息だった気がした。
改めて決意を決めた皆でした。
これからどう進めて行きましょう(笑)
次はまた新しいキャラクターが登場します
お目汚し失礼いたしました。