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僕は救世主  作者: *雅*
2/11

勇者は先端恐怖症

僕は救世主の2話目でございます。

今回も長い上に色々と手抜き加減がありますが、よければ見てやってくださいませ。

?「……ぃ、大……?……おぃ……」

 

……ん?

誰だ…なんだか肩を叩かれてる……。

僕は眠いんだ…頼むから揺さぶらないで……はっ!!

 

?「うぉっ!!」

 

優「痛くない!!」

 

?「は?……何が?」

 

ガバリと起き上がった僕に、恐らく僕を起こそうてしていたであろう爽やかな甲冑姿の青年がビクリと変なポーズで固まっていた。

 

優「あ、驚かせてしまって、すみません!……って、なんで夢の登場キャラクターに謝ってるんだ……」

 

体はどこも怪我をしていないし、痛みもない。

やっぱり夢なんだなぁ…。

 

?「とりあえず、大丈夫……なのか?」

 

夢のキャラクターなのに、僕を心配してくれる。

なんて優しい人なんだ。


優「大丈夫です。心配してもらって、なんだか申し訳……」

 

 ァー……アァー……

 

またどこからか神々しい音楽が鳴り響き、声が聞こえてきた。

 

神「救世主、その青年は勇者カインです。さぁ、あなたの力で勇者を伝説の剣の元へ導いてください」

 

……は?

勇者を伝説の剣に導け?

 

?「い、今のはこの世界の神様ファンフィール様?!じゃあ、お前は……伝説の救世主……なのか?」

 

……僕のゲーム脳もなかなかな展開に持ち込んできたな。

なんか、ちょっと楽しくなってきている僕がいる気がする……。

 

優「あー……はい、たぶん……救世主……かな?」

 

苦笑いを浮かべた僕に、勇者だと言う彼はワナワナと震えている。

……あれ、怒ってる?

 

優「あの、なんだか……すみま…」

 

?「なんと言うことだ!神様からのお告げ通りに歩いてみれば、伝説の救世主が草むらに寝転がったいた…!俺は今、猛烈に感動しているー!!!」

 

優「……熱いっすねー……」

 

?「俺は勇者カイン!神様ファンフィール様のお告げで、悪の王アヌエールを倒すために伝説の剣を探しに行く所だったんだ!救世主!よろしくな!」

 

勇者カインは、爽やかな笑みをたたえながら、僕に手を差し伸べてきた。

 

優「あ、これはこれは。どうもはじめまして……優気と言います」

 

握手をしたと思えば、そのまま手を引かれ僕を立ち上がらせると、熱い眼差しで見つめてきた。

 

カ「優気!良い名前だな!あ、俺のことは、カインと呼んでくれ!早速だが、俺はどこへ向かえば良いんだ?」

 

……いや、僕知らないし。

伝説の剣とか、存在をさっき聞いたばっかりだし。

 

 ァー……アァー……

 

神「言い忘れていました。伝説の剣は、東の洞窟の中の聖なる祠に祀られています」

 

優「いや、それ先に言ってよ!……って、それだけのための神々しい音楽かい!そしてすぐ消えるのかい!」 


僕はなんでこんなにツッコンでいるのか…。


カ「東の洞窟の中の祠……すぐそこじゃないか」

 

優「え、すぐそこなの?」

 

カ「あぁ、そこの木を右に曲がって200m歩けば着く」

 

優「近いな!」

 

……まぁ、僕の夢だから僕の好きなように創られてるのか。

 

優「じゃあ、早く取りに行こう伝説の剣を」

 

カ「あぁ!」

 

 -東の洞窟の中-

 

優「本当に近かったなぁ…10分もかかってないし」

 

洞窟の中には確かに祠があった。

よく手入れされていて、綺麗な祠だ。

 

優「じゃあ、カイン。伝説の剣取って」

 

僕は祠の扉に手を掛けた。

キィ…と小さく音をたて、すんなりと開く扉。

 

中には綺麗で先端が鋭い剣が祀られていた。

確かに、強そうな剣だなぁ

さすが伝説の剣。

 

優「カイン?早く……なんで震えてるの?」                   


熱い男だから震えている…訳じゃなさそうだ……。

顔面蒼白……冷や汗ドバドバ。

 

優「カイン、ちょっと……大丈夫?」

 

カ「……だ、だだだだ大丈夫……だだぁ!」

 

いや、膝もガクブルしてるよ。

全然大丈夫じゃないじゃん!

               

優「出会ってこの10分たらずで何かあった?」

 

カ「………………じ、じじじ実ははは……ぉ、俺は……刃物が………………怖い……ひぃ!!!」 


優「……はぁ?」

 

うずくまるカインに一瞬頭が作動しなくなった。

 

優「いやいやいやいや!勇者が刃物怖いとかないでしょ?!え、何?剣って聞いて刃物じゃないとか思ってたの?!」

 

カ「いや…………だって……勇者だからぁ……伝説の……つ、剣を取りに行けって…神様に言われたからぁ……そんなに先が鋭いとか思ってなかったしぃ……!」

 

カインは涙目で頭を抱えだした。

え、今までの熱い男は何だったの?

まさか恐怖を隠すために必死に頑張ってたの?

ってか、まさか、勇者なのに、先端恐怖症?!! 

 

優「……と、とりあえず、取るだけ取ってみなよ…ね?」

 

カインの手を無理矢理引っ張り剣の柄の部分に触れさせる。

 

優「ほ、ほら!触れた…って、めちゃくちゃ目つむってるし!!」

 

カ「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い」

 

優「いや、カインの方が怖いから!」

 

僕は嫌がるカインの両手に僕の両手を添えて、伝説の剣を祠から取り出した。

 

 チャラッチャラーン

 

……アイテムゲットした時の音楽が今どこかから聞こえた…。

 

僕が手を離すとカインは伝説の剣を泣き叫びながら地面にぶん投げた。

 

 ガチャン

 

洞窟に伝説の剣が落ちた音と勇者の悲鳴が木霊した…。

 

とりあえず、どこかで鞘を調達しよう…うん。


僕はこの状況に、不安しか感じなかった………。

僕は救世主の2話目でございました。

まさかの勇者が先端恐怖症!

どうしましょう(笑)

少しでもクスリと笑っていただければ幸いです。

お目汚し失礼いたしました。

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