初めての別れ
……ピコンっ!
……2人の愛情度は200%!もう誰にも2人は引き離せないよ!
あぁ……またラブラブになったんだなぁ…。
ミ「オルベーヌ!愛してるわ!」
オ「ミューザ、僕もさ!さぁ、君の綺麗な舞を見せておくれ!」
ミ「オルベーヌ!あなたのためだけに踊るわ!」
……何これ……。
2週間で、こんなに人は変われるの?
しなやかに踊るミューザさん。
ポジティブになったオルベーヌさん。
優「予想以上だわ…」
カイン達も特訓してるけど、まだメニューの半分くらいしか、こなせていないのに……。
ユ「愛の力ってやつなんじゃない?」
優「愛ノ力ッテスゴイデスネ……」
カ「優気、2人も旅に連れていくのか?」
優「え?」
バ「ここは良い練習場だったが、そろそろ進まなければいけないんじゃないか?」
そうか…。
皆も最初よりはだいぶマシになってきてるし、本当はのんびりしていられないんだよね…。
2人は戦闘タイプじゃないし
何より……
「「「「道中イチャつかれたら腹立つ」」」」
皆の心は1つになった……。
ミ「旅をする?」
優「そうなんです。僕達は悪の魔王を倒しに行くための力をつける手段として、ここで特訓してたんですが、そろそろ行かなきゃいけなくて」
オ「そうか…」
カ「たぶん、壮絶な戦いになると思うんだ」
ユ「2人は戦い向きじゃないでしょ?」
バ「だから、ここでお別れだ…」
ミューザさんとオルベーヌさんは繋いだ手を硬く握りしめ頷いた。
ミ「優気、あなたのおかげで私は、こんなにも踊れるようになったわ」
オ「俺も、こんなに明るくなれた!しかも愛する運命の相手まで……全て優気が救ってくれたんだ、ありがとう」
2人は、とても幸せそうな顔をしている。
どうやら、元から着いて来る気はなかったみたいだ。
バ「これから、2人はどうするんだ?」
ミ「私達は街に戻ります。そして、幸せな家庭を築くつもりですの」
オ「子どもは何人ほしいかな…男の子、女の子」
あ、ラブラブモードが始まる。
優「じ、じゃあ、少しの間だったけど2人に出会えて楽しかったよ!」
ユ「お幸せにね」
バ「街まで気を付けろよ」
カ「……羨ましい……」
カインは小さく呟いていた。
そんなに恋人が欲しいのか…?
2人は
「道中、気を付けて。ご武運を」
と、見えなくなるまで手を振ってくれた。
なんだか、いないならいないで寂しい気がする。
カインは相変わらず羨ましいと呟き続け、それをなだめるユラとバルドル。
僕は歩きながら3人を見ながら思った。
もし、皆と離れる時が来たら…。
……いや、今は悪の魔王を倒すことだけに集中しよう。
一瞬よぎった寂しさを振り払うように、道を歩き続けた…。
ラブラブカップルとさよならすることになりました。
2人は戦い向きではなかったので、街で幸せに暮らしてもらいました(笑)
お目汚し失礼いたしました。